ゆるいエンジニアリングコミュニティ運営完全に理解した
ゆるいエンジニアリングコミュニティ、運営してます
こんにちは!エンジニアリングコミュニティ「Easy Easy」の運営メンバーで広報を担当している@unsoluble_sugarです。
最近Qiitaでご紹介いただいた記事[1]が少し話題になったこともあり、これまでの活動や運営の裏側について改めてご紹介したいと思い、筆を執ることにしました。
いかにして、このゆるいエンジニアリングコミュニティは運営されているのか?一運営メンバーの視点からお届けます。
Easy Easyとは
本コミュニティは、いわゆる「ITエンジニアが集って勉強会する系」のやつでして、毎月最終週の火曜日にイベントを定期開催しています。
Easy Easy はエンジニアリングを愛する全ての人の為のコミュニティです!
最新技術も大事ですが、このコミュニティでは「みんな知っていることが前提になっている技術」について再度基礎を学ぶことをしていくことを目的としています。
Easy Easy – connpass
コミュニティの対象者は以下のような人たちです。
- 「完全に理解した」という人
- 「なるほど、わからん」という人
- 「チョットワカル」な人
ここで指す「完全に理解した[2]」は、おなじみダニング・クルーガー効果曲線のアレです。
connpassのコミュニティメンバー数[3]は、1,000人を超える規模となっております。
なぜこんなにも増えたのか、何もわからない。
運営メンバー
運営はコミュニティ発足当初から現在まで、僕を含めた3名のメンバーのみで回しています。
- 企画:@dach
- 広報:@unsoluble_sugar
- 配信:@mainyaa
発足時は同じ職場のエンジニアとして働いていましたが、実は一度も一緒のプロジェクトで仕事したことはありません。
それぞれ別のセクションに在籍しており、Slack上でdachさん、mainyaさんが「社外の人も含めた勉強会やりませんか?」みたいな話をしているのを見かけ「面白そうですね!一緒にやりましょう!」といった流れで僕も混ぜていただいた経緯だったと記憶しています。
関係各所に確認をとりながら、オフィスの場所確保やわちゃわちゃ当日の準備を進め、なんとか初回を乗り切った時の達成感は忘れられませんね。
運営スタイル
本勉強会は初回のみリアル開催[4]、以後はすべてオンラインで完結。イベント当日の様子をYouTubeにて配信するというスタイルを2020年から続けています。
これは第2回の開催タイミングから、新型コロナウイルスの影響により職場でリモートワークが推奨される形となり、リアル開催での実施が難しくなったという背景があります。
半強制的にリモート開催になったこともあり、当初はトラブルに見舞われることも多々ありましたが、配信担当のmainyaさんが現在のオンライン勉強会スタイルの基盤を整えてくれました。
そういえば運営メンバー3名が直接顔を合わせたのは、勉強会初回のリアル開催時が最後だったかもしれません。職場のフロアは異なりましたし、リモート会議ではエンジニアの皆さんカメラオフ&アイコン表示で喋るのが普通だったので、ある意味いまと何も変わってないですね。
本勉強会で主に使用しているツール
オンライン勉強会で使用しているツールとしては、主に以下のようなものが挙げられます。
- Slack:チャットツール(運営メンバー、コミュニティのやりとり)
- connpass:イベント支援プラットフォーム
- X:ハッシュタグによるイベント告知、勉強会中のツイート
- Discord:勉強会当日、運営・登壇者用のコミュニケーションツール
- Youtube Live:ライブ配信プラットフォーム
- OBS Studio:ライブ配信用ソフト
- Slido:登壇中の質問投稿、質疑応答コーナーで回答
定期的に新しいツール導入にもチャレンジしています。リモート適正のあるエンジニアだからこそ、これらのツールも違和感なく使いこなせてる気がしますね。
オンライン勉強会の大まかな流れ
順番が前後したり使用ツールは変わったりするものの、大まかに以下の形で進行しています。
- SlackやDiscordで企画相談、登壇者募集など
- connpassでイベントページ公開&外部告知
- イベント当日は運営・登壇者はDiscordに集合
- 簡単な挨拶、音声やスライド表示確認
- OBS経由でYouTube Live配信
- LT登壇発表
- アフタートークで質疑応答や情報交換
- クロージング
- YouTubeチャンネルにアーカイブ動画公開
- connpassに登壇資料集約
毎月この流れを繰り返し、4年以上継続できているといった状況です。
開催周期として「毎月最終週に開催」という前提があるので、ルーティンが回しやすく、各タスクもテンプレに落とし込みやすいんですよね。
テーマを絞らないという選択
第4回までは「Web技術」に特化したテーマで勉強会を企画しており、初回は登壇の敷居を下げる意味も込め、僕はWeb APIの基本的な仕組みをサクッと紹介するようなLTをしました。「今でもこれくらいのレベル感で全然OKですよ!」と念押しのため、当時のスライドを貼っておきます。
とはいえ自分たちの周囲のみでLT登壇していただける方を集めるのは思った以上に難しく、具体的に話せるネタを絞り出すのにも苦労していました。
そのため、第5回から「Web技術」の枠を超え「言語」や「エンジニアリング」に関することなら何でもOKというスタイルをとることにしました。
みんなが知っている「筈」のWeb技術 / 〇〇言語 / エンジニアリングに関することのLT大会です!
・HTTP
・REST
・サーバー
・設計
・Golang
・C言語
・Android
・Javascript
・etc...
「Webに関連する技術」または「言語」、「エンジニアリング」のことならなんでもOKです!
あなたの知ってる知識を存分に語りましょう!
これにより一気に枠組が広がり、現在の「テーマを絞らない」勉強会の原型が確立されました。Qiitaで本コミュニティの紹介記事を書いてくださった@segavvyさんも、この回で初めて登壇いただきました。
余談ですが、segavvyさんは僕がエンジニアの道を志して新卒入社した会社の上司でして、理想とするエンジニアの大先輩でもあります。
本コミュニティの活動も見守っていただき、本当に感謝しています。これまでの活動をまとめた記事を書いていただいたというお知らせを受けた時は、普通に泣きました。
いまもなお学び続ける姿勢、感服いたします。僕が尊敬してやまないエンジニアのひとりです。
完璧を目指さない ≒ ゆるさ
テーマの間口を広げた上でも、人を集めるのに苦労するのがイベント運営の難しいところです。身近なエンジニアに声掛けをするも登壇者が集まらず…運営メンバーだけでLTを回しても時間が余ってしまうケースが出てきました。
そんななか生まれたのが「チャレンジコーナー」です。運営メンバーが気になっている技術について深掘ったり、ワークショップやライブコーディングに挑むというコーナーです(別名:闇のゲーム)。
限られた時間でDFDを完全に理解してモブプロするなど、結構無茶なチャレンジもしています。
チャレンジコーナーがある回は、いつ見返してもカオスですね…配信対応もバタバタしており、運営がもがき苦しんでいる様子が伝わってくるかなとw
ちょっとした成功体験に喜びを感じ、失敗しても学びを得て次に生かしていく。これこそがエンジニアリングの本質だと思っています。
無茶なことでもまずやってみる精神といいますか「チャレンジすることに意義がある」と理解してもらえると、運営メンバーとしては嬉しいですね。
このあたりに「ゆるさ」を感じ、ファンになっていただける方も一定数居るようです。僕の性格的にも「不確実性を楽しむ」という要素が強いため、言動の節々からその空気が漏れ出ていることによる影響も微レ存です。
チャレンジし続ける姿勢
dachさん発案で、高校数学を完全に理解するイベントも別枠で開催したりもしてました。こちらは残念ながらアーカイブ動画が残されていないものの、実施された4回とも30名前後の参加者が集まっており、本コミュニティの中では人気のコンテンツだったと言えるでしょう。
2020年の終わりにはアドベントカレンダーを企画、実施しました。ほとんどメンバーが増えていないQiita Organizationもこのタイミングで作られてますね。
最終的にはほぼすべての枠が埋まり、無事に成功を収めました。
普段のLT登壇募集もそうなんですが、自分がこれまで一緒に仕事をしてきたエンジニアの方々に声掛けしまくるなど、わりと地道な草の根活動してます。
表面的にはゆるさを見せつつ、裏ではコミュニティ活動を絶やさないための努力をすることも、運営を継続させるための秘訣と言えるかもしれません。
例えば配信担当のmainyaさんが、イベント開始直前でNeWork(当時使用していたオンラインワークスペース)に入れず配信ができないといったトラブルに見舞われたことがありました。その時はバックアップ要因として、急遽僕が即席で配信環境を整えて何とか開催を維持できました。
これは事前に配信担当属人化の懸念を察知して、プライベートでOBS Studioを触っていたことが功を奏した結果です。まさに「完全に理解した」状態で配信していたので、僕の音声だけクソデカボイスになっているなどの不備はありましたが、勢いで乗り切るのも大事だと思います。
何事も挑戦、という実例です。
ゆるいエンジニアリングコミュニティはいいぞ
色々書き始めると話したい内容が無限に出てきて収拾がつかなくなってしまったので、このあたりで切り上げたいと思います。
これまでご紹介してきたとおり、自分の仕事では直接関わることのない分野の技術に関しても、とっかかりの情報をキャッチアップできる仕組みが整ってきたのが本コミュニティの現状です。
個人的にも毎回「知らなかった!」「勉強になった!」という学びのある体験をさせていただき、大変ありがたいコミュニティになってきたという印象です。
「完全に理解した」状態をポジティブに捉え、初学者の方でも気軽に情報収集&発信ができる場のひとつとして、今後も様々なエンジニアの方々との出会いを楽しみにしています。
アドベントカレンダー企画など開催する年もありますので「何か新しいことにチャレンジしてみたい!」という方は、ぜひこのような機会もお見逃しなく。
コミュニティメンバーも随時募集しています。LT登壇含め、ご興味持っていただけたらお気軽にご参加ください!
ゆるいエンジニアリングコミュニティはいいぞ。
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