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Notion で Google Drive の OCR を簡単に使えるんですか!?

2022/04/28に公開

Notion から使える OCR 機能が欲しかったので、下記の記事を参考に GAS のライブラリーを作ってみました。

この記事ではライブラリーの設定方法などを記載していきます。

どんなライブラリー?

Google Drive 上に保存されている PDF と画像に OCR を実行し、結果のテキストを Notion へ送信するライブラリーです。

定期実行や変更通知に対応しているので、OCR の結果を自動的に Notion へ送信できます。

図 1-1 PDF を所定のフォルダーに保存すると

図 1-2 テキストとして Notion へ送信される

また、少し設定を頑張れば「スマートフォンのカメラで撮影した後、リアルタイムに近い感覚で OCR の実行」も可能です。

図 1-3 フォルダーに保存後、10 ~ 20 秒くらいでテキストが登録される(実際の画面にタイムコードは表示されません)

おおまかな設定の流れ

設定する項目がサービス別に分散していたりするので、最初に少し整理します。

おおまかなには、以下のような設定することで Notion から OCR が利用できるようになります。

  • Notion 側では API キーやテキストを受け取るデータベースを用意

  • Google Drive 側ではスキャンしたファイルを保存するフォルダーを作成

  • Google Apps Script でライブラリーを利用するためのプロジェクトを作成

    • プロジェクトの定期実行などのカスタマイズを適宜行う

Notion 側の準備

Notion API キー(インテグレーション)を作成

外部(Google App Script)から Notion を利用するための API キーが必要です。

私のインテグレーション | Notion 開発者」からインテグレーションを作成し API キーをメモしておきます。

図 3-1 上記リンクを開いたら「+ 新しいインテグレーション」をクリック

図 3-2 基本情報の「名前」へ「OCR」などを入力

図 3-3 画面を下にスクロールし「ユーザー機能」 は「ユーザー情報なし」へ変更、その後「送信」をクリック

図 3-4 インテグレーションが作成されたらトークン欄の「表示」をクリックし内容をメモ(コピー)

Notion データベースの用意

必須のプロパティはないのでデータベースであれば既存のもの、新規作成のものどちらでも利用できます。

既存のデータベースを利用する場合はブラウザーで開き id をメモします。

図 3-5 アドレスバーの赤く塗りつぶした部分をメモ

以下は新規作成する場合の操作例です。

図 3-6 任意のページで「/data」と入力後、「データベース: フルページ」を選択

図 3-7 データベース名を「OCR」などへ変更

図 3-8 ビューのレイアウトを「ギャラリー」など扱いやすい設定へ変更

図 3-9 アドレスバーの赤く塗りつぶした部分をメモ

なお、この方法でデータベースを作成した場合、デフォルトでブランクのレコードが 3 件追加されています。とくに必要はないので削除してください。

Notion データベースを APIキー(インテグレーション)と共有する

API キーでデータベースを操作できるように共有する必要があります。

用意したデータベースを開き以下のように操作します。

図 3-10 データベース画面の右上にある「共有」をクリック

図 3-11 「ユーザー、メール…」などが表示されているフィールドをクリック

図 3-12 作成したインテグレーションを選択

図 3-13 「招待」ボタンをクリック

図 3-14 インテグレーションが追加されたら完了です

Google Drive 側の準備

Google Drive 側ではスキャンされた PDF などを保存するためのフォルダーが必要です。フォルダーを 1 つ作成し id をメモしておきます。

図 4-1 フォルダーを表示しアドレスバーの赤く塗りつぶした部分をメモ

ライブラリーの利用(基本編)

ライブラリーの利用法はいくつかありますが、ここでは簡単なプロジェクトを作成してみます。

プロジェクトを作成

Google Drive のウェブ UI で Google Apps Script プロジェクト(ファイル)を作成します。

おおまかな手順としては「プロジェクトを作成し名前の設定」「ライブラリーの追加」「Drive API サービスの有効化」「スクリプトコードの編集」となります。

なお、今回は手順の簡略化のために API キーなどをコードにべた書きしていますが、できれば他の方法(プロパティサービスの利用など)を検討してください。

図 5-1 ブラウザーの Google Drive で右クリックし「Google Apps Script」を選択

図 5-2 「無題のプロジェクト」のところをクリックしプロジェクト名を変更

プロジェクト名を変更したら、OCR のライブラリー(1phsqy39NYEBOCpGx062N9kezLOdyzRKSEgDBYt6f-zaqVdAOdn9NaWWH)を追加します。

図 5-3 「ライブラリー」横の「+」をクリック

図 5-4 スクリプト ID 1phsqy39NYEBOCpGx062N9kezLOdyzRKSEgDBYt6f-zaqVdAOdn9NaWWH を入力し「検索」をクリック

図 5-5 バージョンはその時点で最新のものを選択、ID を「GocrToNotion」へ変更

続いて Drive サービスを有効化します。

図 5-6 「サービス」横の「+」をクリック

図 5-7 一覧から「Drive API」 を選択し「追加」をクリック

最後にエディター上の myFunction を以下のように変更します。このとき各項目をメモしておいた値へ置き換えます。

  • 'notion_api_key' にはインテグレーションの API キーを記述
  • 'database_id' には用意したデータベースの id を記述
  • 'folder_id' には作成したフォルダーの id を記述
function myFunction() {
  const apiKey = 'notion_api_key'
  const database_id = 'database_id'
  const folder_id = 'folder_id'

  const opts = {
    database_id,
    ocrOpts: [
      {
        scanFolderId: folder_id,
        ocrFolderId: folder_id,
        ocrLanguage: 'ja',
        tags: [],
        removeOcrFile: true
      }
    ]
  }

  GocrToNotion.ocr(apiKey, opts)
}

OCR を実行してみる

作成したフォルダーに PDF か画像ファイルを保存します。

スマートフォンのカメラを使う場合は以下のようにします。

図 5-8 Google Drive のアプリでフォルダーを表示し「+」、「スキャン」をタップ

図 5-9 スキャンして PDF をフォルダーへ保存します

フォルダーにファイルが保存されたらスクリプトエディターから myFunction を実行します。

図 5-10 「実行」ボタンをクリック

初回実行時には、以下のような画面が表示されるので、今回利用するライブラリーを怪しいと思わなければ画面を進めてください。

図 5-11 「権限を確認」ボタンをクリック

図 5-12 赤く塗りつぶした部分が自身のメールアドレスであることを確認し、左下の「詳細」をクリック

図 5-13 画面が展開されるので左下の「(安全ではないページ)に移動」をクリック

図 5-14 利用される権限が表示されるので確認

図 5-15 画面をスクロールさせ「許可」ボタンをクリック

問題がなければ、少し待った後に OCR の結果のテキストが Notion のデータベースに追加されます。また、このとき元の PDF ファイルの説明にもテキストがセットされます。

図 5-16 Notion のデータベースにテキストが追加される

図 5-17 Google Drive のファイルに説明テキストが追加される

ライブラリーの利用(応用編)

定期的に実行する

毎回スクリプトエディターから実行するのは大変なので、以下のように設定しておくと定期的に実行できます。

図 6-1 スクリプトエディターの「時計」アイコンをクリック

図 6-2 画面が切り替わったら、右下の「トリガーを追加」ボタンをクリック

図 6-3 デフォルトで「1 時間おき」に実行される設定画面が表示される

図 6-4 画面をスクロールさせ「保存」ボタンをクリック

なお、フォルダーに複数のファイルがあった場合、作成日時の新しい順に 100 ファイルを対象とします。また、ファイルの説明が空欄でない場合は OCR 処理をスキップします。

よって、以下のようなファイルは対象にならないので注意してください。

  • 作成日時が古いファイルを別フォルダーからコピーした場合
  • ファイルの説明を追加している場合

フォルダー別に設定を切り替える

以下のように ocrOpts の配列で異なるフォルダーを指定すると、フォルダー毎に設定の切り替えができます。

  const opts = {
    database_id,
    ocrOpts: [
      {
        scanFolderId: folder_id1,
        ocrFolderId: folder_id1,
        ocrLanguage: 'ja',
        tags: ['メモ'],
        removeOcrFile: true
      }, {
        scanFolderId: folder_id2,
        ocrFolderId: folder_id2,
        ocrLanguage: 'ja',
        tags: ['レシート'],
        removeOcrFile: true
      }
    ]
  }

PDF へのリンクを追加

Notion のデータベースに link プロパティを追加すると、Google Drive 上のファイルへリンクされます。

図 6-5 link にURL が追加され、クリックすると Google Drive のファイルを開く

テキストの先頭部分をプロパティにセットする

Notion のデータベースに excerpt プロパティを追加すると、テキスト先頭の 1900 バイトがセットされます。

図 6-6 excerpt にもテキストが追加される

ライブラリーの利用(ほぼリアルタイム編)

Google Drive の変更通知(プッシュ通知)を利用すると、ファイル追加時にほぼリアルタイムで OCR を実行できます。原理的な部分は長くなるので[1]、ここでは設定についてのみを記載します。

最初に「ライブラリーの利用(基本編)」で作成したプロジェクトのコードを以下のように変更します。

ocr 関数の各項目は「ライブラリーの利用(基本編)」のときと同じです。settings_ 関数の deploy_url は後から変更するので、ここではこのままにしておきます。

function ocr_(list) {
  const apiKey = 'notion_api_key'
  const database_id = 'database_id'
  const folder_id = 'folder_id'

  const opts = {
    database_id,
    ocrOpts: [
      {
        scanFolderId: folder_id,
        ocrFolderId: folder_id,
        ocrLanguage: 'ja',
        tags: [],
        removeOcrFile: true
      }
    ]
  }

  GocrToNotion.send(apiKey, opts, list)
}

function settings_(properties) {
  const expiration = 61
  const address = 'deploy_url'

  return {
    resource: {
      id: Utilities.getUuid(),
      type: 'web_hook',
      token: '',
      expiration: `${new Date(
        Date.now() + 60 * expiration * 1000
      ).getTime()}`,
      address
    }
  }
}

function doGet(e) { }
function doPost(e) {
  if (e.postData && e.postData.contents) {
    const lock = LockService.getScriptLock()
    if (lock.tryLock(10 * 1000)) {
      try {
        const props = PropertiesService.getScriptProperties()

        const pageToken = props.getProperty('page_token')

        const res = Drive.Changes?.list({ pageToken })

        ocr_(res)

        props.setProperty('page_token', res?.newStartPageToken || '')
      } catch (e) {
        console.error(e)
      } finally {
        lock.releaseLock()
      }
    }
  }
}

function reset() {
  const props = PropertiesService.getScriptProperties()
  const properties = props.getProperties()
  const settings = settings_(properties)

  const resToken = Drive.Changes?.getStartPageToken()
  const pageToken = JSON.parse(resToken).startPageToken
  props.setProperty('page_token', pageToken)

  const res = Drive.Changes?.watch(settings.resource)
  console.log(JSON.stringify(res, null, ' '))

  try {
    stop(properties)
  } catch (e) {
    console.error(e)
  }

  properties.channle_id = settings.resource.id
  properties.resource_id = res?.resourceId || ''
  props.setProperties(properties)
}

function stop(inProperties) {
  const props = PropertiesService.getScriptProperties()
  const properties = inProperties || props.getProperties()

  const { channle_id, resource_id } = properties

  if (channle_id && resource_id) {
    const res = Drive.Channels?.stop({
      id: channle_id,
      resourceId: resource_id
    })
    console.log(JSON.stringify(res, null, ' '))
  }
}

コードを変更したら deploy_url の値を確定させます。

図 7-1 スクリプトエディター右上の「デプロイ」「新しいデプロイ」をクリック

図 7-2 画面が表示されたら歯車アイコンをクリック

図 7-3 「ウェブアプリ」をクリック

図 7-4 「アクセスできるユーザー」を「全員」へ変更し「デプロイ」ボタンをクリック

図 7-5 デプロイの「URL」をメモ(コピー)し「完了」ボタンをクリック

図 7-6 コピーした URL を settings_ 関数の deploy_urlへセット

これで更新通知にあわせて OCR を実行する設定は完了しました。

動作確認のためにスクリプトエディターから reset 関数を実行します。

図 7-7 スクリプトエディターのツールバーで reset 関数を選択し「実行」をクリック

図 7-8 Google Drive 上のファイル変更にあわせてログが追加される

この状態で OCR 用のフォルダーに PDF ファイルを追加すると OCR が実行されます[2]

ただし、通知設定の有効期限を 61 分としているので、以下のように時間主導のトリガーを設定し 1 時間毎にリセットさせます。

図 7-9 実行する関数を reset へ変更してトリガーを追加

これで OCR 用のフォルダーへ PDF ファイルを追加したら OCR が実行される状態が永続化されます。

状態を停止させるときはスクリプトエディターから stop 関数を実行させてください。

おわりに

Notion から Google Drive の OCR を利用できるライブラリーを作ってみました。

作ってからまだ日が浅いのでそれほど使い込んでいませんが、掲示物などをメモするときの負担は減らせたと実感しています。

また、今回の記事では割愛していますが、Notion へ送信する内容を操作できるようにもしてあるので[3]、翻訳などのサービスを組み合わせるのも便利そうかなと考えています。

少し張り切りすぎて設定方法を長々と書いてしまいましたが、定期的な OCR の実行は比較的手軽にできるので、よければ試してみたください。

脚注
  1. GAS と変更通知については「Google Drive の変更通知を Google Apps Script で受け取る」で記事にしています。 ↩︎

  2. 今回の設定ではログの詳細は確認できません。プロジェクトを GCP プロジェクトへ変更することで確認できます(Google Cloud Platform Projects | Apps Script | Google Developers)。 ↩︎

  3. 「Notion を通知機能付き RSS フィードリーダーぽくする GAS ライブラリーを作ってみた」の Transformer と同じようなことができます。 ↩︎

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