【OpenShift】Red Hat CodeReady Containers環境の構築方法
0.はじめに
無料ハンズオン環境で、Openshiftを試したい方向けに「Red Hat CodeReady Containers(以下、CRC)」をご紹介いたします。
本記事を読んでいただくと以下を学ぶことができます。
- CRC環境とは何か
- CRC環境のインストール/セットアップ方法
- CRC環境の使い方
次の章から具体的に解説していきます!
1.CRC環境とは
CRCは開発やテスト利用を目的にした、ローカルマシンのVM上で動作するミニマルなOpenShift環境です。
通常のOpenShiftと比較すると、以下のような違いがあります。
- シングルノード。MasterノードもWorkノードも同じ1つのVM上で動作する。
- 新しいバージョンへアップグレードができない。 最新バージョンを利用したい場合は、再インストールが必要。
-
machine-config
,monitoring
Operatorが無効化されている。そのため、Web コンソールの対応する部分が利用できない。 - クラスタのベースドメインが
* .crc.testing
で固定。 - クラスタの内部通信に利用するアドレス範囲が変更できない。
CRCはあくまで一時的な利用を目的としてますので、本番環境として利用する場合は、通常のOpenShiftを用意しましょう。
2.システム要件
CRCには、最小ハードウェアおよびOSの要件があります。
要件はバージョンによって異なるため、インストールしたいCRCの公式ドキュメントを確認しましょう。以下は最新のシステム要件です(2024年6月時点)。
Red Hat CodeReady Containers 1.14のシステム要件
3.インストール・初期セットアップ方法
今回は、macOSに最新のCRCをインストールする方法を紹介します。
まずは、ダウンロードページからmacOS向けのCRCインストーラーをダウンロードします。「Download OpenShift Local」を押下すると、インストーラー(pkgファイル)のダウンロードができます。
ダウンロードが完了したら、ファイルをダブルクリックしてインストーラーを起動します。あとはインストーラーの指示に従ってインストール作業を進めましょう。
インストールが完了したら、terminalを開いて、インストールしたCRCのバージョンを確認してましょう。
$ crc version
CRC version: 2.37.1+36d451
OpenShift version: 4.15.14
$
次に初期セットアップを行います。環境によるかもですが、数十分は掛かります。
$ crc setup
以上で、CRCのインストールと初期セットアップは完了です。
4.アップグレード方法
CRCのアップグレードは以下の手順で手動で実施します。
- ①既存CRCの削除
- ②最新バージョンのCRCのダウンロードおよびインストール
- ③初期セットアップ
①の既存CRCの削除は、以下コマンドで行います。この際、古いVMに保存されていたデータは削除されるので注意しましょう。
$ crc delete
②と③は前章と同じ手順で新しいCRCをインストールします。この操作で古いCRCが新しいCRCに置き換えられます。初期セットアップも忘れずに実施しましょう。
5.使い方
CRCのクラスタを稼働させるVMの起動・停止・方法およびクラスタへの接続方法を解説します。
- VMの起動方法
- クラスタへの接続方法
- VMの停止方法
5.1.VMの起動方法
次のコマンドでVMを起動できます。
$ crc start
このとき、Pull-Secret(クレデンシャル情報)を求められるので、CRCのインストーラーをダウンロードしたページから取得し準備しておきましょう。
VMの起動が完了すると、以下のようにログイン情報が標準出力に表示されます。クラスタへのログイン時に必要となりますので、メモしておきましょう。
INFO Loading bundle: crc_vfkit_4.15.14_amd64...
INFO A CRC VM for OpenShift 4.15.14 is already running
Started the OpenShift cluster.
The server is accessible via web console at:
https://console-openshift-console.apps-crc.testing
Log in as administrator:
Username: kubeadmin
Password: XXXXXXXXX
Log in as user:
Username: developer
Password: XXXXXXXXX
Use the 'oc' command line interface:
$ eval $(crc oc-env)
$ oc login -u developer https://api.crc.testing:6443
5.2.クラスタへの接続方法
次のコマンドでログインできます。
- developerユーザーとしてログイン
$ oc login -u developer -p developer https://api.crc.testing:6443
- adminユーザーとしてログイン
$ oc login -u kubeadmin -p <PASSWORD> https://api.crc.testing:6443
なお、ocへのパスが通らない場合、以下コマンドを実行してパスを通しましょう。
$ eval $(crc oc-env)
パスが通ったかは以下コマンドで確認できます。
$ which oc
/Users/aoshima/.crc/bin/oc/oc
5.3.VMの停止方法
次のコマンでVMを停止することができます。
$ crc stop
停止をしても、VM上のデータは削除されません。
5.4.その他
その他のコマンドを紹介します。
- クラスタの起動状態確認
$ crc status
CRC VM: Running
OpenShift: Unreachable (v4.15.14)
RAM Usage: 3.589GB of 10.96GB
Disk Usage: 25.29GB of 32.68GB (Inside the CRC VM)
Cache Usage: 38.69GB
Cache Directory: /Users/yb/.crc/cache
- Web コンソールの URLを表示
$ crc console --url
https://console-openshift-console.apps-crc.testing
- Web コンソールを開く
$ crc console
https://console-openshift-console.apps-crc.testing
6.おわりに
今回はCRC環境を構築するため、以下を学びました。
- CRC環境とは何か(お試し用のミニマルなOpenShift環境)
- CRC環境のインストール/セットアップ方法(crc setupなど)
- CRC環境の使い方(
crc start
,crc stop
,oc login
など)
今後もOpenShiftついて解説していきたいと思います。
おわりっ!!
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