ShotGridは人をなんだと思っているのか。
ShotGridアドカレ2021 12月26日の記事です。
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なんとも思っていないとは思いますが。
ShotGridにおける「人」
SGは人類を大きく三つに分けて扱います。
- HumanUser
- ClientUser
- サイトを契約した人
もう一つ別のユーザーの区分としてScriptUserというのがあります。文字通り人ではないユーザーです。
一番上は、ログインしてSGを利用するいわゆるユーザー。
二番目は組織外のユーザー。成果物のチェック/決済のみに訪れます。
この二者はSGサイトを境界とすると「内側」のユーザーで、三番目のユーザーは外側のユーザーです。
ここでは一番上のユーザー「HumanUser」に注目します。
「HumanUser」という書き方は、Python APIからアクセスする時に目にするもので言ってみればエンティティタイプの本名です。
このエンティティへのアクセスはSGサイトの各所にありますが、
これが めちゃ揺れて ます。
どれくらい揺れているか確認したいと思います。
管理者メニュー
UI言語を日本語にしていると「ユーザ」です。
ちなみに他の関連表記として「クライアントユーザ」「権限 - ユーザ」。
ところで「ユーザ(ー)」と長音記号をつけない表記については、かつて「JISC」(日本工業標準調査会)が設けていた工業・IT分野での原則ですが、超大手IT企業であるところのMicrosoft社が2008年くらいから「伸ばしていこうぜ」と言って転換を始めたのを皮切りに減ってきている印象です。
また、画面最上部のグローバルナビゲーションにある表記も「ユーザ」です。
UI言語を英語に切り替えると
Adminメニューには「People」「Permissions - People」「Client Users」、
グローバルナビゲーションとページ名は「People」、
エンティティ追加ボタンは「Person」
サイト基本設定
サイト基本設定のエンティティカテゴリでは、
「ユーザ(HumanUser)」と本名が確認できます。
英語に切り替えてみると、
「Person」 です。
「ユーザ」ページまわり
「ユーザ」ページに現れる有効・無効ボタンも「ユーザ」です。
英語だと、
ここは「User」。
フィールド追加ダイアログでエンティティリンクする時の表記も「ユーザ」
英語だと「Person」。
エンティティの詳細ページも軒並み「ユーザ」です。
英語だと「Person」
プロジェクト概要
日本語UIでは各所「ユーザ」に統一されていますが、
英語UIだとここで全てのパターンが確認できます。
「Link People this Project」「Add Person」「Activate User」
ちなみに右上の「+」は「Add people to the project」とポップアップされます。
フィールド
グループでは「Users」ですが、
部門では「People」
ちなみにどちらも日本語UIだと「ユーザ」です。
ノートでは「Author」と「To」
ここは日本語UIだと「作成者」「宛先」です。
イベントログでは「Who」
これも日本語UIだとユーザ
あと特殊なのはタスクの「担当者」やバージョンの「アーティスト」あたりが挙がります。
HumanUserにリンクしてそうなフィールドをまとめると、こうです。
おまけとして、フィールドコードに「user」を含むのは57
personが1(ただし "impersonate" という単語に含まれているということで、並び的にはちょっと違いますね)
peopleが0
まとめ
日本語UIの場合はノート、タスク、バージョンなど固有の意味合いが明確な場合を除いて「ユーザ」に統一してマッピングされていますが、
原語ではエンティティに直接関係ありそうなところでは「Person」、それ以外で複数を扱うときには「People」、たまに「Users」、単数のときに「User」という感じでしょうか。
理屈っぽく述べると、日本語UIはカタカナ語による異化・抽象化感によったローカライズという感じでした。
言語文化の違いが感じられて、中国語モード、韓国語モードも見比べてみるとまた面白いかもしれません。
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ShotGrid のTipsを技術同人誌としてまとめました。
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