個人開発のスマホアプリをリリースして1年経ったのでまとめてみる
自己紹介
こんにちは。
個人開発者としてスマートフォンアプリの開発などしているHALと申します。
会社ではSIerのシステムエンジニアとしてJava・C#辺りを触ってますが、個人開発ではReact Nativeをメインにやっています。
今月(2020年10月)で初めてスマートフォンアプリをリリースしてから1年になるので、現在の状況をまとめてみたいと思います。
何を作ったのか
「セワシタ?」と言うペットのお世話を管理するスマートフォンアプリを作っています。
iPhone/Androidの両方で使えて、データの共有もできる、ペットを飼っている家族で使ってもらうことを想定したアプリです。
ペットの管理アプリはいくつか出ているんですが、「お世話」を管理するためのアプリがないなぁと言うことで作りました。
実際、自分も猫を飼っていて、妻とお世話を分担しているんですが、「今日おしっこ何回した?」とか「寝る前のおやつあげたっけ?」とかわかんなくなるので、アプリに登録できるようにしよう、と言うことから作ったアプリです。
基本的には、毎日定時に実施するようなお世話を登録しておいて、時間が来るとアプリから通知がきます。
で、実施を登録すると家族の端末のデータも更新されて、お世話が終わっていることが分かる、みたいなものです。
利用者数の推移
と言っても、ちゃんとした利用者数は記録していなくて、分かるのはダウンロード数のみです。
ほんとは、アクティブユーザー数とか取得した方がいいんですが、まだそこまでは仕込んでない、と言う状態です。
ダウンロード数はiOS版が1800弱(10月1日時点)、Android版が27(同)と、ほぼiOS版です。
Android版についても、iOS版で利用を開始して、家族がAndroidなので入れた、と言うパターンが多そうです。
iOS版については日々コンスタントにダウンロードがあるんですが、Android版は全く、と言う感じで、自然流入に関してはiOSが強いんだなぁと言う感じですね。
リリース後の推移としては、当初2ヶ月ほどは月50前後のダウンロード数でしたが、その後3ヶ月目以降ぐらいから月100〜200を超えるくらいのダウンロードがあるようになりました。
特にASOに力を入れたと言うことはなく、この辺は選んだアプリのジャンルが良かったのかなと感じています。
収益の状況について
個人開発アプリで収益を上げたい、と思って始めているので、この辺をしっかりやっていかなければなりません。
現在収益方法としては以下2本立てで進めています。
- Admob(2020/02〜)
- サブスクリプション(2020/08〜)
広告(Admob)に関しては、現在月500〜600円前後を推移しています。
実はセワシタ?以外にもいくつかアプリを出しているので、その辺も含めた収益ですが、なかなかダウンロード数の伸びのわりには伸びないなぁと言う感じです。
サブスクリプションに関してはまだ始めたばかりなのでこれからですが、月150円の物がすでに2つ登録してもらえています。
プレミアム機能として提供しているのですが、プレミアム機能が生きてくるのが半年以上利用しているユーザーさんになるので、これから利用期間の長いユーザーさんが増えていくと、プレミアム利用者も段々増えてくるのではないかなぁと期待しているところです。
また、その他アプリでも買い切り型や年600円のサブスクリプションなども用意しているので、そう言ったものも合わせると売上で2500円くらい上がっています。
広告収入と合わせると、全部で6000円強の収益が上がっていると言う状態です。
経費について
収入があっても経費でマイナスになってたんじゃ意味がないので、そこも一応書いておきます。
と言っても、実は運用にかかる経費はほぼ0円で推移してます。
と言うのも、バックエンドはfirebase使ってるんですが、これの無料枠を超えることがほぼなく、超える時も自分が試験などして大量データ流した結果数円、と言う感じだからです。
firebase、強すぎる。
強いて言うなら、AppleのDeveloper Programの登録料の年1万円でしょうか。
これを年間収益が超えないと、赤字運営ってことになります。
ただまぁそんなわけで、赤字を増やしながら運営していないので、気持ち的に健全に続けられています。
ちなみに、ちょっと広告出してみて全然効果なかったので、そこで経費は使いました。
多分もう広告出すことはないでしょう・・・。
無計画な広告利用はダメだということもわかりました。
1年経って見えてきたもの
1年前はわかってなかったことがいくつかあります。
- そんな簡単にダウンロード数は増えない
- そんな簡単に収益は上がらない
- アプリは作って終わりではない
- 作るアプリは絞った方がいい
- 広告収入よりサブスクリプションがいい
そんな簡単にダウンロード数は増えない
まず、ダウンロード数は全然増えません。
特にバズるようなアプリでなければ、じわじわとユーザー数を増やすしかありません。
自分のアプリは「ペットを飼っている人」という明確なターゲットがいるので、それ以外の人には全く響かないというのもあります。
ただ逆に、ターゲットが明確なので、検索からの自然流入が期待できるということもわかりました。
特にiOSアプリについてはアプリの総数がAndroidに比べると少ないので、目に入りやすいようです。
ここは「作るアプリは絞った方がいい」にも繋がるところですが、ターゲットを絞っていると宣伝などしなくても着実にダウンロードは増やせます。
そんな簡単に収益は上がらない
収益は、じわじわ増えました。
アプリリリース時は「半年後には数万円かな〜」とか思ってたりもしましたが、全くそんなことはありません。
どんなに良いアプリを作っても、知ってもらえないと収益は上がらないのです。
宣伝のため広告を打つ、というのも一つの手ですが、広告もちゃんと効果を出すためには結構な金額を使わないといけません。
アプリの運用は年単位の根気強さを持つか、バズって一気に広がりそうなアプリを作るしかないです。
自分もこのまま2年3年と続けていく覚悟です。
アプリは作って終わりではない
で、長く続けていこうと思うと、意外とメンテナンスがかかります。
バグも見つかりますし、長く使ってもらうために追加要望にも答えてあげないといけません。
OSアップデートで思わぬ不具合を引くこともあります。
そうそう簡単に手離れするものではないなということがわかりました。
あと、アプリを定期的にアップデートすることで、検索順位が上がりやすいように思えます。
そんなところでも、作って終わりではなく時々直してリリースしていく姿勢が必要になります。
作るアプリは絞った方がいい
個人開発者の作るアプリは、なるべくニッチなところを攻めた方がいいなと思いました。
自分のアプリはそんなのばかりです。
セワシタ?はペットのお世話管理という他のアプリにはない要素で行きました。
他のアプリも、競合がせいぜい10個以下のジャンルを狙って、その中でも差別化を図れるような「ちょっと変わった」アプリを意識して作っています。
また、広告収入での収益化を目指すなら「毎日使うアプリ」であることも重要ですね。
「セワシタ?」はもちろん毎日使うことを想定していますし、他のアプリでも、毎日、ないしは週に何度か使用するアプリにしています。
広告は見てもらってなんぼなので、利用頻度の高いアプリを企画するのは非常に重要です。
あまり利用されないアプリを作っても、それを使ってる人が1人でもいると、なんとなくやめづらくなります。
メンテナンスするアプリが増えるのは個人開発者には結構辛いので、リソースの節約のためにも費用対効果の高いアプリに絞るのが(収益化を目指して開発するなら)重要だなと思いました。
広告収入よりサブスクリプションがいい
これは最近思ったのですが、やはり広告収入はたくさんの人に使ってもらわないと収益が上がりません。
数万人レベルで使用してもらえるようになればいいのですが、そこまでいくのに時間がかかります。
それがサブスクリプションだと、1人でも気に入って登録してもらえれば、それだけで数百円の収益になります。
Admobで数百円の収益はあげられなくはないですが、利用者数を伸ばしていかないと安定しません。
サブスクリプションならコンスタントに収益が上がることが確約されるので、非常に精神衛生上も良いです。
自分は今後新しいアプリを作るなら、サブスクリプションモデルを採用可能なアプリかどうか、ということを意識して作るようにしようと思っています。
最後に
長く個人開発でやられている方の中には、月数万円〜数十万円の売り上げをあげている方もいらっしゃいます。
自分がそこまで到達できるのはいつになるのかわかりませんが、とりあえずマイルストーンとしてちょうど良いかなということで1年経った状況を振り返りました。
今後個人開発を始めようかなと思っている人の参考になれば嬉しいです。
不明点などあれば、Twitter(@HAL1986____)などで聞いてください。
Discussion
貴重な体験談、ありがとうございます。
とても参考になりました。
2年目の状況を別記事にしたので、良ければそちらも是非!