【MotionBuilderチュートリアル】第1回~データの準備・確認~
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こんにちは、株式会社GUNCY'Sの岡崎です。
本連載はMotionBuilderのチュートリアルです。対象としているのは、モーションキャプチャデータの扱いでまだ分からない事があるといった方や、業務で一部の機能以外は使った事がないといった方です。MotionBuilderの機能を一部だけでなく一通り無駄なく使えるようになる事を目指して作成しています。
最終的にはにひとつの動画を出力するところまでの一連の流れを説明していきますので、ぜひ最後までお付き合いいただけると幸いです。
今回は第1回ということで、まず使用するデータの用意をします。
用意するデータは大きく分けて2種類必要です。1つは3Dモデルデータ。3Dモデルデータは3DゲームやVTuberなどで馴染みがあると思いますが、動かせるようにセットアップされた人型キャラクターの3Dモデルです。2つ目はモーションデータ。これはモーションキャプチャーで収録された動きのデータです。今回はこれらの2つを用意しましょう。
モデルの用意
今回はチュートリアルのはじめということで、まずはモデルデータの準備を行なっていきます。
使用モデルについて
今回使用させていただくモデルはKayaというキャラクターのモデルです。こちらはUnityKoreaから公開されているサンプルプロジェクトであるProjectKayaに含まれています。このProjectKayaはUnityのURPを活用したモバイルゲームのサンプルとして作られており、とても綺麗な質感が表現されています。Unityをすでに使われている方や興味を持たれた方はぜひ一度Unityでプロジェクトの中身を動かしてみてください。
画像はProjectKaya GitHubページより引用
1. ProjectKayaのプロジェクトデータをダウンロードする
このチュートリアルではモデルデータとしてUnityKoreaから公開されているプロジェクト内のデータを使用します。
-
以下のリンクからプロジェクトのデータをダウンロードします。
ページの右上緑色のボタンを押下してzipファイルをダウンロード・解凍します。
C:\Tutorials
こちらのフォルダに解凍したものとして説明していきます。
- モデルの格納場所を確認します。
C:\Tutorials\ProjectKaya-main\Assets\UTK_TemplateCharacter\Models\UTK_TemplateCharacter01.FBX
2. MotionBuilderでキャラクター3Dモデルを開く
MotionBuilderを立ち上げ、さきほど用意したKayaのモデルを開きます。
-
メニューからOpenで用意したKayaのFBXデータを開きます。
C:\Tutorials\ProjectKaya-main\Assets\UTK_TemplateCharacter\Models
Modelsフォルダ内の”UTK_TemplateCharacter01.fbx”を開きます。
FileメニューからOpenで上記のファイルを開きます。
Optionウィンドウが表示されます。なにも選択せずにそのままOpenボタンを押します。
Tips:他の開き方
エクスプローラからモデルの.fbxデータをドラッグ&ドロップ
サブメニューのopen<All Takes>を選択
- 3Dモデルの横にある棒は不要なのでここでは非表示にします。
クリックで選択し、<<Shift+H>>で非表示にすることができます。
モデルが表示されましたが、テクスチャが適用されていません。
??マークがついています。
プレビューとして見やすくするためにテクスチャを設定し直します。
- Navigatorから、Materialsを展開します。
- 赤線で示してある「Map#〇〇」の部分をダブルクリックします。
面右のPathの欄にあるBrowseボタンを押して、以下のように設定してください。
テクスチャのパスはモデルがあるフォルダと同列の”Textures”フォルダ内のtgaファイルを選択してください。
C:\Tutorials\ProjectKaya-main\Assets\UTK_TemplateCharacter\Textures
このフォルダ内のファイルをマテリアルに合わせて以下のように指定します。
Material名 | → | 適用するファイル名 |
---|---|---|
base | → | UTKTemplate_base_al.tga |
skin | → | UTKTemplate_skin_al.tga |
hair | → | UTKTemplate_hair_al.tga |
Media setupダイアログが出てきますが、OKを押します。
この時、同じフォルダ内でファイルが見つかれば自動でパスを切り替えてくれます。
すべて適用後はこのようになります。
ファイルを保存する
一旦ここまでのファイルを保存しましょう。
Fileメニューから”Save As…”を選択します。
オリジナルデータに上書きしないようにするため、別のフォルダに保存します。
このチュートリアルでは
C:\Tutorials\MBModels
に”Kaya_001.fbx”として保存します。
SaveOptionウィンドウが表示されますが、そのままSaveボタンを押します。
一旦モデルデータの準備はここまでです。
Tips:モデルデータの表示について(表示を明るくしたい場合)
まつ毛の見た目がテクスチャパスを適用しただけでは黒くなっています。
まつ毛の透過処理を行うことで正しい表示に近づけます。
そしてこの時点では髪とまつ毛の透明部分が黒く表示されてしまっているのでシェーダーを変更します。
モデルのメッシュにドラッグ&ドロップ→Replace by Type
TransparencyからAccurate Transparencyを選択
毛のテクスチャの透明部分が想定通りに表示されます。
3.モーションキャプチャーデータの確認する
モーションキャプチャーデータの確認をするために、データのインポート方法を説明します。このチュートリアルにおいて、モーションキャプチャーデータはBVHファイルを使用していきます。(以降、モーションキャプチャーデータはモーションデータと呼びます。)
BVHファイルとは
BVHファイルとは、ボーン階層構造を持ったモーションデータのファイルです。主にモーションキャプチャの用途に利用されており、ルートの位置とボーンの角度のアニメーションデータが保持されています。
用意するモーションファイルについて
この回ではインポート方法の確認に使用するBVHファイルは以下を使用します。
BVHデータ記事
https://www.bandainamco-mirai.com/news_20220428/
こちらはバンダイナムコ研究所の3Dモーションデータセットです。歩行や走行、格闘やダンスなどのモーションデータが公開されています。礼をする動作だけでもかわいらしい仕草やミュージカル風などと個性豊かなモーションがそれぞれ用意されています。
以下リンク先からZipファイルをダウンロードします。
https://github.com/BandaiNamcoResearchInc/Bandai-Namco-Research-Motiondataset
Bandai-Namco-Research-Motiondataset-master.zip
インポート後のモーションデータのセットアップについては後の回で「Character」というものを作成するタイミングで解説します。
読み込み方
説明の前準備として、シーン内にデータ残っている場合はFileメニューから”New”《Ctrl+N》を選択して、新規シーン作成、シーン内に何もない状態にします。
FileメニューからMotion File Import…
C:\Tutorials\MBMotions\Bandai-Namco-Research-Motiondataset-master\Bandai-Namco-Research-Motiondataset-master\dataset\Bandai-Namco-Research-Motiondataset-1\data
上記のフォルダから、
dataset-1_bow_masculinity_001.bvh を選択します。
Importボタンを押します。
BVHファイルのボーンデータが表示されます。
BVHファイルのスケマティックビュー
BVHファイルがインポートできましたら、画面右下の再生ボタンを押してモーションを再生してみましょう。
今回はモデルファイルの準備と、モーションファイルのインポート方法についてを軽く触れてきました。モデルファイルは今回用意した物を次回以降のチュートリアルでも使用していきます。今回はモーションファイルをインポートして確認をするだけでしたが、後の工程でまたお目にかかることになりますので、その時に「前にこんなものがあったな」と思い出していただけると頭に入りやすいかと思います。
次回はMotionBuilderの基本操作を更に詳しく解説していきます。
「慣れている人がスイスイとやっているあの操作、一体どうやってるんだろう?」
「他ツールにあるような操作が思い通りに動かない!」
などといった細かい疑問や悩みの解消にも一役買うかもしれません。
では次回もまた、よろしくお願いします!
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