"Snowflake Intelligence" Is All You Need.
はじめに
株式会社ジンズのバックエンドエンジニア兼データエンジニア兼開発環境保全活動家の中島です。
今年の6月にSnowflakeSummit2025に単身参加してきました。
その中でも最注目のリリースである SnowflakeIntelligence, このPrivatePreview版を有効化してもらったので早速利用してみた感想を公開します。
SnowflakeIntelligenceデモ
さしあたってのトライアルとして日本における売上を対象としたCortexAgentを構築してみました。
サンプル1: 売上ランキング
まずは簡単に, 直近の売上ランキングを表示してもらいましょう。
シンプルな対話型UI。グラフも表示してくれます。(具体的な数値は割愛)
場面・性別問わず違和感なく身に着けられ, 近年のNo.1をひた走るシリーズ コンビチタン(CombinationTitanium) の2025年夏モデルが正しくトップとして表示されました。
JINS Combination Titanium UUF-25S-201
また直近発売となったJINS360°もランキング上位に入っています。
蝶番に全方位稼働機構が組み込まれており"最も壊れにくいメガネ", 社内試験で1ヶ月ほど利用していましたが毎晩枕の下に敷いて寝ても一切壊れない優れものでした。購入してくださる方が多いようで嬉しいです。
(個人的にはキッズモデル出してくれないかなと思っています)
サンプル2: カラー毎の売上比率の調査
ではさらにアドホックな分析, 特定のモデルの売上に着目します。
先日店舗で見かけて一目惚れした "Disney Classicsデザイン ピノキオモデル", このカラー毎の売上比率を聞いてみましょう。
使ってみることでユーザビリティ観点で不足している情報も見えてくる。
カラム名と直接は紐づかない呼称も含めて質問してみたのですが, 内部で"それっぽいカラム"を推測し調査してくれます。
1つの質問に対して複数の思考プロセスが走り2,3分ほどで回答が返ってきました。
DisneyClassicsデザイン ピノキオモデル UCF-25S-156 ダークブラウン(184) / ブラウン(282)
さらにここから「発売からの売上推移は?」「よく売れている地域・店舗は?」「同じカラーバリエーションを持つモデルとの売上傾向の違いは?」など対話的に分析を進めていくことができます。
使ってみた感想
タイトルの通りです。これだけあればよくない?
アドホックな分析にあたっては従来のBIツールとは比較にならない自由度・早さが得られます。
なによりエージェントによる思考プロセスが 実行されるSQLレベルで 開示されているため結果の正しさが検証可能で, ビジネス部門のユーザーに提供するハードルが著しく下がりました。
もちろんBIツールを利用して固定フォーマットのレポートを作る意味も, 定期的なレポーティングや俯瞰した情報の共有など"素早く全体を眺めて共通の概観をつかむ"ためにはあると思うのですが, それも固定のプロンプトで十分では?と感じてしまいました。
そしてSnowflakeIntelligenceという実用的かつ手軽なUIが出てきたことにより, AI-Readyとはどういう状態か がより具体化されたように思えました。
感覚としては "SQL歴1~2年程度・ドメイン知識なしのエンジニアでも1hあれば欲しいデータが抽出できる"程度のデータモデル・メタデータの整備が求められる といった具合です。
導入にあたってのハードル
SnowflakeIntelligenceの有効化だけであれば非常に簡単で, 1日もあれば構築可能です。
ただしやはりCortexAgentから参照される SemanticView が非常に重要でした。
SnowflakeIntelligenceが思考するにあたって, "どのデータが", "どこにあって", "どう集計されるべきか"の定義はデータエンジニアが構築する必要があります。
これをディメンショナルモデリングの思想に沿って実装したのが Semantic View, 幸い我々はあらかじめ準備していたのでトライアル程度であれば難なく実装できたのですが, すぐに構築できる企業はさほど多くないのではないかなと思っています。
(我々も網羅的なものは鋭意開発中です。)
とはいえ一部でもいいのでまずは導入してしまうことをお勧めしたいです。
SnowflakeIntelligenceにより データモデルの綺麗さが分析の精度・自由度に分かりやすく直結する ようになるので, そこを起点にリファクタリング(=AI-Readyな状態構築)の価値を提示するほうがマネジメント層や経営層の理解を得やすいはず。
最後に
我々株式会社ジンズITデジタル部、社内では比較的若い部署ではありますが、少しずつ需要も規模も拡大していっています。そのため新たなエンジニアを随時募集しています。
- 大局を見ながらプロジェクトを運営してビジネスを動かしたい!という方
- 実際に動くシステムをバリバリ実装しながらベンダーさんと殴り合いたい!という方
どちらの志向でも活躍できる土壌があります。
興味ある方はぜひ、下記募集ページをご覧ください!
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