Google Workspace Studio のテンプレートを使ってみる - 日々の情報のキャッチアップ
はじめに
Google Workspace Studio (以下、Workspace Studio) は Google Workspace で使える、Gemini が搭載されたワークフローを自動化するサービスです。基本的なコンセプトやユースケースのイメージについては下記のブログを書きましたのでご覧ください。
Workspace Studio には Google からデフォルトで提供しているテンプレートがあり、よくあるユースケースはテンプレートを元に作り始めることができます。

テンプレートはカテゴリごとにグルーピングされており、概ね Workspace Studio でできること・解決できることの方向性 をそのまま表しています。イチから Flow を作りたい!という場合の指針にもなると思います。この記事では 日々の情報のキャッチアップ に役立つテンプレートの使い方をご紹介します。
Everyday essentials - 日々の情報のキャッチアップ
[Discover] メニューで表示される [Everyday essentials] セクションでは、主に日々の情報のキャッチアップに関するテンプレートが提供されています。2025 年 12 月現時点で提供されているテンプレートではどういったことができるのか、簡単にまとめました。
| 名前 | どういったことができるか | 関連サービス |
|---|---|---|
| Get news headlines summarized daily | ニュースをサマリして毎日チャットで通知する | Gemini, Google Chat |
| Get AI news briefs daily | 生成 AI のニュース速報を毎日チャットで通知する | Gemini, Google Chat |
これらのテンプレートを設定するだけで、ニュースを毎日自動でキャッチアップし、Google Chat で通知してくれます。生成 AI の進化が著しい昨今、このテンプレートを活用すれば、重要な情報を見逃すことなく、効率的に知識をアップデートできます。日々の情報収集の時間を大幅に削減し、本業に集中できる環境を整えることができます。
生成 AI のニュース速報を毎日チャットで通知する
この記事では Get AI news briefs daily のテンプレートを使い、生成 AI のニュース速報を毎日チャットで通知するを自動化したいと思います。
構成としては「生成 AI の回答結果をチャットで通知する」という一連のフローを定期実行するというものになります。

Step 1: 定期実行
Starter (トリガー) は [On a schedule] が設定されています。これはシンプルに指定した時間や周期に定期実行するような設定になります。

周期としては「毎週」や「平日」であったり「15 分ごと」「30 分ごと」などといった指定ができます。

Step 2: Gemini でニュース速報を生成
Step 2 では [Ask Gemini] を使い、Gemini にテキストを生成する指示を行っています。ニュース速報を作成するためのプロンプトがプリセットされています。

デフォルトで設定されているプロンプトを翻訳すると、以下のようになります。日時のところには Step 1 の Variable として現在時間を埋め込みます。プロンプト作りの参考になりますね。
日時 : <現在日時の Variable>
仕事を始める前に、簡単な最新情報をお知らせください。最新情報は過去24時間以内に発生したものに限定してください。
コンテキスト:Google WorkspaceのAIトレンド、Gemini、Agents、その他広く関心を集めている最近のAIトレンドに興味があります。このコンテキストを参考に、以下の指示の詳細と調査をより適切に理解してください。
指示 :
- 過去24時間以内の、本日のAIニュースのみを記載してください。
- ニュースで取り上げられたAI関連の主要見出しは何ですか?ランディングページではなく、必ず参照記事に直接リンクするリンクを提供してください。記事のタイトルとソースへの直接リンクを抽出してください。生のリンクが含まれていない場合、情報源を信頼できません。
- 出力を読み直し、記事のリンクと実際の記事の日付を追加してください。そうすれば、この記事([記事の日付] - リンク)が気に入った場合に、続きを読むことができます。
- 事実のみを記載し、余計なコメントや意見は加えないでください。
- 見出しは箇条書きで区切って間隔を空け、読者の読みやすさと明瞭性を向上させます。
- 美しくフォーマットし、改行で間隔を空け、リッチテキストを使用します。各見出しの横に絵文字を含めます。絵文字は、各見出しの内容を反映したものにしてください。
- 見出しリストの前に、導入フレーズ、会話文、前置きを含めないでください。
- 日付、タイムスタンプ、個人的な挨拶など、出力に必要のない情報はすべて除外します。
- 重複する見出しは除外し、同じ見出しやコンテンツを繰り返さないでください。
出力 :
出力の見栄えを良くするために、見出し、太字、スペース、改行、絵文字、リンクを使用します。
リンクには、URL全体ではなく「link」というラベルを付けます。
出力例 :
**今日のトップニュース** :
**簡潔な見出し** - 文章の要約 - <link>
なお、このプロンプトでは「Google WorkspaceのAIトレンド、Gemini、Agents、その他広く関心を集めている最近のAIトレンドに興味があります。」と Google に関連する話題にフォーカスしています。もし生成 AI 業界をより俯瞰したニュースにしたい場合はプロンプトを少しカスタマイズしてください。
Step 3: Google Chat でお知らせ
Step 3 では [Notify me in Chat] というステップを使って処理を分岐させています。 Step 2 の Gemini の生成結果をチャット本文に設定しています。

最後に [Turn on] をクリックして完了です。
動かしてみる
それでは実際に動かしてみましょう。定期実行のタイミングに合わせて確認するのは面倒なので [Test run] を使います。
下記のような表示になれば、一連の Flow が問題なく完了しています。

Google Chat を見てみると、本日の生成 AI 関連のニュースがまとめられていることが確認できます。

まとめ
本記事では、Google Workspace Studio のテンプレートを活用した日々の情報キャッチアップの方法として、「生成 AI のニュース速報を毎日チャットで通知する」フローの構築手順を具体的に解説しました。
生成 AI をはじめとしたテクノロジーの進化は目覚ましく、常に最新情報を追うことは容易ではありません。今回ご紹介したテンプレートを活用すれば、このような情報収集タスクを自動化し、より戦略的な業務に時間を充てることが可能になります。ぜひカスタマイズして使ってみてください。
Google Workspace Studio の使い方をもっとよく理解いただくため、またユースケースを共有しあうための Google Workspace Studio アドベントカレンダー を実施しています。これから毎日、各機能の使い方や具体的なユースケースを公開していく予定ですのでお楽しみに!すでにお使いいただいている方の参加も大歓迎です!
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