ホロラボはテックブログを始めるときに組織として何を決めたのか?
はじめに
株式会社ホロラボの林です。
ホロラボでは2025年2月から、ソフトウェアエンジニアのメンバーが技術系の記事を直接に執筆/公開できるテックブログ メディアとして、Zenn Publication の利用を開始することにしました。
この文章では、運用開始にあたり、社内の各部門のメンバーと議論をしながらルール決めを行い、文書化した内容を共有します。
具体的なルール内容は、目的や各組織の事情によって異なると思いますが、何を決めるべきかという項目に関して、これから新たにソフトウェアエンジニアメンバーでテックブログをはじめようと思っている方や、見直しをしようと考えている方にとって、参考になれば幸いです。
テックブログを始めるにあたってのルール整備
1. 背景/目的/目標の明示
取り組みを始めるに至った背景や目的を文書化しました。
新しいことを始めると、なぜそんな事始めるの?無駄じゃないの?という声は当然出てきます。
そのような中で、「何故」の部分と、どうなりたいか?に関しては、この取り組みのオーナーが真剣に考え、明文化する必要があると考えます。
また、運用開始後の振り返りや、改善のためにも必要だと考えます。
目標に関しても短期的な目標と中長期的な目標は分けて考えるようにしています。
また、社内の人材育成の観点や、対外的なPRの観点など段階を踏んだ複数の視点が必要だと思います。
2. 取り組みのオーナーシップを明確に
テックブログ運用のオーナーを誰が持つのかも議論し決めています。
レビュー/改善/責任を誰が受け持つのかも社内で確認し、明確に定めています。
ホロラボでも普段PR関係は広報系メンバーが主体で管理しているのですが、今回は広報とは別でエンジニア系部門(私)とCEOの中村が主体のオーナーとして定めています。
3. わかりやすい参加方法
- テックブログを執筆したいエンジニアが具体的にどのような手順を踏めばいいかをまとめました。
- 普段から既にZennを個人のアカウントで活用しているメンバーもいるので、そのようなメンバーも安心して参加できるようにルール整備することは重要だと考えていました。
4. やってはいけない事を簡潔に
テックブログを執筆に際して、必ず守らないといけない、やってはいけない事リストを簡潔にまとめました。長い注意書きを読まないといけないとなると、参加を断念してしまうメンバーも発生しそうなので、気軽に安心して参加できるように心がけました。
以下がやってはいけない事の一部です。
- NDA違反や他者の著作権違反をしないようにしてください。
- Publication に投稿する記事の執筆は業務時間外に行わないでください。深夜や法定休日に投稿しないようにしてください。
- 対外的なイメージを損なうような内容を投稿しないでください(不安だったら相談してください)
- Zenn のコミュニティーガイドラインを確認し、違反するような投稿はしないでください。
- 「Zennはあなたの個人的なメモではなく、常に読み手がいることを忘れないで 」
https://zenn.dev/guideline
- 「Zennはあなたの個人的なメモではなく、常に読み手がいることを忘れないで 」
5. FAQの充実
安心して参加できるように、参加にあたって想定される質問とその回答をまとめました。
具体的な回答には言及しませんが、以下のような内容をFAQとしてまとめ、回答についても社内で合意を取りました。
- 個人のZennアカウントで参加して良いのか?会社のメールアドレスでのアカウントでも良いのか?
- A:個人アカウント/会社アカウントどちらもOKとしています。
- 記事の著作権の所属はどうなるのか?
- A:本人に帰属します
- 退職したら記事はどうなるのか?
- A:継続して本人に帰属します。ただし会社アカウントの場合はアカウント自体にアクセスできなくなるため、本人が記事のメンテナンスをできなくなります。
- レビューは行うのか?それは事前?事後?
- A:当面事前レビューはしません。気になる方は事前レビュー依頼を受けつける。事後で指摘事項があったら相談の上対応してもらう
- 記述ノルマはあるのか?評価に影響するのか?
- A:ノルマはありません。
- 業務時間中に書いていいのか?業務時間外に書いていいのか?
- A:業務時間中に書いてください。
- 現時点では業務に無関係の技術ネタでも良いのか?
- A:良いです。
- 本名じゃなくてもいいのか?
- A:OKです。
- 収益化していいのか?
- A:決めていません。内容に合わせて、相談します。
- 記事が書きたいけど、テンプレートはあるのか?上手な書き方を知りたい
- A:参考ドキュメントを用意(詳細は省略)
最後に
振り返ってみると、わりと「安心」というキーワードを頭の中で意識してルール整備してたんだなと改めて思いました。
リモートワークでの非同期での情報共有や、チームでの作業のために、テクニカルドキュメントの記述スキルの継続的な成長が今までも必要とされてきましたが、さらに、生成AIを活用の文脈においても、適切なコメント/プロンプトを作成するための、ドキュメント力が必要となってきています。
この記事が、これからテックブログをはじめたり、改善を考えている方へのヒントになれば幸いです。
追記
ホロラボではこの Zennと合わせて note の運用も始めています。
CEO中村が、Zenn と note を始めた経緯についても投稿していますので合わせてどうぞ。
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