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Meta Quest Pro で WebXR local dimming を有効化して WebXR コンテンツで「黒」の表現力を高める

2022/12/03に公開

Quest 系 VR HMD で WebXR を嗜むにあたり有用な標準ブラウザ Meta Quest Browser の最新バージョン 24.3 に WebXR local dimming (#webxr-local-dimming) が実装されました。

Default は disabled で chrome://flags から有効化することで、ローカルディミングが有効化され「黒」の表現力が高まります。

https://twitter.com/rcabanier/status/1592590291571130370

ローカルディミング (ローカル調光) とは

ローカルディミングは液晶ディスプレイを語る際に登場する、LEDの明るさを調節してコントラストを高めること技術のことで、最近では VR HMD においても重要性を増しています。

Quest Proは、ディスプレイのパネル解像度はQuest 2と同じであるものの、よりサイズの小さいものを採用し、「画素密度」を37%高めている。
さらに、バックライトの明るさを精密に制御する「ローカルディミング」技術を採用し、消費電力低減と高画質化の両方を目指した。

Ref. 「次は“仕事”だ」Quest Proが開拓するビジネス・メタバース戦略を幹部に聞く

Meta Quest Pro には 500 個以上のミニ LED バックライトが搭載され、それぞれを個別に制御することでローカルディミングを実現しています。

Regular LCD displays have at most a few backlight LEDs which control the brightness of the display. Quest Pro’s panels have over 500 Mini LED backlights, so it can control the brightness of individual tiny regions. This is called Local Dimming. It enables LCD to deliver contrast and black levels gap closer to OLED.

Ref. How To Enable Local Dimming In WebXR On Quest Pro

WebXR local dimming を有効化する

有効化に際して、まずは Meta Quest Browser を最新バージョンにアップデートしましょう。その後 chrome://flags から有効化します。 Default は Disabled です。変更後に Enabled となっていれば変更できています。


chrome://flags から WebXR local dimming を有効化 (Enabled) した状態

Meta で WebXR 関連の開発に取り組む @cabanier 氏は、パフォーマンス観点で問題がなければ Default で有効化するとツイートしています。かつては WebXR Device API も明示的に有効化が必要でしたが、現在では標準でデフォルトとなり、設定項目も存在していません。

ちなみに WebXR コンテンツではなくネイティブアプリの場合は開発者側で有効化を制御できます。

https://twitter.com/rcabanier/status/1592680793591406592?conversation=none

実際に効果を実感できるのか?

例によって WebXR Sample Pages の Immersive VR Session で試してみましょう。このサンプルは宇宙に浮かぶ星々や惑星などが配置されているので「黒」の違いもわかりやすいと考えられます。結果としてめちゃくちゃ劇的に変化する! というような体感はありませんでしたが (これは私自身の目の感覚が悪いのかもしれません!) 設定変更の前後では「黒の締まり」が増したように感じました。

Meta Quest Pro をお持ちの方はぜひ試してみてください!


現場からは以上です!

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