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技術書典17オンライン参加を終えて - 頒布数情報・収支報告あり

2024/11/24に公開

はじめに

技術書典17参加者の皆様、お疲れさまでした。

当サークル「熊本技人舎」として2回目のオフライン会場参加を目指していましたが、私用と日程がバッティングしたためオンライン参加となりました。

今回の新刊のテーマがニッチだったこともあり、さすがに前回ほどの頒布数とはいきませんでしたが、電子版含めて3タイトルで計132冊を頒布できました。頒布数の目標ラインは120冊に設定していたので前回の技術書典16に続いて、今回も目標達成となりました。

https://techbookfest.org/organization/vtQ58jwGhy83d72WHX6XzV

頒布部数の集計結果

  • 頒布総数 ... 132冊
    • 新刊: 自分でつくる!電帳法対応タイムスタンプツール ... 38冊
    • 既刊①: 英語ガチ勢エンジニアになる方法 ... 69冊
    • 既刊②: PowerShell Daily Recipe Book ... 25冊
名称 販売形式 頒布数
新刊 タイムスタンプ本 紙+電子 26
新刊 タイムスタンプ本 電子 12
既刊① 英語学習本 紙+電子 39
既刊① 英語学習本 電子 30
既刊② PowerShell本 紙+電子 22
既刊② PowerShell本 電子 3

技術書典の売上集計画面

紙+電子の頒布部数 - 予測・実績

名称 販売形式 予測値 実績値 差異
新刊 タイムスタンプ本 紙+電子 30 26 -4
既刊① 英語学習本 紙+電子 50 39 -11
既刊② PowerShell本 紙+電子 20 22 +2
合計 - 100 87 -13

全体的に予想はそこまで外しはしてなかったのですが、想定よりも下振れの傾向でした。

タイムスタンプ本はあまりにもニッチなテーマで、売れるかどうか?あるいは需要が本当にあるのか?という点さえ不明な中での見積もりだったので、個人的には26冊という結果になり安心しました。

英語本については想定よりも電子版の購入に流れており、紙+電子の頒布数が下振れしました。予想の下限ラインとして悪くて40冊程度と見積もっていたのですが、実際にその数字に近い形となっていました。

PowerShell本は予想以上の紙+電子の頒布数を見せました。湊あくあ(あくたん)を表紙にしたインパクトが大きいのか、今回は『紙+電子』の割合が8割を超える結果となりました。ほぼ同じページ数の英語本では5割強程度なので、あきらかに購入者が意識して紙の本を選択している傾向が見て取れます。

在庫を多く抱えなくて済むように紙の本の頒布数を増やしたければ、できるだけ可愛いキャラクターを表紙に描くべきなのかもしれません(謎理論)

印刷所・印刷部数

名称 ページ数 印刷所 形態 部数 金額 備考
既刊① 英語ガチ勢エンジニアになる方法 B5/132P 日光企画 オフセット 300 \96,650 早割セット
新刊 自分でつくる!電帳法対応タイムスタンプツール B5/86P 栄光 オンデマンド 80 \35,720 Fever!!サンバセット(早割プラン)

今回のオンデマンド印刷の方は、日光企画とは別に栄光も使ってみました。ホームページの出来は今風の感じでなかなか良いですし、入稿や決済もUIが親切でやりやすいです。

栄光で早割を使いたい場合は比較的時間の余裕があるので、日光企画の早割適用スケジュールでは厳しい場合等に活用できる可能性があります。ただし、技術書典のバックアップ印刷所ではないので発送指示の手間は増えます。

https://www.eikou.com/
https://www.eikou.com/commodity/fever-samba-ond/

今回の出展による収支

今回は技術書典17の開催期間中、電子版を900円に値下げして頒布しました。

売上

種別 単価 数量 合計
オンライン売上(紙+電子) @1,000 87冊 \87,000
オンライン売上(電子) @900 45冊 \40,500
合計 --- 132冊 \127,500

費用

種別 金額 備考
印刷代 \96,650 日光企画・オフセット印刷
印刷代 \35,720 栄光・オンデマンド印刷
印刷所発送料 \5,900 印刷所から各地への配送
個人発送料 \1,748 入庫にかかった費用
技術書典・販売手数料 \25,500 売上に対して20%
技術書典・配送手数料 \8,700 紙の本の発送手数料(1冊あたり100円)
合計 \174,218

損益

今回の印刷については、今後のイベント参加に備えて在庫を抱える前提で多めの印刷数にしています。もしも印刷代をすべて今回の費用として計上すれば、今回の技術書典17は赤字ということになってしまいます。

・単純な損益計算をした場合
\127,500(売上) - \174,218(費用) = △\46,718(損益)

これでは正しい費用計算とは言えないので、1冊あたりの印刷代をもとに損益計算をしてみます。

名称 印刷単価 頒布数 売上原価合計
新刊 タイムスタンプ本 @446.5 26 \11,609
既刊① 英語学習本 @322.17 39 \12,565
既刊② PowerShell本 @451.34 22 \9,930
合計 - 87 \34,104

(※印刷単価およびは小数点2位までで繰り上げ計算、合計額は小数点繰り上げ)

このとき、費用の表は次のようになります。

種別 金額 備考
印刷代(売上原価) \34,104 1冊あたり印刷単価より計算
印刷所発送料 \5,900 印刷所から各地への配送
個人発送料 \1,748 入庫にかかった費用
技術書典・販売手数料 \25,500 売上に対して20%
技術書典・配送手数料 \8,700 紙の本の発送手数料(1冊あたり100円)
合計 \75,952

これを踏まえて今回の技術書典17における損益は、以下のように計算できます。

\127,500(売上) - \75,952(費用) = \51,548(損益)

総括

オンライン参加では、旅費をかけずに作品の販売ができるので便利です。

とはいえ、オフライン会場とは違って参加者の方に思いがけず手に取ってもらうという機会は生まれないですし、ブース出展もないので作品づくりの熱量が伝わりません。

その結果、オンラインマーケット上での頒布数の伸びや爆発力はイマイチだったように感じます。売れる見込みのある新刊があれば、多少旅費をかけてもオフライン会場で頒布したほうがいいでしょう。

しかし既刊本でも想像以上にしっかり売れているので、真剣に作品づくりをして完成度の高い作品のストックが増えてくればオンライン参加でも安定した頒布数にはなるだろうと思います。

今回の技術書典17の結果だけを見て、明確に黒字かどうか?ということまでは言えませんでしたが、ひとまずは頒布目標数の120冊に到達できて良かったです。あとは今回の印刷数が妥当だったのかという点については、冬コミの頒布数の結果をみてから判断することになるでしょう。

次回は売れ線のテーマの本を引っ提げて、再度オフライン会場に出展したいと思います。また、画力も向上させて、もっと綺麗なイラストの表紙を仕上げたいです。

当サークルの宣伝

当サークルの作品に興味のある方は、コミケ105・2日目(12/30)にもお越しください!

コミケWebカタログ用サークルページ
https://webcatalog.circle.ms/Perma/Circle/10488915/

備考

他サークルの収支報告

https://blog.takuros.net/entry/2024/11/10/205306
https://mzryuka.hatenablog.jp/entry/2024/11/23/130932

https://x.com/LettuceYogurt/status/1858337480220836214

過去の収支について

https://zenn.dev/furaiboxyz/articles/475fd539515ea5

PowerShell本表紙絵の『湊あくあ(現:結城さくな)』について

すでに、湊あくあ(あくたん)はホロライブを卒業して「結城さくな」として転生していますのでぜひそちらもチェックしてみてください(露骨な宣伝)

https://hololive.hololivepro.com/talents/minato-aqua/

https://yuuki-sakuna.com/

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