スマホからClaude Codeを操作する
はじめに
普段はCursorのエージェント機能を使って効率的にコーディングを行っていますが、CursorだとPCの前に座ってないと操作ができないため、「スマホからでもAIエージェントに作業を依頼できればな〜」と考えるようになりました。
そこで、スマホからClaude Codeを操作できる環境を構築しました。
結論としては、Claude Code + Tailscale + Termiusの組み合わせにより、比較的簡単で安定した環境を実現できました。Claude Maxプランに課金していれば、APIコストを気にせず、定額で利用可能な構成なので、安心して利用できると思います。
なお、先日発表されたClaude Code GitHub Actionsを利用すると、より簡単なセットアップでスマホからClaude Codeを利用できるのですが、その方法だとAPIの従量課金が発生してしまうため、定額で安心して使える上記の方法を選択した次第です。コスト気にせずガンガン並列作業をやっていきたいぜ!って方はClaude Code GitHub Actionsの採用を推奨します。
この記事で実現すること
- スマホ (iPhone) からSSH経由で自宅PC (Mac) にインストールしたClaude Codeを操作
- 外出先でもAIエージェントによる開発支援を受ける
- セキュアで安定したリモートアクセス環境の構築
構成概要
システム構成図
[iPhone] → [Termius] → [Tailscale] → [Mac] → [Claude Code]
必要なツール・サービス
ツール/サービス | 用途 | 料金 |
---|---|---|
Claude Code | AIエージェント | Max低プランの場合: $100/月 API利用の場合: 従量課金 |
Tailscale | VPN接続 | 無料(個人利用) |
Termius | SSH クライアント | 無料(基本機能) |
(補足) Tailscale について
Tailscaleは、エンドツーエンドで暗号化されたプライベートネットワーク(VPN)を簡単に構築できるサービスです。WireGuardプロトコルをベースにしており、インターネット越しでも安全にPCやスマートフォン、サーバー同士を接続できます。NAT越えやファイアウォール設定も自動で行われるため、難しいネットワーク設定を意識せずに、手軽にセキュアなリモートアクセスや社内ネットワークのような通信環境を実現できます。
今回の構成では、スマホから自宅PCにアクセスするために、インターネット越しでも安全に接続できるVPNが必要です。通常のVPNサービスと異なり、Tailscaleは複雑なネットワーク設定やポート開放が不要で、デバイス間の直接通信を実現します。これにより、外出先からでも自宅PCのClaude Codeに安全にアクセスできるようになります。
(補足) Termius について
Termiusは、SSHやTelnetなどを用いたリモートサーバー接続のためのクライアントアプリです。Windows・macOS・Linux・iOS・Androidなどマルチプラットフォームに対応しており、サーバーやデバイスへの接続情報を一元管理できます。直感的なUIと豊富な機能(ポートフォワーディング、鍵管理、スニペット管理など)により、モバイル端末からでもセキュアかつ効率的にサーバーの操作が可能です。
今回の構成では、スマホからMacにSSH接続してClaude Codeを操作するために、高機能なSSHクライアントが必要です。Termiusなら複数セッションの管理、コマンドスニペットの保存、接続情報の同期など、モバイル環境でのリモート作業を効率化する機能が豊富に用意されています。特に、よく使うClaude Codeのコマンドをスニペットとして保存しておけば、スマホでの文字入力の手間を大幅に削減できます。
環境構築手順
詰まりそうなところを中心に記載していきます。
PC側の準備
Claude Codeの設定
他の方が書いてくれてるのでそちらに譲ります。以下の記事が分かりやすいです。
Tailscaleアプリのインストール・設定
以下からアカウントを作成し、アプリをインストールします。
その後は、丁寧なチュートリアルが表示されるので、それに従うだけで特に詰まることなくセットアップできると思います。
Macでリモートログインを有効化
まず、Mac側でSSH接続(リモートログイン)を有効にします。macOSでは「システム設定」→「一般」→「共有」で、「リモートログイン」をオンにします。これによりSSH接続が可能になります。
その後、トグルボタンの右側にある ℹ️ をクリックし、アクセスを許可するユーザーを指定します。ユーザーは「ユーザとグループ」から確認・追加できます。私の場合、雑に管理者アカウントに対してSSHによるアクセスを許可しましたが、そこは個人のご判断にお任せします。
なお、ここで指定したユーザー名とログイン時のパスワードがSSH接続時の認証に使われます。
Termiusアプリのインストール
以下からアカウントを作成し、アプリをインストールします。
その後、新しいホストを作成します。入力項目は以下の通りです。
- Label: 任意の名称(例:「自宅のMac」)
- Address(ホスト名/IP): PC側のTailscale IPアドレス(例:
100.x.x.x
)またはMagic DNS名(例:mymac.local.tailnet-xxx.ts.net
) - Username(ユーザー名): Macで使っているログインユーザー名
- Password: Macのユーザーパスワード
スマホ側の準備
Tailscaleアプリのインストール・設定
- App Store から「Tailscale」をインストール
- 同じアカウントでログイン
- VPN接続を有効化
Termiusアプリのインストール
- App Store から「Termius」をインストール
- 同じアカウントでログイン
動作確認
スマホからPCへのSSH接続
スマホでTermiusアプリを開き、上記で作成したホストを指定します。
上手く行けば、以下のようにMacのTerminalが表示されます。任意のディレクトリに移動し、 claude
コマンドを実行すれば、Claude Codeが利用できます。
運用のコツ・注意点
いつ・どこからでも接続したい場合は、PCは常時稼働させておく必要あり
PCがスリープするとTailscale接続が切れるので、上記の方法では接続できなくなる点に注意です。
Macの場合、 caffainate
コマンドを打っておくと、勝手なスリープを防ぐことができます。
Termiusによく使うコマンドを登録しておくと便利
私はこういう感じでObsidianのノートを操作するためのテンプレートを保存して、スマホから効率的に操作できるようにしています。正直、これがないとスマホからの文字入力は結構しんどいです。
並列でClaude Codeに作業させることも可能
Termiusでは複数のターミナル(SSHセッション)を同時に開くことが可能です。
スマホのTermiusアプリで新しいタブを開くには、既存のタブの横にある「+」ボタンをクリックするだけで、新しいターミナルセッションが開始されます。タブごとに独立した操作ができるため、複数サーバーの管理や同時作業が効率的に行えます。
まとめ
本記事では、Claude Code + Tailscale + Termiusの組み合わせにより、スマホからAIエージェントを操作できる環境の構築方法を紹介しました。
この構成の主なメリットは以下の通りです。
- 定額制でコスト安心: Claude Maxプランなら追加のAPI料金なしで利用可能
- セキュアな接続: Tailscaleによるエンドツーエンド暗号化で安全なリモートアクセス
- 簡単セットアップ: 複雑なネットワーク設定やポート開放が不要
- 高い利便性: 外出先でもAIエージェントによる開発支援を受けられる
- 並列作業対応: 複数のターミナルセッションで同時に複数タスクを実行可能
この環境により、通勤中や外出先でも「ちょっとした修正をAIに依頼したい」「アイデアを形にしてもらいたい」といったニーズに応えることができるようになります。Claude Code GitHub Actionsと比較して従量課金を気にせず使える点が大きな魅力で、日常的にAIエージェントを活用したい方には特におすすめの構成です。
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