[2024年版]FinatextグループのPCの標準スペックを紹介します
皆さま、こんにちは。トリングことSEKIと申します。この記事はFinatextグループ Advent Calendar 2024の23日目の記事です!
昨日は @tieyaki さんが「保険金請求処理でのAIテック企業の紹介」という記事を公開しています。
最初に - このエントリは?
本エントリでは情シス初心者向けに『[2024年版]FinatextグループのPCの標準スペックを紹介します』と題してFinatextの機種選定や端末交換のタイミングについて説明したいと思います。まずは、最新の「PC標準スペック一覧表」から紹介します。
PC標準スペック一覧表
上記がFinatext会社貸与PCの標準機リストになります。このリストを作成するまでの話をしていきます。
Mac/WinのPC端末交換のガイドラインを決めている
先ず最初にFinatextでは以下のガイドラインを定め、定期的な端末リプレイスの案内をしています。
- 2年までは原則として交換はしない
- 2年~4年は本人が強く必要だと思えば交換可能
- 4年経過したら原則としては交換 (本人の意思で交換しない場合には故障時に即時交換できないリスクを受け入れるものとする)
実際の所、リプレイス状況をいうと、エンジニアの方々からは大体2〜3年使用したタイミングで交換依頼を受ける事が多いです。
現場へのアンケートも実施した
2024年の場合は、M4 MacBook Proの発表&発売した時点で「メモリ or CPUのどちらを重視したいか?」のアンケートを取りました。
上記の通り、CPUよりもメモリを多く搭載して欲しいと言う事になり、エンジニア向けのMacについてはCPUのコア数より大容量メモリ(48GB)を搭載しているMacBook Proを標準モデルとして採用するに至りました。
実際のMacとWinの割合について
では実際にどれ位の端末が稼働しているかと言うと、約330台(2024年12月現在)の端末が稼働しており、MacとWinの割合は以下の通りで、Macの方が多いです。
Mac 191台 (58%)
Win 139台 (42%)
今回の標準機スペックを決めるにあたって行ったこと
ここまでの選定でチェックしたり、フラットに考えるためにしてみた事をまとめてみました。
[Mac]Apple公式のデバイス寿命から考えてみた
MacはAppleから公式にデバイス寿命が『4年』と定められています。逆算すると4年間、シッカリと実使用に耐えうるレベルについて考えました。
2. ユーザーによる使用をモデル化するために、模擬的な使用シナリオのもとで稼働する製品の消費電力を測定します。日々の使用パターンは各製品ごとに異なり、実際のユーザーとモデル化したユーザーの使用データを組み合わせています。評価においては、最初の所有者を基準にした使用年数について、macOSまたはtvOSを搭載したデバイスは4年、iOS、iPadOSまたはwatchOSを搭載したデバイスは3年とするモデルを採用しています。ほとんどのApple製品は耐用年数がこれよりも長く、多くの場合最初の所有者から別のユーザーに譲渡または転売されるか、Appleによって回収されます。製品のエネルギー使用量に関する詳しい情報については、Appleの製品環境報告書をご覧ください。
( 環境のためのAppleの取り組みに関する質問に詳しくお答えします より)
[Mac]macOSのインストール要件から考えてみた
2つ目としてmacOS Sequoiaを例にインストール可能な対応端末をまとめました。現行のMacは最大7年前の機種まで最新OSのインストールに対応しています。そこで考えたのは或る意味、購入後どんなに時間が経過しても7年で廃棄/処分すべきだという点でした。
- MacBook Pro
MacBook Pro(16-inch, 2024)
MacBook Pro(14-inch, 2024)
MacBook Pro(16インチ, 2023)
MacBook Pro(16インチ, 2023)
MacBook Pro (13-inch, M2, 2022)
MacBook Pro (16-inch, 2021)
MacBook Pro (14-inch, 2021)
MacBook Pro (13-inch, M1, 2020)
MacBook Pro(13インチ, 2020, Thunderbolt 3ポート x 2)
MacBook Pro(13インチ, 2020, Thunderbolt 3ポート x 4)
MacBook Pro (16-inch, 2019)
MacBook Pro (13-inch, 2019, Two Thunderbolt 3 ports)
MacBook Pro (15-inch, 2019)
MacBook Pro(13インチ, 2019, Thunderbolt 3ポート x 4)
MacBook Pro (15-inch, 2018)
MacBook Pro (13-inch, 2018, Four Thunderbolt 3 ports)
- MacBook Air
MacBook Air (15-inch, M3, 2024)
MacBook Air (13-inch, M3, 2024)
MacBook Air (15-inch, M2, 2023)
MacBook Air (M2, 2022)
MacBook Air (M1, 2020)
MacBook Air (Retina, 13-inch, 2020)
- iMac
iMac(24-inch, 2024, Four ports)
iMac(24-inch, 2024, Two ports)
iMac(24-inch, 2023, Four ports)
iMac(24-inch, 2023, Two ports)
iMac (24-inch, M1, 2021)
iMac (Retina 5K, 27-inch, 2020)
iMac (Retina 5K, 27-inch, 2019)
iMac (Retina 4K, 21.5-inch, 2019)
- iMac Pro
iMac Pro (2017)
- Mac mini
Mac mini(2024)
Mac mini (2023)
Mac mini (M1, 2020)
Mac mini (2018)
- Mac Studio
Mac Studio (2023)
Mac Studio (2022)
- Mac Pro
Mac Pro (2023)
Mac Pro (2019)
( macOS Sequoiaに対応しているコンピュータより)
上述のデバイス寿命とインストール要件を踏まえると、おおよそのリプレイス時期を決められますので、リプレイスするまでの期間、快適に使えるモデルを選定していくことになります。「長く使うことになるから最上位モデルを選択しよう」とはなりません。
[Mac]歴代の標準構成からも俯瞰して見てみた
3つ目は標準構成選択時に初期値として設定されているCPU/メモリ/ストレージの変遷を見てました。実際に下記の2つのまとめは「最小構成に変化が有ったか?無かったか?」をチェックするために作成しました。
MacBook Pro歴代モデルのプロセッサ・コア数まとめ
リリース年 | プロセッサ(13インチ) | コア数 | プロセッサ(15/16インチ) | コア数 | プロセッサ(14/16インチ) | コア数 |
---|---|---|---|---|---|---|
2024年11月 | - | - | - | - | Apple Silicon M4 | 10/10 |
Apple Silicon M4 Pro | 12/16・14/20 | |||||
Apple Silicon M4 Max | 14/32・16/40 | |||||
2023年11月 | - | - | - | - | Apple Silicon M3 | 8/10・12/18 |
Apple Silicon M3 Pro | 11/14・12/18 | |||||
Apple Silicon M3 Max | 14/30・16/40 | |||||
2023年2月 | - | - | - | - | Apple Silicon M2 Pro | 10/12 |
Apple Silicon M2 Max | ||||||
2022年 | Apple Silicon M2 | 8 | - | - | - | - |
2021年10月 | - | - | - | - | Apple Silicon M1 Pro | 8/10 |
Apple Silicon M1 Max | ||||||
2020年11月 | Apple Silicon M1 | 8 | - | - | - | - |
2020年5月 | Core i5-1038NG7 | 4 | - | - | - | - |
Core i5-8257U | ||||||
Core i7-1068NG7 | ||||||
2019年 | Core i5-8257U | 4 | Core i7-9750H | 6/8 | - | - |
Core i5-8279U | Core i9-9880H | |||||
Core i7-8557U | Core i9-9980HK | |||||
Core i7-8569U | ||||||
2018年 | Core i5-8259U | 4 | Core i7-8750H | 6 | - | - |
Core i7-8559U | Core i7-8850H | |||||
Core i9-8950HK | ||||||
2017年 | Core i5-7267U | 2 | Core i7-7700HQ | 4 | - | - |
Core i5-7360U | Core i7-7820HQ | |||||
Core i7-7567U | Core i7-7920HQ | |||||
2016年 | Core i5-6267U | 2 | Core i7-6700HQ | 4 | - | - |
Core i5-6287U | Core i7-6820HQ | |||||
Core i5-6360U | Core i7-6920HQ | |||||
Core i7-6567U | ||||||
Core i7-6660U | ||||||
2015年 | Core i5-5257U | 2 | Core i7-4770HQ | 4 | - | - |
Core i5-5287U | Core i7-4870HQ | |||||
Core i7-5557U | Core i7-4980HQ |
MacBook Pro歴代モデルのメモリ・ストレージ容量まとめ
リリース年 | メモリ(13インチ) | ストレージ容量 | メモリ(15/16インチ) | ストレージ容量 | メモリ(14/16インチ) | ストレージ容量 |
---|---|---|---|---|---|---|
2024年11月 | - | - | - | - | 16GB・24GB・36GB・48GB | 512GB・1TB |
2023年11月 | - | - | - | - | 8GB・18GB・36GB・48GB | 512GB・1TB |
2023年2月 | - | - | - | - | 16GB・32GB | 512GB・1TB |
2022年 | 8GB | 256GB・512GB | - | - | - | - |
2021年10月 | - | - | - | - | 16GB・32GB | 512GB・1TB |
2020年11月 | 8GB | 256GB・512GB | - | - | - | - |
2020年5月 | 8GB | 256GB・512GB | - | - | - | - |
2019年 | 8GB | 128GB・256GB・512GB | 16GB | 256GB・512GB・1TB | - | - |
2018年 | 8GB | 256GB・512GB | 16GB | 256GB・512GB | - | - |
2017年 | 8GB | 128GB・256GB・512GB | 16GB | 256GB・512GB | - | - |
2016年 | 8GB | 256GB・512GB | 16GB | 256GB・512GB | - | - |
2015年 | 8GB・16GB | 128GB・256GB | 16GB | 256GB・512GB・1TB | - | - |
一覧表を見ていく事で、まず下限スペックを決められます。そして下位から上位までの全ラインナップの中から価格と性能を考え、自社に最適なモデルを選んでいきました。
[Win]Let's noteの買い替え時期も参考にしました
Windows PCの中でも愛用年数が長いことで知られるLet's noteの買い替え時期も参考にしました。最新のアンケート結果では平均6.04年との事。裏を返すと、何の申し出も無いまま6年間使い続けるユーザーも居るかも知れないと言う点について留意するキッカケになりました。
「壊れるまで使おう」ではなく「定期的なPC交換」を促すには、どう説明すれば良いか?考えるキッカケにもなっています。
最後に
改めて自分が意識している点としては
- コストと性能のバランスを考えつつ、下限を突き詰める
- その下限のワンランク上のモデルをスタンダートモデルとして仮決定する
- 本当に社員が快適に働ける?生産性が向上するか?トコトン考え抜く
の3点になります。
自分が所属するPlatformTeamでは、正社員の入社初日に、新品のMac/Winを箱から開けて貰う所から案内しています。入社1日目から「社員としての最高のエクスペリエンスを味わって貰いたい」を追求しています。
エンジニアにとって最高に働きやすい環境で有る事は、全社員にとって働きやすい環境で有ると信じこれからも、事業をドライブさせる一助となるべく取り組んで行きます。
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