Varjo XR-1の開発環境構築
概要
私がVarjo
の開発を始めた頃、日本語で引っ掛かる情報が少なくて戸惑いました。
本記事では、これから開発を始める方を対象に「Varjo XR-1の開発環境の構築方法」を説明させていただきます。Varjo XR-1
と書きましたがVarjo VR-2
などでも基本設定は同じだと思いますので、途中まで参考にしてみて下さいね。
手順
- Steam + SteamVRのインストール
- Varjo Baseのインストール
- グラフィックスツールのインストール
- ThunderBolt接続の設定
- SteamVR Base Stationの設定
1. Steam + SteamVRのインストール
(1) Steamにアクセスし、右上の「steamをインストール」からSteamSetup.exe
をダウンロードします。
(2) 言語「日本語」を選択、インストール先を入力し、インストールを開始します。
(3) Steamの「ストアを検索する」欄にsteamvr
と入力し検索します。
(4) SteamVR
を選択してインストールを開始します。
2. Varjo Baseのインストール
Varjoの開発を行うためにVarjo Base
という基盤ソフトを使用します。Varjo Baseから起動するAnalytics window
では、XR-1などの本体を持っていなくても動作確認するエミュレート機能を有しています。
(1.1) Varjo Base(VarjoBaseSetup_2.5.0.exe
)をダウンロードします。(この記事を書いた時点のverは2.5.0でした。)
(1.2) Varjoサイトからアクセスしたい方は、TOPから「Discover」->「Developers」を選び、左に表示されるリストから「Downloads」を選択します。
(2) インストール先を入力し、インストールを開始します。
3. グラフィックスツールのインストール
Varjo Native SDK
のサンプルプログラムでは、レンダリングの方法として「OpenGL」、「DirectX11」、「DirectX12」が用意されています。
(1) デスクトップ左下の「Windowsマーク」->「設定」->「アプリ」を選択します。
(2) 「アプリと機能」->「オプション機能」->「+機能の追加」から「グラフィックスツール」を選択し、インストールを開始します。
4. ThunderBolt接続の設定
XR-1ではThunderBolt
端子を経由してフロントカメラ画像をPCに取り込みます。
最終的にXR-1を接続したのにVarjo Baseにカメラ映像が表示されない場合は、ThunderBolt端子が有効になっていない可能性を疑って下さい。
あとボードによっては、ThunderBolt端子が緩くて認識していない場合もありますので注意して下さい。以下にASUS Pro Art Z490-CREATOR 10G
の設定例を記載します。
(1) PCのBIOS画面から「Advanced」->「Thunderbolt Option」を選択します。
(2) 「Thunderbolt Security Level」を「No Security」に変更します。
また、XR-3
からはThunderBolt端子は必要無くなり、USB-A 3.0/3.1
のみになります。ハードウェア環境を揃えるのが楽チンになりますね。
また、公式にマザーボード対応情報があります。私は以下のリストに含まれていない型番を選びましたが(気付かずに買ってしまった)、心配であれば参考にして下さい。
メーカー マザーボード型番 ASRock X570 Phantom Gaming-ITX/TB3 ASRock Z390 Phantom Gaming ITX/AC ASUS Prime Z390-A Motherboard w/ ThunderboltEX 3 expansion card Gigabyte Z390 AORUS Xtreme Gigabyte Z390 DESIGNARE Gigabyte Z490 VisionD
5. SteamVR Base Stationの設定
XR-1は最大4個のSteamVR Base Station 2.0で位置計測を行うことが出来ます。
単純にソフト開発をするだけであれば、6項で完了ですので本項は読み飛ばして下さい。
(1) SteamVR Base Station 2.0に電源を入れて4台が認識されるか確認します。
(2) Base Stationを単品購入した方は、おそらくこの時1台しか認識しないと思います。
(3) 細い棒でBase Stationの裏にあるボタンを1回押して下さい。
少しタイムラグがありますが数秒後にBase Stationのチャンネル数が変更され認識されるようになります。残りのBase Stationのチャンネル数も重複しないように変更しましょう。
おしまい
ここまで読んでいただき、ありがとうございました。まず、環境構築の第一歩は完了ですね。
続きは「Varjo Native SDK」と「Unity」環境におけるプログラム作成方法の一例を簡単に説明していきたいと思います。(アレ?UnrealEngineは?)
Varjo Native SDKでは、みんな大好きC++で開発を行います。
Unityでは、HDRPプロジェクトでとっても簡単に作成できますよ。
それでは、続きはまた次の記事で!ありがとうございました。
Discussion