【CTOが語る】HRコンパウンドスタートアップの開発組織とは?
jinjer開発ってどんな開発?
皆さん、こんにちは。
ついにjinjer企画開発チームブログが始まりました。
初回はjinjer社初のCTOを務める高村が担当します。
記念すべき最初の記事をふざけたテーマにしてしまうと今後に響きそうなので、未来のjinjerテックブログの為を考えて、
テーマはjinjer開発ってどんな開発?をテーマにお話をさせていただこうと思います。
jinjer社のCTOとして、私たちの開発チームの革新的な変化を見守ってきました。今回はその経験を共有し、特にティール組織の導入がもたらした効果について詳しくお話しします。
先ずjinjerというサービスと会社についてですが、会社自体は2021年10月1日設立で5年目になりますが、サービス自体は2016年に提供を開始し今年で9年目となります。
jinjerは年々成長を続けており、開発部門も同様に成長しています。
私がこのチームに参加したのは2023年5月で、二年弱経過したところです。
この一年で私たちの開発チームがどのように変化し、成長してきたのかをお話しするとともに、私たちがどのような開発を行っているのかを詳しくご紹介します。
私がよく求職者や事業部の方々から聞かれることがあります。
「jinjer開発の一番の特徴は何ですか?」
その答えは、jinjer開発がトップダウンではなく、ボトムアップで現場主導のアプローチを取っていることにあります。
このアプローチは
「ティール組織」
と呼ばれるもので、この方法でプロジェクトを推進しています。
では、なぜティール組織を採用したのか、その導入がもたらした組織の変化についても詳しくお話しします。
jinjer社の課題
私が入社した当初、
jinjer社ではプロダクトマネージャー(以降、PdM)とプロジェクトマネージャー(以降、PjM)とエンジニアチーム(以降、Dev)でスクラム開発を行っていたのですが、
「デリバリースピードの低下」と「品質の不安定さ」という二つの大きな問題を抱えていました。
このIssueのソリューションを何にしようかなー?がティール組織導入のスタートでした。
デリバリースピードの低下
デリバリースピードが上がらない主因を分析したところ、
・PdMとPjMの間のやりとりのスピードが遅い
・負の遺産と呼ばれる設計・実装があり、簡単に機能追加・変更をすることができない
この2点でした。
PdMとPjMの間のやりとりのスピードが遅い要因は、スプリントプランニングとバックロググルーミングの過程で生じる遅延が、プロジェクトの進行速度を遅らせていることが分かりました。
さらに、PjMに焦点を当てて深掘りしていくと、
PdM、PjM、エンジニアチーム間の適切な連携が取れていないことが明らかになりました。
実際のフローは、
PdMからPjMへ、次に開発マネージャー(以降、dev Manager)を経由して再びPdM、PjMと続き、最終的にDevへと進むという複雑なものでした。
これでは効率的にスクラム開発を行う事はできません。
弊社はPdMがプロダクトオーナー(以降、PO)の役割を担っており、このフローにdevManagerは不要だということが分かります。
次に、負の遺産の解消が進まない理由を分析を行うと、
Dev、PjM、PO間で直接解決すべき問題が、devManagerが間に入ることで複雑化し、現場の意見がPOに直接届かないため、迅速な対応ができず、問題の本質が見えにくくなっていることが判明しました。
これが原因で、プロジェクトのスピードが落ち、さらに断片的な情報に基づく解決策が採用されていました。これでは根本解決に繋がりません。
どちらも、devManager の意思決定が介在すると、現場の意思決定と一致することが少なくなり、それによってプロジェクトの進行速度も確実に低下していることが明らかになりました。
品質の不安定さ
次に、品質安定の問題に関しては、先の分析と同様に、負の遺産によって品質の低下が頻繁に発生していることが明らかでした。
これらの問題がすべて解消されるまでは、デグレードが発生しやすい状況であることは理解していたので、
負の遺産を抱えたままの開発では、開発スピード・品質共に最大化できない為遺産の解消にはティール組織化だけでは足りないと判断し、もう一つのソリューションを施策することにしました
まず負の遺産を洗い出して、負の遺産をスクラムチーム内で解決していく。ただこれだけでは先の見えないゴールを負の遺産と共に開発し続ける事になるリスクがあるため、負の遺産を解決する専属のチーム(基幹開発チーム)を発足し、ストラングラーフィグパターンを利用して、モノシリックな作りをマイクロサービスに置き換えるプロジェクトもスタートさせました。
ストラングラーフィグパターンってどうやって進めてどんな状況なのかは、今後のテックブログで取り上げていきますので、乞うご期待とさせてください。ではここからはティール組織への挑戦と、状況、成果の詳細をお話します
ティール組織への挑戦
これらのIssueを解決するため、より現場主導のボトムアップ開発を推進することを決定しました。
そのソリューションとして選んだのが「ティール組織」の導入でした。
これにより、組織の根本的な変革が始まりました。
ティール組織の特徴
そもそもティール組織ってどんなものかと言いますと、
ボードメンバーや上長がメンバーの業務を指示・管理するのではなく、フラットな関係の中で協力しあいながら、共通の目標達成に向けて成長を続ける組織のことです。
導入の効果
ティール組織を導入した結果、開発チームは迅速に意思決定を行うことができるようになり、プロジェクトのデリバリースピードが大幅に改善されました。
また、品質の安定性も向上し、PjMやQC、エンジニア各々が直接問題に取り組むことで根本的な解決が行えるようになりました。
具体的には、1年計画で進めていたリリース計画が半年でリリース出来てしまった事や、当初半年でリリースしたいプロジェクトのリリース計画が3か月でリリースできる事になった等、スピードUPは実際の数値上でも改善されてきています
具体的な変化
ティール組織の導入により、具体的な変化が数多く見られました。
- PjM と PdM間のコミュニケーションの改善が顕著にみられた
- 情報のやり取りが迅速化し、以前に見られた認識のズレが大幅に減少しました。活性化された交流はプロジェクトの進行において、よりスムーズな連携を可能にしました
- PjM、QC(品質管理)、Devが現場レベルで迅速かつ効果的な判断と意思決定を行うようになり、開発プロセスの速度と品質が向上した
- この変化は、各ステージでの迅速な問題解決と効率的なプロジェクト管理を実現しています。
- PjMやSEによる勉強会が自発的に定期的に開催されるようになった
- これにより、チーム全体の技術的なスキルと知識の底上げが促進され、持続的な学習文化が育まれています。
- 新しいプロダクトの開発が連続して開始され、それぞれのプロジェクトにおいて革新的な取り組みが加速
- これは市場への迅速な対応と製品の質の向上に直結しています。
- プロジェクト間のコミュニケーションが向上し、各部門間の横の連携もスムーズに機能するようになった
- これにより、全体としての組織のシナジーが高まり、多様なプロジェクトが一層効率的に進行しています。
これらの変化により、各メンバーがそれぞれ日々の業務においてその効果を実感しており、一年前とは別の組織で働いている感じがする、全く違う開発になった等、ティール組織の導入がもたらしたポジティブな影響を肌で感じてくれているようです。
まとめ
このように、ティール組織の導入によって、導入のきっかけとなった2つの課題を解決するだけでなく、組織全体に様々な変化がもたらされるようになりました。
さらには、自律的に行動することで、プロダクトだけでなく、開発メンバーの成長も顕著に見られるようになってきたことも楽しみの一つです。
それぞれの変化の詳しい内容は今後のテックブログにて、お届けできればと思うので、今後のブログを楽しみにしていてください!!!!
もし、革新的な環境で自らのスキルを発揮し、技術の力で社会に貢献したいとお考えの方がいれば、ぜひjinjer社への参加をご検討ください。
私たちは、一緒に新しい未来を築く仲間を常に求めています。
Discussion