MCPとは何か?〜「やさしいMCP入門」を読んでみた〜
はじめに
こんにちは。普段は地理空間データ分析や知識グラフについてZennで記事を書いていますが、今回は以前から興味を持っていた**「MCP(Model Context Protocol)」**について前回のポストに引き続きアウトプットしたいと思います。AIニュースでMCPに関する記事を読んだことをきっかけに、こんなに便利なものがあるんだ!と驚きました。以前からMCP サーバやfunction callingによる自動化について興味深々だったこともあり、早速『やさしいMCP入門』という書籍を読み始めました。インプットした知識を定着させるため、今日のブログでは第1章で学んだMCPの基礎についてまとめます。
1. MCP(Model Context Protocol)とは
MCPは、**アプリケーションがLLM(大規模言語モデル)にコンテキスト(文脈情報)を提供する方法を標準化するためのプロトコル(規格)**です 。開発元のAnthropic社は、このプロトコルを「USB-Cポート」に例えて説明しています 。これにより、AIと外部サービスやアプリケーションとの接続が、共通のルールでスムーズに行えるようになりました 。
これまでは、AIと外部のツールを連携させるには、開発者が個別にコードを書く必要がありました。しかし、MCPという共通規格ができたことで、AIは「このURLを要約してほしい」「このデータをスプレッドシートにまとめてほしい」といった指示を、自動的に実行できるようになります。
2. AIエージェントとツールの関係性
MCPを理解する上で重要なのが、**「AIエージェント」と「ツール」**の概念です。
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AIエージェント: 人間の「代理人」として高度な仕事をこなすシステムの総称です。LLMベースのAIエージェントには、以下の4つの特徴があります 。
- プロファイル: 役割やパーソナライズを定義できる。
- 記憶: 長期間の出来事を保存できる。
- 計画: 目的達成のための行動計画を立て、修正できる。
- 行動: 推論やツールの実行によって、外部に働きかけられる。
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ツール: AIエージェントが使いこなす小さなプログラムのことです。大きく分けて2種類あります。
- 情報取得のためのツール: Web検索や社内ドキュメントの検索などを行う。
- 外部操作のためのツール: カレンダーアプリのAPI操作や、OS上でのファイル作成などを行う。
3. Function callingとは
AIエージェントがツールを認識し、必要な時に呼び出す高度な作業は、LLMに備わっている**「Function calling」**という仕組みによって実現されます。
Function callingに対応したLLMは、利用可能なツールの一覧を認識した上で、ユーザーの指示に応えるために最適なツールを選択し、実行に必要な構文を生成することができます。
重要なのは、ツールの処理を実際に実行するのはLLMではなく、呼び出し元のアプリケーション側であるという点です。ツール実行後、その結果をLLMが受け取り、コンテキストとして活用することで最終的な回答を生成します。
まとめ
『やさしいMCP入門』の第1章を読むことで、MCPがアプリケーションとLLMの連携を標準化するプロトコルであること、そしてAIエージェントの「ツール」を動かすFunction callingの仕組みを理解することができました。
MCPって何?Function calling 聞いたことがあるけど何なの?と思っていたので、まず言葉の意味を知れてよかったと感じています。まずは基礎知識をつけて、早めにMCPを触れるようになりたいな。今後もこの学びを深め、Zennにアウトプットしていきたいと思います。
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