Google Workspace Studio で Cloud Run のアップデート情報をキャッチアップする
はじめに
Google Workspace Studio (以下、Workspace Studio) は Google Workspace で使える、Gemini が搭載されたワークフローを自動化するサービスです。基本的なコンセプトやユースケースのイメージについては下記のブログを書きましたのでご覧ください。
この記事では Google Cloud の各サービスのリリースノートに掲載されている情報の中から 重要なアップデートのみを通知する フローを作成してみたいと思います。どのサービスにも適用できますが、この記事では「Cloud Run のアップデート」をターゲットにします。
「サービス アップデートの通知」を厳密に行うには、RSS から取得して整形をして翻訳して…といったフローが必要になりますが、この記事で作るフローは下記のポイントにフォーカスしている点が異なります。
- 情報過多にならないように、重要なアップデートだけクイックにキャッチアップできるようにする
- 定期的なタイミングでまとめてキャッチアップできるようにする
- 通知すべきアップデートの選別に Gemini を活用する
- Workspace Studio の機能を活かして、簡単に構築できるようにする
Cloud Run のアップデート情報をキャッチアップする
フロー全体としては下記のようになっています。定期的に Gemini がリリースノートを読み、キャッチアップした内容を Google Chat で通知します。

Step 1: 定期実行
Starter (トリガー) は [On a schedule] を設定します。周期は様々設定できますが、ここでは [Weekly] にします。アップデートの頻度やキャッチアップしたい頻度に合わせる形にしましょう。

Step 2: Gemini でキャッチアップ
Step 2 は [Ask Gemini] を設定します。URL からリリースノートのコンテンツを取得し、重要なアップデートにサマリするプロンプトを設定します。

プロンプトは次のようにしました。
次の手順で Web 情報を取得し、まとめてください。
1. # URL にアクセスし、コンテンツを取得します。
2. # 判断基準 に沿って、通知すべきアップデート情報を絞ります。
3. # アウトプットのルール に従い、# アウトプットのサンプル を参考に、最終的な出力を行います。
# URL
https://docs.cloud.google.com/run/docs/release-notes
# 判断基準
- アップデートが数ヶ月以内であること
- アップデート内容が細かすぎず、重要であると考えられるものであること
# アウトプットのルール
- グルーピングは行わなわず、各アップデートを箇条書きで羅列する形で出力します。
- 事実のみを記載し、余計なコメントや意見は加えないでください。
- 美しくフォーマットし、リッチテキストを使用します。
- 各見出しの横に絵文字を含めます。絵文字は、各見出しの内容を反映したものにしてください。
- 見出しリストの前に、導入フレーズ、会話文、前置きを含めないでください。
- 日付、タイムスタンプ、個人的な挨拶など、出力に必要のない情報はすべて除外します。
- 重複する見出しは除外し、同じ見出しやコンテンツを繰り返さないでください。
- 出力の見栄えを良くするために、見出し、太字、スペース、改行、絵文字を使用します。
# アウトプットのサンプル
Cloud Run アップデート情報 (2025年11月~12月)
- 📦 Compose ファイルを使用した Cloud Run サービスデプロイのサポートが開始されました(プレビュー)。
- 💻 Cloud Run ジョブのタスクタイムアウトを最大 168 時間(7 日間)に設定できるようになりました(GA)。
また [Sources Gemini can use] は [Web only] にします。Workspace の内容も含めるようにしてしまうと、Drive に保存された情報などを参照しハルシネーションを起こしてしまう可能性があります。

Step 3: Google Chat の通知
Step 3 では [Notify me in Chat] を使って、Google Chat で通知します。メッセージは Step 2 で生成した結果のみにしています。

最後に [Turn on] をクリックして完了です。
試してみる
それでは試してみましょう。[Test run] で実行してみます。

次のようなアップデートサマリが通知されるようになりました。Python に関するアップデートで🐍が使われているのが面白いですね。

まとめ
この記事では、Google Workspace Studio を使って Cloud Run の重要なアップデートを自動で通知するフローを作成しました。[Ask Gemini] アクションを活用することで、リリースノートの URL から情報を自動で取得し、重要な更新だけを要約して Google Chat で通知を受け取ることができます。
Gemini を使ってアップデート情報をサマリすることで、数あるアップデートの中から重要なものだけ抽出することができます。これにより、効率的にサービスの更新をキャッチアップできます。この記事を参考に、必要に応じてプロンプトをカスタマイズしながら 自分に合ったキャッチアップフロー を作成してみてください。
Google Workspace Studio の使い方をもっとよく理解いただくため、またユースケースを共有しあうための Google Workspace Studio アドベントカレンダー を実施しています。これから毎日、各機能の使い方や具体的なユースケースを公開していく予定ですのでお楽しみに!すでにお使いいただいている方の参加も大歓迎です!
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