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[Snowflake Summit 2025参加レポート]新機能 SnowConvert AI の概要を紹介!

に公開

ナウキャストでデータエンジニアをしている島尻です。
Snowflake Summit 2025への参加レポートとして、「What's New: Accelerating Data Ecosystem Migrations to Snowflake, WN202B」というセッションのレポートを速報で公開します。

はじめに

Summit公式から引用した本セッションの概要は以下の通りです。

Learn how to accelerate and automate migrations with SnowConvert AI, featuring data ecosystem migration agents powered by Snowflake Cortex AI. SnowConvert AI is your free, automated solution designed to dramatically reduce the complexities, costs, and timelines associated with data warehouse and BI migrations. It intelligently analyzes your existing code, automating code conversion, data validation, and streamlining the entire migration process. Join us for an overview of the solution, migration best practices, and live demos.

SnowConvert AIは、Snowflake Cortex AIを活用してデータウェアハウスやBIの移行を効率的に行えるツールとのことです。
前日に行われたPlatform Keynoteでも新機能として発表が行われていましたね!
https://zenn.dev/finatext/articles/db766782b40e2c#snow-convert

それでは、今回参加したWhat's Newセッションから、SnowConvert AIのポイントをピックアップしてお伝えしていきます!

SnowConvert AI とは?

従来より、SnowflakeへのマイグレーションツールとしてSnowConvertというツールが存在しており、移行元データベースのDDLをSnowflake用にコンバージョン(変換)する機能はすでにサポートされていました。
今回このSnowConvertにAIサポート機能が追加され、新しく「SnowConvert AI」として生まれ変わっています。裏側ではSnowflake Cortex AIが使われているようです。

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このSnowConvert AIへの進化によって、コード変換率やオブジェクトのカバー範囲が大きく向上したと発表されていました。

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SnowConvert AI の主な機能とデモンストレーション

Snow Convert AIの具体的な機能について、スライドで発表のあったものをピックアップします。

1. AI-Powered Migration Assistant (VSCodeの拡張機能でも利用可)

まず紹介されたのが、AIを搭載したマイグレーションアシスタント機能です。
変換後のコードに含まれる問題のありそうな箇所について、ユーザーがコンテキスト情報を提供すると、AIがエラーの意味を解説し、修正案をチャット形式で提案してくれるというものです。

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VSCodeの拡張機能からも利用可能ということで、開発者は慣れたIDEの中で、AIからのサジェスチョンを受けながらスムーズにコード修正を進められ、かなり開発者体験もいいのではと思いました。

2. AI-Powered Code Verification with SnowConvert AI

SnowConvert AIによって変換されたコードの正確性を検証するために、AIを用いてテストケースを自動的に生成するというものです。

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このコード検証機能は、テストデータ・テストケースの自動生成から実際の検証までが自動化されるということで、AIによる検証工数の大幅な削減が期待できますね!まさにAIの強みが発揮されるところで機能強化がされているなと感じました。

3. SnowConvert AI for End-to-End Data Migrations

移行元システムのコアデータモデル(テーブル、ビュー、ストアドプロシージャなど)からSnowflakeへの移行をエンドツーエンドで支援する統合的な機能です。これはRedshift、もしくはSQLServerからSnowflakeへのマイグレーションで利用可能なものです。

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コードとデータの抽出 (Extract)、変換 (Convert)、移行 (Migrate)、デプロイ (Deploy)、そしてモニタリング (Monitor)といった一連の作業を、単一のインターフェースで行うことができるようになります。

後述するデモンストレーションは、SQLServerからSnowflakeへのマイグレーションという内容で、まさにこのあたりのエンドツーエンドのマイグレーション体験ができるようなシナリオでした。

4. AI-Powered Data Validation with SnowConvert AI

SnowConvert AIでは、コードの検証だけでなく、移行後のデータそのものの検証もAIが支援してくれるとのことです。

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移行元のデータと移行先のSnowflake上のデータとを比較し、データ型 (types)、構文 (semantics)、そして実際の値 (values) が一致しているかを確認します。
これにより、従来では非常に手間がかかるはずの、手作業によるデータ突き合わせの労力が大幅に削減されます。

発表の中で「semantics」と語られていた箇所は、たとえばSnowflakeには存在しない固定長文字列型(CHAR型等)のデータを、Snowflake側でパディングしたVARCHAR型に変換した際に、データ型としては違うけど実際の内容は一緒、というようなことを検証してくれるものであると理解しました。

デモンストレーションの内容

最後に、SnowConvert AIのデモンストレーションも行われました。
SQLServerからSnowflakeへのマイグレーションというシナリオで、コード変換、AIによる検証、ターゲットのSnowflakeへのデプロイメントにいたるまで、まさにEnd to Endでマイグレーションが行われる、という鮮やかなデモンストレーションでした。

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所感・まとめ

今回のセッションで紹介されたSnowConvert AIは、Snowflakeへのデータ移行を間違いなく加速させるツールであると思いました。

個人的に注目したのは、やはりAIによるテストケースの自動生成と、SQL Serverの固定長文字型のような微妙なデータベース間の差異を吸収してくれる点です。これらは、移行プロジェクトにおいて非常に時間と手間がかかる部分であり、かつ見逃しがちな落とし穴でもあります。ここをAIがサポートしてくれるというのは、まさにAIの強みを活かした機能強化だなと思いました!

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