💻

Windows と Ubuntu を LAN ケーブル1本で通信する方法

2024/05/15に公開

はじめに

Ubuntu22.04.4 は HDMI を使用すれば直接操作できるので問題ないのですが、稀に Windows11 にあるファイルを送信したり SSH で通信したくなることがあります。

今回は Windows11 PC と Ubuntu PC を有線 LAN で直接接続した方法についてまとめておこうと思います。

使用する機器および、環境

  • ハードウェア

    • Ubuntu 22.04.4 インストール済みのPC
    • LAN ケーブル
      • ストレート、クロスどちらでも可能ですが、今回はストレートケーブルを使用。
  • ソフトウェア (Windows11)

  • ソフトウェア (Ubuntu20.04.4)

    • SSH

事前準備

有線 LAN ルータに接続したり WiーFi に接続する場合は不要です。

上記のいずれも接続できない環境で Windows PC と Ubuntu PC を直接繋ぐ手段しかないときに役立つと思います。

LAN ケーブル

Windows PC と Ubuntu PC を LAN ケーブルで直接接続します。

これから設定する固定 IP アドレスによって、ルータや Wi-Fi に接続しなくてもやりとりできるようになります。

固定 IP アドレス Windows11

Windows11 有線 LAN の IP アドレスを固定します。

以下の手順に従って IPv4 のプロパティを開き IP アドレスとサブネットマスクを設定します。

設定完了後、イーサーネットを無効 ⇒ 数秒のち有効 にすることで、初期化されます。

Windowアイコンを右クリック ⇒ 設定
Windowアイコンを右クリック ⇒ 設定

ネットワークとインターネット ⇒ ネットワークの詳細設定
ネットワークとインターネット ⇒ ネットワークの詳細設定

その他のアダプターオプション 編集
その他のアダプターオプション 編集

インターネットプロトコルバージョン 4(TCP/IPv4)⇒ プロパティ
インターネットプロトコルバージョン 4(TCP/IPv4)⇒ プロパティ

次の IP アドレスを使う
次の IP アドレスを使う

無効にする ⇒ 有効にする
無効にする ⇒ 有効にする

固定 IP アドレス Ubuntu22.04.4

Windows11 と同じように有線 LAN の IP アドレスを固定します。

以下の手順に従って IPv4 のプロパティを開き IP アドレスとネットマスクを設定します。

右上をクリックし設定画面へ
右上をクリックし設定画面へ

Network の歯車アイコンをクリック
Network の歯車アイコンをクリック

IPv4 の必要事項を設定
IPv4 の必要事項を設定

設定完了後 Window11 と同じくイーサーネットを無効 ⇒ 有効 にして初期化します。

無効 ⇒ 有効
無効 ⇒ 有効

ファイヤーウォール Ubuntu

初期状態のままであれば無効化されていると思いますが、念のため確認します。

Terminal
sudo ufw status

以下のように inactive と表示されていれば無効化されています。

# ファイヤーウォールが無効
Status: inactive

# ファイヤーウォールが有効
Status: active

ファイヤーウォールが有効の場合は以下のコマンドで無効化します。

Terminal
sudo ufw disable

SSH を使えるようにする

以下のコマンドを打ち込むと、インストール後にすぐ使用できます。

Terminal
sudo apt-get install ssh
systemctl start sshd

Tera Term 4

SSH で Ubuntu と通信できるソフトを Windows 11 へインストールし、疎通確認します。

https://teratermproject.github.io/

ダウンロードとインストール

以下からダウンロードします。
https://github.com/TeraTermProject/teraterm/releases

Tera Term は 4 と 5 がありますが、今回は安定板の 4 を使用します。
exe 形式で問題ありませんが、気になる方は Zip 形式でダウンロードし 任意の場所から実行することも可能です。
Tera Term 4
Tera Term 4

インストールは特に変更せずに進めれば問題ありません。

インストール手順が気になる方は、以下の記事が参考になると思います。
※こちらの記事では窓の杜からダウンロードしていますが、内容は同じです。
https://qiita.com/mmake/items/6be1d1a9693272f98b2b

SSH で疎通確認

Teraterm を起動すると接続先を要求されます。

Ubuntu PC 側の IP アドレスを 192.168.10.3 と設定したので Tera Term でも同じように入力します。

他の設定は画像の通りになっていれば OK です。

新しい接続
新しい接続

ここで通信が正常であれば、ユーザ名 / パスフレーズ入力画面に移行します。

SSH 認証
SSH 認証

WinSCP

Windows11 PC から Ubuntu PC へファイルをやりとり出来るソフトを導入します。

ダウンロードとインストール

以下からダウンロードします。
https://winscp.net/eng/docs/lang:jp

インストールは特に変更せずに進めれば問題ありません。

使用方法

初回起動時には何も存在しないのため新しいサイトを選択して必要事項の入力を行い、保存をクリックします。

ログイン画面
ログイン画面

入力した設定を識別できる名前を入力します。複数の設定がある場合にどの設定なのか把握しやすくなります。

パスワードを保存にチェックを入れるとパスワードを入力せずにログインできるようになりますが、推奨されていないのでここでは無効のまま進めます。
セッションの保存
セッションの保存

新たに追加されたセッション名を選択しログインを行います。
保存済みのセッションへログイン
保存済みのセッションへログイン

Ubuntu PC で設定されているパスワードを入力するとログインできます。
パスワードの入力
パスワードの入力

正常に接続できていれば、このような感じで表示されます。

ファイルをドラッグ&ドロップしたりも可能なので、ファイルの移動がやりやすいと思います。
接続後
接続後

おわりに

以前から Windows PC から Ubuntu PC へ直接 LAN ケーブルを接続してやりとりしたいと思ってたんですが、やっとできるようになって良かったなという感想です。

Wi-Fi に接続したり ルータに繋いでというのはできてたんですけどね。

結構便利なので、この記事が役立てば幸いです。

おまけ

ufw を有効状態で SSH を使う

もしもファイヤーウォールが有効の状態で SSH を使用する場合は、以下のコマンドを実行します。

Terminal
sudo ufw disable
sudo ufw allow 22
sudo ufw enable
sudo ufw status

以下の通りに表示されれば正常に設定できています。

Status: active

To                         Action      From
--                         ------      ----
22                         ALLOW       Anywhere
22 (v6)                    ALLOW       Anywhere (v6)

この状態であれば Tera Term から SSH で接続できます。
ファイヤーウォール有効状態で SSH 接続
ファイヤーウォール有効状態で SSH 接続

ポート 22 を削除したい場合は以下のコマンドを実行すれば OK です。

Terminal
sudo ufw delete allow 22
sudo ufw status

以下の表示のみになっていれば削除成功です。

Status: active

その他の ufw の機能については、以下の記事が参考になると思います。
https://qiita.com/010Ri/items/f37f7f5fb35265823c7c
https://yoshinorin.net/articles/2016/10/17/ubuntu-ssh/


以上

Discussion