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"思い"の強いスタートアップにおけるスクラム

2020/12/05に公開

はじめに

こんばんは。著者は株式会社ハイボールでフクロトジを開発しております。
フクロトジは秘密の写真・映像・音声を有料で公開することのできる18禁SNSで、今年6月末にリリースしました。
https://fukurotoji.tokyo

また、株式会社ハイボールではアドベントカレンダーにもトライしています。
https://adventar.org/calendars/5938
エンジニアもCSも社長も書くアドベントカレンダーになる予定です。
なお、本記事が第一号ですが、5日目の記事になります笑

最初期よりフクロトジの開発に携わり、得られた知見をアドベントカレンダーでじっくり公開していこうと思っています。

スタートアップにおけるスクラム

いきなりの偏見ですが、スタートアップにおける開発は勢いの良さ・信念の強さ・リリースまでの速さが求められがちです。その中でもリリースまでの速さ、つまり"開発のスピード&スピード&スピード"であり、競合優位性はスピードであるシチュエーションが多々あります。特に昨今は、アダルト・セクシー領域(pink+tech=pintechとも言うらしいです)の競争が激化しており、よりスピードが求められる事業領域になっていると感じています。

応じて、スピードに特性のあるエンジニアたちもこういった事業領域を攻めたいという声をここ最近多く聞くようになりました。嬉しいことですが、事業領域への"思い"の強いエンジニアが弊社のエンジニア面談で、事業領域のことを強く語る/語られることが本当に多いです。では、スピードも持ち合わせつつ、事業領域のことも好きである、つまり"思い"の強いことが最高のエンジニアなのかというと、そういう訳ではありません。個々人にフォーカスすると、"思い"が空回ってしまったり、強みのあるスピードが要件定義/見積もり/設計/実装/テスト/運用等フェーズによって細分化され、実はまちまちだったりします。実装が早くてもクオリティが低くく、想定時間より多くテストを繰り返し行い結局スピードは並程度、なんてこともあったりします。
そこでスクラムによる開発手法を取り組むことで、スピードバランスを俯瞰して確認することができます。また、0->1段階でよくある、メンバー増加に伴う、「ステークホルダーの統率が取れてない感」を払拭することもできます。

フクロトジでのスクラム

フクロトジでもベータ版リリース後の開発中に

  • メンバーのスピードバランスがまちまち
  • 期日に追い詰められないとできない
  • メンバー増加に伴って、スケジュール感を把握しにくなった
    などの課題を抱えるようになりました。遅れが蔓延し、プロダクトオーナーと嫌な衝突することもありました。
    エンジニア数が最初期より1.5倍程度になったときに、ヤバさを直感しスクラムを導入することを決断しました。

今の所の得られた効果として

  • リリースできる、できないをドライに
    前述のとおり、弊社でも事業領域が好きなエンジニアに恵まれており、"思い"が強いエンジニアが多いです。ただその強さとパフォーマンスは必ずしも比例しないので、しっかりできる/できないを判断できるようになりました。プロダクトオーナーもそのドライな判断に賛同してくれることが多いです。

  • 粒度が粗い仕様に対応できるようになった(wip)
    粒度が粗い仕様のままでは、正しく見積もれずに"思い"優先で期日を決めてしまうことがありました。
    タスクアサイン前/直後に仕様提案者とのコミュニケーション、仕様理解の時間を設け、1スプリントで必ず完了となる大きさまでタスクの細分化を行なうようにしました。
    副次的な効果ですがタスク細分化によって期日も細分化され、アサインされたエンジニアがゆるい追い詰めモードになれるようになりました。

  • 稼動がバラバラでも対応できるように
    オンサイトのメンバー、リモートのメンバーが入り乱れているのですが誰が何をやっているのか、ひと目で区別できるようになりました。

などがあります。
事業領域への"思い"が強く、メンバー間の親しさとリリースへのウェット感が増してしまいがちなスタートアップにおいてスクラムは、「親しき仲にも礼儀がある」ことを思い出させてくれます。

エンジニアにおける2つの目線

最後に少し抽象的な話をします。
エンジニア目線と、オーナー目線と言いますか、
「エンジニアとして、どうすべきか考える。」

「プロダクトの成長として、どうすべきか考える。」
の2つの目線は常にスクラムというフィールドで戦わせたり、寄り添い合ったりすることが健全であると私は思っています。
また、個人プロジェクトでない限り自分とは違う目線があることは認識すべきで、その目線を持てるようになるべきです。

「エンジニアとして、どうすべきか考える。」「プロダクトの成長として、どうすべきか考える。」
を合わせ持った高い視座を持ってエンジニアリングを発揮できる環境が弊社にはあります。
ぜひご興味があればTwiiterでDMをいただければと思います。

https://twitter.com/otatv1ch
https://twitter.com/Fukurotoji_R18

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