【外貨を稼ぐ】 OSSきっかけでオーストリアの会社と仕事した話
自作のPDFライブラリがきっかけで、オーストリアの会社と仕事ができた。
とてもいい経験だったので振り返りを行いたいと思う。
自分について
・サラリーマン+個人事業主のWebエンジニア
・個人事業ではPDFを作成できるWebサービスを作っています
・サービスのPDF作成処理はライブラリとしてGithubでソースコードを公開しています
そういえば過去にこんな記事を書いていました。この記事の続きとして見ても面白いかも。
このライブラリが今では268のスターを獲得し、なんとお仕事まで獲得してくれました!
オープンソースをやりたい人のモチベーションやきっかけになれると嬉しいです。
ある日突然メールが届く
オーストリアの会社からメールが届いた。電子カルテのサービスを作っている会社だそう。
PDFのデザインができる画面が必要とのこと。
そこで下記のような帳票のデザインページを開発してくれないか?と話が来た。
実はこのページ、ライブラリの紹介サイトの1ページだったんだけど、既存のコードを切り出して、ライブラリ化すればいけると思った。
海外の会社とのプロジェクトは初めてだったのだが、海外との仕事に興味があり、面白そうなので
とりあえずやってみっか! という感じでプロジェクトスタート
プロジェクトを進める英語力は...?
先方はAngularのアプリに組み込むとのことで、要件を聞き、ライブラリ化、ドキュメントを書き、テストしてもらうという流れを一ヶ月くらいした。
プログラムの要件などはシンプルな英語なのでほとんど困らなかった。コミュニケーションもDeepLで翻訳したり、Grammarlyで文をチェックすることで大きなトラブルは無かった。
特にGrammarlyのChrome拡張は英語のメールやコメントでおかしな文を補正してくれて、便利なので使ったことない人は試してみて〜
英語力に関しては正直、GithubのIssueのスレッドの内容や意図が理解できているレベルの人なら全く問題がないなと思いました。(もちろんプロジェクトによるけど...)
困ったことといえば、途中メールの返信が遅くて一週間くらい返ってこなかった。「おーいメール見てるか?」と送ったら、バカンスに行っていたとのこと。
日本の会社に比べると適当なところもあったが終わってみたら、「まあそんなもんか、海外案件らしいといえばそんな気がする」というレベル。
プロジェクトが要件を満たせた後、請求書くれって言われたので、見様見真似で作って送った。
まじで振り込まれるか不安だったけど、数日待った朝に振り込みを確認。「おおおお」ってなった
オープンソースで初めてのPRがマージされたときのことを思い出した。
難しいイメージが先行して、漠然とびびっていたけど、向こうはそんなの気にしていないし、すごくカジュアルにマージしてくれた。
最初は不安なんだけど、終わった途端「あ、こういう感じか」となるやつ。
オープンソースで仕事を獲得するポイント
明確なコンタクトの方法は書いていないのに、同じように「帳票のデザインについて」の問い合わせが国内外から定期的に届くことに気がついた。
仕事を獲得するセオリーは、多くの人に知ってもらって、自分を売り込むという当たり前のことなんですが、具体性がないですよね? 今回のケースはどうやって実現できているのか分析してみた。
GithubのレポジトリのInsights->TrafficからReferring sitesが分かる。それを元に推測すると
流れは下記
- js pdf generator のキーワードからdev.toの記事(さっき見たらGoogle検索2位で46255viewもあった。びっくり。)に行く
- PDFライブラリの存在を知り、ライブラリの紹介サイトに飛ぶ
- 帳票デザインページを触り、「これ欲しい!」or「これ作ろうとしていたやつじゃん」ってなる
- 作者にメールで聞いてみようぜ〜ってなる
多分4の作者にメールで聞いてみようぜーは「いつでもメールしてくれよな!」的な人の方が連絡しやすいと思う。
というわけで、もっと気軽にコンタクトが取りやすいようにするために、先日Githubのプロフィールページもちゃんと記入してみた。
Linkedinがメッセージ機能があってカジュアルな連絡として使いやすいと思ったので、そっちに誘導するようにしています。実際に「作ってくれてありがとうな!」というカジュアルなメッセージとかも飛んできました。嬉しい。
プロフィールの設定やってない人はユーザー名でレポジトリ作ってReadme書くだけなので、やってみて損はないと思う。
おわり
改めてOSSが好きになった。
OSS活動はエンジニアにとって海外案件でも通用する最高のトレーニングで、時に仕事を獲得してくれる、チャンスをくれる活動だと再認識した。なにより無料だしね。
帳票のデザインツールに関してはニーズがあることがわかったので、これからどうやって展開していくかなどいろいろ考えていきたいと思います。テーブルレイアウトやJS以外の言語でのライブラリ化などなど、構想はあるけど、まだまだ実現できていない!!
楽しいからこれからもいろいろとやっていきます。
Discussion
Good