【TS】satisfiesじゃないとできないこと。 ~Uppercase<T>と一緒に型を強化する~
TypeScript4.9 に実装されたsatisfies
オペレータですが、どうでしょう。みなさん使ってますか?
僕はもちろん愛してやまないのですが、satisfies
の実装から1年半くらいたった今、実装当初に想定していたよりも、「あれ?こいつここでも使えるの?」と活躍を感じる場面が多くなってきたため、いいなと思った使用例を紹介したいと思います。
satisfies
の基本
今回の記事ではsatisfies
そのものについての解説は行いません。以下の記事がとても丁寧かつわかりやすくまとめられていますので、おすすめです!
よろしければこちらもどうぞ...。
筆者の旧アカウントでの記事です。よろしければどうぞ!
Uppercase<T>と組み合わせて型を強化する
今回紹介したいTipsは、
「satisfies
とUppercase
を一緒に使って、いつもの型をもう少し強化しよう」 です!
例えば、COLOR
オブジェクトのkey部分をUPPER_CASEで宣言するよう型で縛りたい時を考えてみましょう。型として表現すると以下のようになります。
type ColorKey = UpperCase<string>
上記のColorKey
型を利用して、「key部分はUPPER_CASEに縛られたCOLOR
オブジェクト」を作ってみます。以下の2パターンが思い付きます。
// 型注釈を利用
const COLOR_ANNOTATE: Record<ColorKey,string> = {
WHITE: "#FFFFFF",
BLACK: "#000000",
badColor: "#hoge" // 🚫 type error ("badColor"がUPPER_CASEじゃない為)
}
// satisfiesを利用
const COLOR_SATISFIES= {
WHITE: "#FFFFFF",
BLACK: "#000000",
badColor: "#hoge" // 🚫 type error ("badColor"がUPPER_CASEじゃない為)
} satisfies Record<ColorKey,string>
さて、これらはどちらも期待通り動作しており一見同じものに見えますが、違いはあるのでしょうか...🤔?
...当然あります、そして当然satisfies
を使用している方が有利です。(当たり前ですね。だって記事書いてますもん。)
何が違う?
何が違うのかみていきましょう。結論から言うと、
「オブジェクトのプロパティへ型安全にアクセスできるかどうか」
において違いが生まれます。
// 型注釈を利用
const COLOR_ANNOTATE: Record<ColorKey,string> = {
WHITE: "#FFFFFF",
BLACK: "#000000",
badColor: "#hoge" // 🚫 type error
}
// satisfiesを利用
const COLOR_SATISFIES= {
WHITE: "#FFFFFF",
BLACK: "#000000",
badColor: "#hoge" // 🚫 type error
} satisfies Record<ColorKey,string>
// 型安全にアクセス不可(サジェストしてくれない👎)
const selectedColorAnnotate = COLOR_ANNOTATE.????
// 型安全にアクセス可能(サジェストしてくれる👍)
const selectedColorSatisfies = COLOR_SATISFIES.BLACK
なぜこんなことが起こるのか少し詳しくみていきたいと思います。
COLOR_ANNOTATE の型
COLOR_ANNOTATE
オブジェクトの型は型注釈を行っているため
Record<Uppercase<string>, string>
型です。
そしてUppercase<string>
は結局のところstring
なため、最終的に、
/*
{[x: string]: string;}
*/
typeof COLOR_ANNOTATE
となります。
keyが単なるstring型な為、どんな文字列でも指定することができてしまうので、安全にアクセスできないという訳ですね。
COLOR_SATISFIES の型
対して、COLOR_SATISFIES
オブジェクトの型はどうなるでしょうか。
satisfies
を使用していますが、型注釈は行なっていない為、実際のオブジェクトの型は型推論により行われます。その為最終的に
/*
{
WHITE: string;
BLACK: string;
{
*/
typeof COLOR_SATISFIES
となります。
実際の値に基づいて型推論されるため、keyの型が具体的な stringLiteral型となり、型安全に各プロパティにアクセスできるようになる訳ですね。
その他の型と組み合わせる
Uppercaseの仲間たち
上記では一例としてUppercase<T>
と組み合わせる例を出しましたが、他にも以下のような型関数が存在します。
Lowercase<T>
Capitalize<T>
Uncapitalize<T>
これらが何をしてくれる型関数なのかは、読んで時の如くです。
これらの宣言方法であるintrinsic
キーワードについて詳しく知りたい方は、uhyoさんのこの記事が参考になるかと思います。(NoInfer
も最近intrinsic
の仲間になりましたね😸)
TemplateLiteral型
上記の型関数以外にも、TemplateLiteral型とsatisfies
を組み合わせて使うのも良いかと思います。
Uppercase
の例と同じですが、以下のようなイメージです。
type ErrorMessageKey = `${number}_Error`
const ErrorMessage = {
"404_Error": "ご指定のページが見つかりませんでした",
"418_Error": "ティーポットなのでコーヒーはちょっと淹れんといてほしい...",
} satisfies Record<ErrorMessageKey, string>
...色々と使えそうな場面は多そうですね!
さいごに
さて、satisfies
のTipsを紹介しました。
今回紹介した以外にも、いくつかお気に入りのsatisfies
利用法がありますので、別記事で紹介できたらなぁと思っています。僕が満足するまでお付き合いをどうぞよろしく!!
一応Playgroundも用意しているので、実際に確認してみてください...!!
ありがとうございました!
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