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【OpenShift】クラスター全体の健全性を確認
0.はじめに
OpenShift Container Platform(以下、OCP)入門者向けに、OpenShiftのリソースとクラスターのステータス調査方法について解説します。
リソースとクラスターのステータス調査は、クラスターの健全性や安定性を保つために、重要なコンポーネントやバージョンの状態を定期的に確認するプロセスです。
特に、etcdやOperatorの監視、およびクラスターのバージョン確認は、OpenShift環境を管理するうえで不可欠。
各項目の説明とともに、具体的なCLIコマンドの使用例とその結果の解釈を紹介します。
では、次の章から具体的な解説を進めます!
1. etcdの監視
etcdは、クラスターの状態を保存する分散データストアで、クラスター全体の設定や構成情報を管理する役割を果たします。etcdの状態が不安定だと、クラスター全体の操作に影響を及ぼすため、定期的な監視が重要です。
コマンド例1: etcd Podの確認
oc get pods -n openshift-etcd
実行結果の例:
NAME READY STATUS RESTARTS AGE
etcd-crc 1/1 Running 0 5d
etcd-quorum-guard-9jxyz 1/1 Running 0 5d
-
STATUS が
Running
になっていることを確認します。CrashLoopBackOff
やPending
などの状態が表示されている場合は、etcdの動作に問題がある可能性があります。
コマンド例2: etcdコンテナに接続して健康状態を確認
oc -n openshift-etcd rsh etcd-crc
etcdctl endpoint health
実行結果の例:
https://etcd-crc.openshift-etcd.svc:2379 is healthy: successfully committed proposal: took = 2.335ms
-
is healthy
と表示されていれば、etcdが正常に稼働しています。ここで遅延が発生したり、エラーメッセージが表示されたりする場合は、etcdの負荷やクラスター内での接続問題の可能性があるため、調査が必要です。
コマンド例3: etcdログの確認
oc logs -n openshift-etcd etcd-crc
- etcdのエラーログやワーニングがないか確認します。たとえば、接続エラーやデータ保存に関するエラーがある場合、etcdの稼働に問題が発生していることを示します。
2. Operatorの監視
Operatorは、OpenShiftの重要なコンポーネント(APIサーバー、ネットワーク、ストレージなど)の管理と更新を行います。Operatorの状態を監視することで、クラスター内の各コンポーネントが適切に動作しているかを確認できます。
コマンド例: クラスターOperatorの状態を確認
oc get clusteroperators
実行結果の例:
NAME VERSION AVAILABLE PROGRESSING DEGRADED SINCE
authentication 4.10.9 True False False 1d
cloud-credential 4.10.9 True False False 1d
console 4.10.9 True False False 1d
etcd 4.10.9 True False False 1d
network 4.10.9 True False False 1d
-
AVAILABLE が
True
であり、PROGRESSING と DEGRADED がFalse
であることが正常な状態です。 -
PROGRESSING が
True
の場合、Operatorがアップグレード中または再構成中であることを意味し、DEGRADED がTrue
である場合、エラーや不具合が発生していることを示します。こうした問題が見られる場合、さらなるトラブルシューティングが必要です。
3. バージョン確認
クラスターのバージョンを確認することで、現在のOpenShiftおよびKubernetesのバージョンがわかります。バージョンは、互換性や機能を確認するために重要です。
コマンド例: クラスターとCLIのバージョン確認
oc version
実行結果の例:
Client Version: 4.10.9
Server Version: 4.10.9
Kubernetes Version: v1.21.1+abcdef
- Client Version はCLIのバージョン、Server Version はOpenShiftクラスターのバージョン、Kubernetes Version は基盤となるKubernetesのバージョンです。
- クライアントとサーバーのバージョンが異なる場合、一部の機能に互換性の問題が生じる可能性があるため、特にServer Versionの確認が重要です。
4.Webコンソールでの監視方法
1. etcdやOperatorの監視
- Webコンソールにログインし、「監視」→「ダッシュボード」にアクセス。
- クラスターの健全性ステータスが表示され、etcdやOperatorの異常がある場合は通知されます。
- 「コンポーネントの状態」セクションでOperatorの状態を確認できます。
2. バージョン確認
- Webコンソールの「クラスター設定」ページに移動し、OpenShiftクラスターのバージョンと各コンポーネントのバージョンが表示されます。
- クラスターのバージョンアップデートが可能な場合、バージョン情報の横に更新通知が表示されます。
5.おわりに
今回はOpenShiftのリソースとクラスターのステータス調査方法について理解を深めるために、以下を学びました。
- etcdの監視: クラスターの中核であるetcdのPod状態、健康状態、ログを定期的に確認します。
-
Operatorの監視: 各コンポーネントの健全性を確保するため、
oc get clusteroperators
で確認します。 -
バージョン確認: クライアントとサーバーのバージョンを把握し、互換性を確認するために
oc version
を使用します。
1回で覚えるのは難しいと思うので、何度かトライして覚えるで全然大丈夫です。
今後もOpenShiftについて解説していきます。
おわりっ!
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