【業界トレンド整理】Broadcom による VMware 買収で何が変わった?
こんにちは、HESの川添です。
クラウドやサーバーの仕事に関わっていると、最近よく耳にするワードがあります。
「BroadcomがVMwareを買収したことで、仮想基盤の再検討が必要になった」
ニュースとしては知っていましたが、現場でも実際に話題に上がるようになり、
「これって何が起きていて、なぜ見直しが必要になるんだろう?」
と気になって調べた内容を、整理してみました。
🟦 1. まず今回の前提:何が変わったのか?
2023年、Broadcom が VMware を買収しました。
この買収後、VMwareの提供モデルやライセンス体系が大きく変わっています。
その影響で、クラウドやデータセンターでよく聞くのが、
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従来のVMwareが使えなくなるケースがある
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料金体系が大幅に変更された
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ライセンス構成がシンプル化 → 逆にコストが上がる場合も
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今後も仕様変更が続く可能性がある
つまり、現場では「VMware 前提の構成がずっと使えるとは限らない」という空気になっている、ということです。
参照:https://www.broadcom.com/company/news/financial-releases/60271
🟦 2. 仮想基盤の“選択肢の見直し”が始まっている
いま多くの企業で起きているのが、
「VMware の代わりに何を使う?」
という議論です。
クラウド提供側の方針により、
VMware の提供モデルが変わることもあり、
インフラ構成の再設計が必要になるケースが出てきています。
よく聞く選択肢の例
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Hyper-V(Windows系の仮想基盤)
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KVM(Linux系の仮想基盤)
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VMware の継続利用(ただしコストや契約を要再検討)
要するに、VMware 一択から複数の仮想基盤を比較する時代
に変わってきているということです。
🟦 3. 比較して気づいたこと
仮想化については、これまで業務で触れる中で
「物理サーバー上に複数の仮想マシンを載せる仕組み」という基礎的な理解は持っていました。
実際、以前の以下ブログでも
UbuntuをHyper-V上で構築してSambaのファイルサーバーを作る内容を書きました。
そのときは Hyper-V を“仮想マシンを動かすための土台”としてシンプルに捉えていましたが、
今回、VMwareの使えなくなる可能性がでてきて、「仮想基盤そのものを置き換える必要が出てくる」
という話を聞き、改めて各仮想基盤を調べてみました。
その中で気づいたのは、同じ仮想化でも、基盤(VMware / Hyper-V / KVM)が変わるだけで
設計・運用・冗長化の思想まで大きく変わるということです。
🟦 仮想基盤が違うと、何がどれくらい変わるのか?
比較してみると、実は影響範囲がかなり大きいことがわかりました。
| 項目 | 変わる? | 理由 |
|---|---|---|
| 仮想マシンの作り方 | 変わる | GUI や操作手順が VMware / Hyper-V / KVM で全然違う |
| HA(冗長化)の考え方 | 変わる | VMware、Hyper-V、KVM では仕組みが別物 |
| スナップショット | 変わる | vmdk / vhdx / qcow2 など保存方式が違う |
| バックアップ連携 | 変わる | 製品ごとにサポート方式やツールが違う |
| ライセンス費用 | 変わる | VMware の価格改定が問題になっている |
| 運用・障害対応の設計 | かなり変わる | フェイルオーバー手順やログ確認の方法が異なる |
参照:https://stonefly.com/blog/vmware-vs-hyper-v-backup-and-cloud-recovery/?utm_source=chatgpt.com
参照:https://www.veeam.com/blog/vmware-vs-hyper-v-comparison.html?utm_source=chatgpt.com
🟦 4. 仮想基盤を見直す時の着目ポイント
特定の現場や案件ではなく、一般的に基盤を再検討する時に重要になるポイントをまとめてみました。
✔ ① 既存VMをどう移行するか
イメージ変換が必要になるケースあり
OS が対応しているかをチェック
ネットワーク構成(NAT / VLAN / IP体系)を再設計する可能性も
✔ ② HA(冗長化)の動作が大きく変わる
VMwareのHAと
Hyper-V のフェイルオーバー
KVM ベースのHAでは動作が全く違います。
→ 運用手順の書き換えが必須。
✔ ③ バックアップ方式
スナップショットの作り方・保存方式が
基盤ごとに違うので、統一できないことも。
✔ ④ コストと契約モデル
VMware だけでなく、基盤移行で運用コストも変わるため総額を再計算する必要あり。
🟦 5.学び
今回 Broadcom × VMware の件を調べる中で、個人的に大きかった学びがこちら。
🔵 1. 技術は現場運用とセットで理解すべき
基盤が変わると、障害対応手順、監視設計、バックアップ、HA構成
これ全部が変わり、単に「VMwareじゃなくなる」という話ではないということがわかりました。
なので
🔵 2. クラウドの仕様は永遠ではない
クラウド=変化するサービス。
提供側の方針で仕様が変わるため、
変化前提の設計が必要。
🟦 6. まとめ
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Broadcom の VMware 買収で業界全体が再検討フェーズに入った
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仮想基盤は複数の選択肢が当たり前の時代に
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基盤が変わると運用・HA・バックアップ・コストがすべて変わる
今後もクラウド・インフラ周りの動きが活発になるので、
その都度しっかり整理しながら学んでいきたいと思います。
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