初心者でもわかる!Gitの基本操作とPull Requestの完全ガイド
1. はじめに
プログラミングを学び始めると、必ずと言っていいほど出会うのが「Git」です。「なんだか難しそう...」と思っている方も多いのではないでしょうか?
この記事では、Git初心者の方でも安心して学べるよう、基本操作からPull Requestまでを丁寧に解説します。
この記事で学べること
- Gitの基本概念と必要性
- 基本的なGitコマンドの使い方
- ブランチを使った開発の流れ
- Pull Requestの作成・レビューの方法
2. Gitを使うための準備
Gitを使うための準備をしていきましょう。
具体的には以下の準備が必要となります:
- Gitのインストール
- GitHubのアカウント作成
- SSHアクセス設定
- Gitの初期設定
Mac、Windows向けにわかりやすい記事があるので、そちらを参考にご準備いただければと思います。
参考記事:【Windows】Gitの環境構築をしよう!(Progate)
Gitを使うための準備ができましたら、次章へ進みましょう!
3. Gitの基本概念
Gitの基本用語
リポジトリ(Repository)
プロジェクトのファイルとその変更履歴を保存する場所です。
ローカルリポジトリ
自分のPC上にあるリポジトリのことです。
リモートリポジトリ
ネットワーク上(GitHub、GitLabなど)にあるリポジトリのことです。複数の開発者が共有します。
コミット(Commit)
ファイルの変更を記録することです。コミット時にはメッセージを付けて、どのような変更を行ったかを記録します。
ブランチ(Branch)
開発の流れを分岐させる機能です。新機能の開発やバグ修正を、メインの開発ラインに影響を与えずに行えます。
4. Gitを使った基本的なプログラム管理の流れ
全体の流れ
各ステップの詳細説明
1. リポジトリをクローンor追加
GitHub上のリポジトリとローカルの関連付け
既存リポジトリのクローンまたは新規リポジトリのリモート追加
2. 作業用ブランチを作成
新機能開発やバグ修正用の作業ブランチを作成
メインブランチを守りながら安全に開発
3. Git.htmlを更新し、コミット
プログラムコードの作成・修正
ステージング(git add)とコミット(git commit)で変更を記録
4. ローカルレポジトリをリモートレポジトリに反映(push)
ローカルの変更をGitHub上に反映
チームメンバーと共有可能になる
★ プルリクエスト
作業ブランチの変更をメインブランチに取り込むための依頼
コードレビューとディスカッションの場
5. edit-gitリポジトリをmainブランチにマージ(merge)
レビュー完了後、プルリクエストをマージしてメインブランチに統合
新機能や修正内容が正式に取り込まれる
6. リモートレポジトリをローカルレポジトリに反映する(pull)
マージされた最新の状態をローカルに反映
他の開発者の変更も同時に取得
7. 不要なブランチを削除
作業完了したブランチをクリーンアップ
リポジトリを整理してメンテナンスしやすく保つ
この流れを理解したところで、具体的なコマンドを見てみましょう。
5. Git基本操作
リモートリポジトリの設定
新しいリポジトリを作成する場合:
#新しいフォルダでGitリポジトリを作成
mkdir my-project
cd my-project
git init
# GitHubで作成したリポジトリと関連付け
git remote add origin git@github.com:username/repository-name.git
既存のリポジトリをクローンする場合:
# GitHubからリポジトリをクローン
git clone git@github.com:username/repository-name.git
cd repository-name
ステージング
ファイルを編集した後、変更をステージングエリアに追加します:
# 特定のファイルをステージング
git add index.html
# 複数のファイルをステージング
git add index.html style.css script.js
# 全ての変更ファイルをステージング
git add .
# ステージング状況を確認
git status
ステージングエリアとは?
- コミット前の「準備エリア」
- どの変更をコミットに含めるかを選択できる
- 必要な変更だけを選んでコミットできる
コミット
ステージングされた変更を正式に記録します:
# コミット(変更を記録)
git commit -m "Add: トップページのHTMLを追加"
# より詳細な説明を含むコミット
git commit -m "Fix: ログイン機能のバグを修正
- パスワード検証ロジックを改善
- エラーメッセージを日本語化
- テストケースを追加"
良いコミットメッセージの書き方:
先頭に動作を表すプレフィックスを付ける
- Add: 新機能追加
- Fix: バグ修正
- Update: 既存機能の更新
- Remove: 不要な機能・ファイルの削除
ブランチ作成
新機能やバグ修正のための作業ブランチを作成:
# 現在のブランチを確認
git branch
# 新しいブランチを作成
git branch feature/user-login
# ブランチを切り替え
git checkout feature/user-login
# ブランチ作成と切り替えを同時に行う(推奨)
git checkout -b feature/user-login
リモートリポジトリにプッシュ
ローカルの変更をGitHub上に反映:
# 現在のブランチをリモートにプッシュ
git push origin feature/user-login
# 初回プッシュ時(上流ブランチを設定)
git push -u origin feature/user-login
# 以降は短縮形で可能
git push
履歴の確認
# コミット履歴を表示
git log
# 簡潔な履歴表示
git log --oneline
# グラフ形式で表示
git log --graph --oneline
6. ブランチ操作
ブランチとは?
ブランチは開発の「枝分かれ」を表します。メインの開発ライン(通常はmainやmasterブランチ)から分岐して、新機能の開発やバグ修正を行います。
ブランチを使うメリット:
- メインのコードを壊すリスクを減らせる
- 複数の機能を並行して開発できる
- 実験的な変更を安全に試せる
ブランチの詳細操作
# ブランチ一覧を表示(ローカル)
git branch
# リモートブランチも含めて表示
git branch -a
# ブランチを削除(ローカル)
git branch -d feature/completed-feature
# 強制削除
git branch -D feature/experimental-feature
# リモートブランチを削除
git push origin --delete feature/old-feature
マージの基本
# mainブランチに切り替え
git checkout main
# 最新の状態に更新
git pull origin main
# featureブランチをマージ
git merge feature/user-login
# マージ後、不要なブランチを削除
git branch -d feature/user-login
7. Pull Request(PR)の流れ
Pull Requestとは?
Pull Request(GitHubでの呼び方、GitLabではMerge Request)は、自分の変更をメインブランチに取り込んでもらうための「お願い」です。
PRの基本的な流れ
1. ブランチを作成して作業
# メインブランチから新しいブランチを作成
git checkout main
git pull origin main
git checkout -b feature/add-login-form
2. 変更を加えてコミット
# ファイルを編集後
git add .
git commit -m "Add: ログインフォームを追加"
git push origin feature/add-login-form
3. GitHub上でPull Requestを作成
- GitHubのリポジトリページにアクセス
- 「Compare & pull request」ボタンをクリック
- PRのタイトルと説明を記入
- レビュワーを指定(チーム開発の場合)
- 「Create pull request」をクリック
4. コードレビュー
レビュワーが以下を確認:
- コードの品質
- 仕様との整合性
- テストの実行結果
- セキュリティ面での問題
5. マージ
レビューが完了したら、PRをマージしてメインブランチに統合します。
良いPRの書き方
タイトルの例:
❌ 修正
✅ Fix: ログイン時のバリデーションエラーを修正
説明文に含めるべき内容:
- 何を変更したか
- なぜ変更したか
- 影響範囲
- テスト方法
## 変更内容
ログインフォームにバリデーション機能を追加
## 理由
ユーザーが不正な入力をした際のエラーハンドリングが不十分だったため
## 影響範囲
- login.html
- login.js
- login.css
## テスト方法
1. ログインページにアクセス
2. 空のフィールドで送信ボタンをクリック
3. エラーメッセージが表示されることを確認
8. まとめ
この記事では、Gitの基本操作からPull Requestまでの流れを解説しました。
重要なポイント
- 決まった流れを覚える:リポジトリ設定→ブランチ作成→コミット→プッシュ→PR→マージ→pull→削除
- 小さく頻繁にコミット:変更は小さな単位で記録
- 意味のあるコミットメッセージ:後で見返した時に理解できる内容
- ブランチを活用:メインブランチを守りながら安全に開発
- 丁寧なPR:レビュワーが理解しやすい説明を心がける
次のステップ
- Git Flowやother Flowなどのブランチ戦略を学ぶ
- GitHub Actionsを使ったCI/CDを試す
- チーム開発でのベストプラクティスを学ぶ
参考資料
Pro Git book(日本語版)
GitHub公式ドキュメント
Atlassian Git tutorials
Learn Git Branching(インタラクティブな学習サイト)
Git入門:初心者向けの基本操作と概念
【ゼロからわかる】Gitを使った開発の流れと基本操作
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