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日本発の「SE4BS」とは?アジャイル開発との違いは?

2023/02/02に公開

はじめに

こんにちは、エビリーで新規プロダクトを担当している青木と申します。
私たちの会社では、動画をコアにした、クラウド型動画配信サービス『millvi(ミルビィ)』、YouTube データ分析ツール『kamui tracker(カムイトラッカー)』などのサービスを展開しています。
https://zenn.dev/eviry/articles/1df8d295b50a6d

今年の 1 月に会社の新しいミッション・ビジョンを更新しました。それに伴い、開発組織のミッション・ビジョンについても改めて検討しています。今回は、ベンチャー企業の開発組織の文化形成、エンジニア育成を考えていくために、「SE4BS」のセミナーに参加し勉強した内容をまとめた記事です。

”日本のソフト開発者は、超優秀で何でもできるのに、ビジネス価値やお客様価値の追求や勉強と実践にもう少しエネルギーを注げば、開発者の価値も上がり「お客様の幸福=開発者の幸福」につながる”

「SE4BS」はエンジニアの価値に重点を置いているマインドセット(考え方、フレームワーク、プロセス)です。ご興味ある方は一読お願いします。

SE4BS とは

SE4BS(Software Engineering for Business and Society)とは、IT 業界でアジャイル開発やオブジェクト指向などで活躍されているメンバー(企業・大学)が中心となり開発した価値駆動開発の「マイドセット」です。IT 業界で数十年に渡り活躍されたメンバーの思い、これからの時代のエンジニアに対する期待が込められた内容になっています。

■ 昔のエンジニアに求められること
工学的な知見を入れて、ソフトウェアを品質よく、保守拡張性高いものに作り上げること。
■ 今のエンジニアに求められること
「世の中に役立つソフトウェア」作りの重要性が増してきた。従来のソフト開発に加え、価値を創造すること。

昔と今の違いは、エンジニアに価値を創造する能力が求められており、ソフトウェア工学に加え、感情、意思のバランスを備えた「ビジネスと社会のためのソフトウェア工学」を目指しています。

価値駆動を実現する 3 つ「知・情・意」の視点

出典:SE4BS SE4BS価値起動開発プロセスの全体像(2022.7時点)
出典:SE4BS 価値起動開発プロセスの全体像(https://se4bs.com/sites/foundation/)

「知」は従来からあるソフトウェア工学で設計・開発・テストなどの知識(スキル)です。「情・意」は感性領域を取り入れた視点です。「情」は他人視点で、人が感じる「価値」「魅力」。「意」は自分視点でエンジニア一人一人の意思。この 3 つの「知・情・意」を相互作用させながら価値駆動の開発を推進するためのプロセス、考え方、フレームワークが纏められています。

昔のエンジニアのように「仕様は企画部署から降りてくるもの」という立ち位置で「知」「情」で開発を進めるのでなく、「仕様は、ソフトウェアエンジニア(開発部署)も価値駆動で考え、開発のアクティビティで意識するもの」へ変化させることが重要であると定義しています。

「意」を訓練すれば、「情」を操れる。「意」がなければ、「情」に流され、言われた仕様しか開発できないエンジニアになる。価値駆動を身に着ける為には、「知・情・意」を日頃から意識して開発に取り組み、3 つの要素のバランスを取ることが重要になります。

SE4BS 宣言

SE4BS には 3 つの原則があります。https://se4bs.com/sites/declaration
「原則 3)SE4BS のアジャイル活動」のアジャイルは、ウォーターフォールかアジャイルかという開発プロセスの話ではなく、検証を繰り返し回していくプロジェクトの進め方として捉えています。SE4BS にはスクラムのような決まったプロセス、フレームワークがあるわけではありません。

何故、今、SE4BS なのか?

10 年前では恐らく SE4BS の内容は響かなかったと思います。ソフトウェアの価値、働く環境(リモートでどこでも働ける)、AI の進歩、ノーコード ・ローコード。エンジニアを取り巻く環境が大きく変わっていく中でエンジニアは何をすれば良いのか?AI ・ IT が益々進化する中で、社会とソフトウェアをブリッジする役割として価値創造できるエンジニアが必要であり、新しい時代に向けたソフトウェア工学のアップデートが考察されてきたようです。

まとめ

SE4BS の活動を推進しているメンバーの思い(日本のエンジニアリングを成長させたい)が伝わる内容で、エンジニア組織の育成・成長という視点で非常に勉強になりました。SE4BS はマインドセットなので決まったフレームワークがある訳ではありません。実践できるところから取り込み、個人、チーム、会社、それぞれの視点で「意」を共有し、「知・情・意」のバランスをとりながら価値駆動が実践できる組織を作っていきたいと思います。

尚、エビリーでは一緒に価値駆動で働くエンジニアを募集しています。お気軽にご連絡ください。
https://recruit.eviry.com/

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