ThonnyでESP32開発環境構築 (その1)
はじめに
この記事では、Thonnyを使用してESP32の開発環境を構築する手順について記述しています。
pythonそのものや、ファームウェアアップデートツールなども同梱されているので、すぐにESP32で開発を始めることができます。
動作確認はFreenoveのESP32-WROVER-DEVを使用していますが、同等品でも動作すると思います。
In English
This article describes how to install Thonny for ESP32 development kits in Japanese.
Thonnyとは
ThonnyはエストニアにあるUniversity of TartuのAivar Annamaaによって開発され、その後、Cybernetica AS や Raspberry Pi財団のサポートを受けて開発が進められている、オープンソースのpython開発環境で、Mac、Linux、Windowsで動作します。
pythonそのものが同梱(記事執筆時ではPython3.10.6が同梱)されているので、別途、pythonをインストールする必要がありません。
オリジナルサイトは以下の通りです。
Thonnyのインストール
Macユーザ
Macユーザ
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上記リンクのサイトからthonny-4.0.1.pkg
をダウンロードします。(バージョンは原稿記述時の最新版です) -
ダウンロードしたファイルをダブルクリックしてインストールを開始し、続ける をクリック。
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使用許諾契約の画面が表示されるので、続ける をクリック。
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確認画面が表示されるので、同意する をクリック。
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インストール先の確認画面が表示されるので、インストール をクリック
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インストーラから認証を求められるので、認証作業を行う。
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インストールが完了すると、閉じる をクリックする。
Windowsユーザ
Windowsユーザ
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上記リンクのサイトからthonny-4.0.1.exe (20.4 MB)をダウンロードします。(バージョンは原稿記述時の最新版です)
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ダウンロードしたファイルをダブルクリックしてインストールを開始します。
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次の画面でNextをクリック。
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accept the agreementに黒丸が入っていることを確認して、Nextをクリック。
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インストールされるディレクトリ(フォルダ)を確認して、Nextをクリック。
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Nextをクリック。
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デスクトップにThonnyへのショートカットを作りたい場合はCreate desktop iconにチェックを入れて、Nextをクリック。
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Installボタンをクリックするとインストールが始まります。
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Finishをクリックして終了します。
ESP32開発ボードへMicropythonのインストール
ここからはMacもWindowsもほぼ同じですので、Mac/Windowsのアコーディオンは省略します。
異なる部分は、ESP32開発ボードが接続されているUSBボート名だけです。
Macの場合は/dev/tty.usbserial-14140のようになりますが、Windowsの場合はCOM6のようになります。
Micropythonファームウェアのダウンロード
下のリンクからReleasesの最新バージョンをPCにダウンロードして下さい。
記事執筆時のバージョンは v1.19.1 (2022-06-18) .bin となっています。
Thonnyの起動
ウインドウズボタンやデスクトップショートカットからThonnyを起動します。
Languzgeを日本語に変更して、Let's go!ボタンをクリックします。
Thonnyの起動画面
Micropythonファームウェアのインストール
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Thonnyメニューバーでツール → オプションの順にクリックします。
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Thonnyオプションウインドウが開くので、上部タブでインタプリタをクリックし、インタプリタ選択部でMicroPython(ESP32) を選択します。
次に、<ポートの自動検出を試す> を選択し、Install or update MicroPythonのリンクをクリックします。
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ESP32 firmware installerの画面が開くので、Port でESP32開発ボードが接続されているポートを選択し、Firmware の欄は先にダウンロードしたファイルをBrowseボタンをクリックして選択します。
From image file(keep) に黒丸が入っていること、Erase flash before installing にチェックマークが入っていることを確認してインストール ボタンをクリックします。
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インストール ボタンの左側の表示が変わり、ファームウェアの進捗状況が表示されます。
完了すると、Done! の表示に変わりますので、確認後、閉じる のボタンをクリックします。
完了するまで、使用しているPCの環境にもよりますが、約2分ほどかかります。
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Thonnyオプション画面でもOK ボタンをクリックします。
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ESP32開発ボードがリブートし、Thonny下部のシェルに次のように表示されます。
トラブルシューティング
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ESP32開発ボードを接続してもシェルエリアにMicropythonのバージョン番号等のメッセージが表示されない。
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ThonnyのSTOPボタンをクリックしてみる。
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ESP32開発ボードのリセットボタン(USBコネクタの両側にある黒いスイッチの内のひとつ)を押してみる。
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USBコネクタを一旦抜いて、再度、挿してみる。その後、ツール → オプション → インタプリタ の画面でMicroPython (ESP32) を選択し、シリアルポートを <ポートの自動検出を試す> 以外の方法で明示的に指定する。
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Thonnyを一旦終了して、再立ち上げしてみる。
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Macの場合、ls /dev/tty.usb* コマンドで、Windowsの場合、デバイスマネージャー でOSがESP32開発ボードを認識しているかを確認する。
などを試してみて下さい。
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ESP32開発ボード上のLEDが点灯しない。
- Micropythonファームウェアの書き込みに失敗している可能性があるので、ファームウェアの書き込みを再度行ってみる。
- ESP32開発ボードやGPIO拡張ボードの不良が考えられるので、取り替えてみる。
今回の記事はこれで終了です。続きは下のリンクにあります。
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