MMOゲームの作り方 Node.js x WebSocketで学ぶ
MMOゲームの作り方 Node.js x WebSocketで学ぶ
この記事では、Node.jsとWebSocketを用いてシンプルなMMOゲームを作る方法を解説します。リアルタイム通信が不可欠なMMOゲーム開発において、WebSocketは強力なツールとなります。この記事は『スケーラブルMMOゲーム開発:Node.js & WebSocket 実践ガイド - リアルタイム通信、ゲームロジック、パフォーマンス最適化』の内容に基づいており、基本的な概念から実践的な実装までを段階的に学べる構成となっています。
WebSocketとは?
WebSocketは、クライアントとサーバー間で双方向のリアルタイム通信を可能にするプロトコルです。HTTPとは異なり、一度接続が確立されると持続的な接続が維持され、サーバーからクライアントへのプッシュ通知が可能になります。MMOゲームのように、低遅延で頻繁なデータ交換が必要なアプリケーションに最適です。
Node.jsとwsモジュールの利用
Node.jsは、WebSocketサーバーを構築するための優れた環境を提供します。ws
モジュールは、WebSocketサーバーを簡単に実装するための定番ライブラリです。
const WebSocket = require('ws');
const wss = new WebSocket.Server({ port: 8080 });
wss.on('connection', ws => {
console.log('Client connected');
ws.on('message', message => {
console.log(`Received: ${message}`);
// 全てのクライアントにメッセージを送信
wss.clients.forEach(client => {
if (client.readyState === WebSocket.OPEN) {
client.send(`Someone said: ${message}`);
}
});
});
ws.on('close', () => {
console.log('Client disconnected');
});
});
console.log('WebSocket server started on port 8080');
このコードは、8080ポートでWebSocketサーバーを起動し、クライアントからのメッセージを全ての接続済みクライアントにブロードキャストするシンプルな例です。
ゲームロジックの実装
シンプルなMMOゲームとして、複数のプレイヤーが同じマップ上で移動できる機能を実装してみましょう。クライアントからサーバーへ移動方向の情報(up
, down
, left
, right
)を送信し、サーバーは各プレイヤーの位置情報を保持、更新し、全クライアントにブロードキャストします。
// ... (previous code)
const players = {};
wss.on('connection', ws => {
// ... (previous code)
// 新規プレイヤーを追加
const playerId = Math.random().toString(36).substring(2, 15);
players[playerId] = { x: 0, y: 0 };
ws.send(JSON.stringify({ type: 'init', playerId }));
ws.on('message', message => {
const data = JSON.parse(message);
if (data.type === 'move') {
switch (data.direction) {
case 'up': players[playerId].y--; break;
case 'down': players[playerId].y++; break;
case 'left': players[playerId].x--; break;
case 'right': players[playerId].x++; break;
}
// 全プレイヤーの位置情報を送信
wss.clients.forEach(client => {
if (client.readyState === WebSocket.OPEN) {
client.send(JSON.stringify({ type: 'update', players }));
}
});
}
});
ws.on('close', () => {
delete players[playerId];
// プレイヤーが切断したことを通知
wss.clients.forEach(client => {
if (client.readyState === WebSocket.OPEN) {
client.send(JSON.stringify({ type: 'remove', playerId }));
}
});
console.log('Client disconnected');
});
});
このコードでは、players
オブジェクトで各プレイヤーの位置情報を管理しています。クライアントからのmove
メッセージに応じて位置を更新し、update
メッセージで全クライアントにブロードキャストしています。また、プレイヤーの接続/切断を管理するためのinit
とremove
メッセージも追加しています。
クライアントサイドの実装 (概要)
クライアントサイドでは、JavaScriptでWebSocket接続を確立し、サーバーからのメッセージを受信して画面を更新します。例えば、update
メッセージを受信したら、各プレイヤーの位置に基づいてキャンバスに描画します。具体的な実装方法は、使用するクライアントサイドのフレームワークやライブラリによって異なりますが、基本的な流れは同じです。
パフォーマンス最適化
多数のプレイヤーが接続するMMOゲームでは、パフォーマンス最適化が重要です。本書『スケーラブルMMOゲーム開発:Node.js & WebSocket 実践ガイド』では、以下の様な最適化手法について詳しく解説しています。
- データの送受信量の削減
- サーバーサイドの負荷分散
- クライアントサイドのレンダリング最適化
結論と次のステップ
この記事では、Node.jsとWebSocketを用いたシンプルなMMOゲームの作り方を紹介しました。基本的なゲームロジックの実装方法を理解することで、より複雑な機能を追加していくための基盤を築くことができます。次のステップとして、チャット機能の実装や、より高度なゲームロジックの構築に挑戦してみましょう。
書籍情報
- 書籍タイトル:スケーラブルMMOゲーム開発:Node.js & WebSocket 実践ガイド - リアルタイム通信、ゲームロジック、パフォーマンス最適化
- 書籍スラッグ:book-20250306-060024
- チャプター数:21
- 主なトピック:リアルタイム通信、ゲームロジック設計、WebSocket、Node.js、パフォーマンス最適化、スケーラビリティ、データベース連携、セキュリティ
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