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【OpenShift】Red Hat CodeReady Containers環境の構築方法

2024/06/23に公開

0.はじめに

無料ハンズオン環境で、Openshiftを試したい方向けに「Red Hat CodeReady Containers(以下、CRC)」をご紹介いたします。

本記事を読んでいただくと以下を学ぶことができます。

  • CRC環境とは何か
  • CRC環境のインストール/セットアップ方法
  • CRC環境の使い方

次の章から具体的に解説していきます!

1.CRC環境とは

CRCは開発やテスト利用を目的にした、ローカルマシンのVM上で動作するミニマルなOpenShift環境です。

通常のOpenShiftと比較すると、以下のような違いがあります。

  • シングルノード。MasterノードもWorkノードも同じ1つのVM上で動作する。
  • 新しいバージョンへアップグレードができない。 最新バージョンを利用したい場合は、再インストールが必要。
  • machine-config, monitoring Operatorが無効化されている。そのため、Web コンソールの対応する部分が利用できない。
  • クラスタのベースドメインが* .crc.testingで固定。
  • クラスタの内部通信に利用するアドレス範囲が変更できない。

CRCはあくまで一時的な利用を目的としてますので、本番環境として利用する場合は、通常のOpenShiftを用意しましょう。

2.システム要件

CRCには、最小ハードウェアおよびOSの要件があります。

要件はバージョンによって異なるため、インストールしたいCRCの公式ドキュメントを確認しましょう。以下は最新のシステム要件です(2024年6月時点)。

Red Hat CodeReady Containers 1.14のシステム要件

3.インストール・初期セットアップ方法

今回は、macOSに最新のCRCをインストールする方法を紹介します。

まずは、ダウンロードページからmacOS向けのCRCインストーラーをダウンロードします。「Download OpenShift Local」を押下すると、インストーラー(pkgファイル)のダウンロードができます。

ダウンロードが完了したら、ファイルをダブルクリックしてインストーラーを起動します。あとはインストーラーの指示に従ってインストール作業を進めましょう。

インストールが完了したら、terminalを開いて、インストールしたCRCのバージョンを確認してましょう。

$ crc version                                                                
CRC version: 2.37.1+36d451
OpenShift version: 4.15.14
$

次に初期セットアップを行います。環境によるかもですが、数十分は掛かります。

$ crc setup                                                                

以上で、CRCのインストールと初期セットアップは完了です。

4.アップグレード方法

CRCのアップグレードは以下の手順で手動で実施します。

  • ①既存CRCの削除
  • ②最新バージョンのCRCのダウンロードおよびインストール
  • ③初期セットアップ

①の既存CRCの削除は、以下コマンドで行います。この際、古いVMに保存されていたデータは削除されるので注意しましょう。

$ crc delete

②と③は前章と同じ手順で新しいCRCをインストールします。この操作で古いCRCが新しいCRCに置き換えられます。初期セットアップも忘れずに実施しましょう。

5.使い方

CRCのクラスタを稼働させるVMの起動・停止・方法およびクラスタへの接続方法を解説します。

  • VMの起動方法
  • クラスタへの接続方法
  • VMの停止方法

5.1.VMの起動方法

次のコマンドでVMを起動できます。

$ crc start

このとき、Pull-Secret(クレデンシャル情報)を求められるので、CRCのインストーラーをダウンロードしたページから取得し準備しておきましょう。

VMの起動が完了すると、以下のようにログイン情報が標準出力に表示されます。クラスタへのログイン時に必要となりますので、メモしておきましょう。

INFO Loading bundle: crc_vfkit_4.15.14_amd64...   
INFO A CRC VM for OpenShift 4.15.14 is already running 
Started the OpenShift cluster.

The server is accessible via web console at:
  https://console-openshift-console.apps-crc.testing

Log in as administrator:
  Username: kubeadmin
  Password: XXXXXXXXX

Log in as user:
  Username: developer
  Password: XXXXXXXXX

Use the 'oc' command line interface:
  $ eval $(crc oc-env)
  $ oc login -u developer https://api.crc.testing:6443

5.2.クラスタへの接続方法

次のコマンドでログインできます。

  • developerユーザーとしてログイン
$ oc login -u developer -p developer https://api.crc.testing:6443
  • adminユーザーとしてログイン
$ oc login -u kubeadmin -p <PASSWORD> https://api.crc.testing:6443

なお、ocへのパスが通らない場合、以下コマンドを実行してパスを通しましょう。

$ eval $(crc oc-env)

パスが通ったかは以下コマンドで確認できます。

$ which oc
/Users/aoshima/.crc/bin/oc/oc

5.3.VMの停止方法

次のコマンでVMを停止することができます。

$ crc stop

停止をしても、VM上のデータは削除されません。

5.4.その他

その他のコマンドを紹介します。

  • クラスタの起動状態確認
$ crc status
CRC VM:          Running
OpenShift:       Unreachable (v4.15.14)
RAM Usage:       3.589GB of 10.96GB
Disk Usage:      25.29GB of 32.68GB (Inside the CRC VM)
Cache Usage:     38.69GB
Cache Directory: /Users/yb/.crc/cache
  • Web コンソールの URLを表示
$ crc console --url                                                          
https://console-openshift-console.apps-crc.testing
  • Web コンソールを開く
$ crc console                                                          
https://console-openshift-console.apps-crc.testing

6.おわりに

今回はCRC環境を構築するため、以下を学びました。

  • CRC環境とは何か(お試し用のミニマルなOpenShift環境)
  • CRC環境のインストール/セットアップ方法(crc setupなど)
  • CRC環境の使い方(crc start,crc stop,oc loginなど)

今後もOpenShiftついて解説していきたいと思います。

おわりっ!!

7.参考

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