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「カスタマーサクセスとは何か 日本企業にこそ必要な『これからの顧客との付き合い方』」を読んで、ソフトウェア開発に活きると思ったヒントの要点
カスタマーサクセスとは何か――日本企業にこそ必要な「これからの顧客との付き合い方」 | 弘子 ラザヴィ |本 | 通販 | Amazon
表題のメモです。
感想
- とはいえ「所有」が嬉しい、所有したいってあるじゃん。どう答えたら良いんだろう、になんとなく答えが見つかるかも知れない本。
- 「所有が嬉しい」とはすなわち所有がゴールになっているのだと思う。そういう場合はためらわず所有することを認めて良いのだと思う。
- 一方で、利用者の成長や、境遇の変化、心境の変化などにも柔軟なのがサブスク型やSaaS。それは利用者の成長や、境遇の変化、心境の変化に提供者も付き合っていくということ。なるほど開発者も同じマインドで、ユーザーの変化を意識して付き合っていけるようにしないといけないのだなあなど。
- 社内において部署間をまたいでの輪読会が行われていて非常に興味があったものの積ん読になっていた。なんとなくまずは要点を理解できてよかったです。
要点
日本企業にこそカスタマーサクセスが必須である理由
社内の輪読会の教科書である。
- CCOとしてオフライン店舗とオンライン店舗(EC)とをリンクさせることでカスタマージャーニー全体を最適化し、シームレスなカスタマー体験を提供すること、それによる新規顧客の獲得とECの売上拡大に責任をもつ。
- 米国でカスタマーサクセスという言葉の認知が広まり始めたのは2012年。
- ベンチャーキャピタリスト(以下「VC」)が投資先の創業者や経営者へ「カスタマーサクセスをしっかり実行すべし」と強力に指導し始めた。
- 日本企業のよくある反応は、「米国の事情は分かった。しかし日本は米国の真似をする必要があるのか?」。
- 「うちはSaaS事業でもサブスクリプションモデルでもないから関係なさそうだ」と誤解する方もいる。
- なぜそうした反応や誤解が生まれるのだろうか。
- 世界のクラウド市場における日本企業のシェアが5%未満にすぎないからといって無関心でいてはいけない。はっきり言おう。カスタマーサクセスはクラウド事業かどうかにかかわらず、デジタル時代を生き抜くあらゆる企業にとって必須だ。
- アマゾンにとって利用者が「アマゾンなしでは生活できない!」と思うほど無くてはならない存在になること、それが究極の目的。
- カスタマーオブセッション
- 利用者がそれなしでは生きていけない域にまでなること
- 例がデジタル時代に強い競争力を持つ事業である真の理由は、課金制度がサブスクリプションモデルかどうかではない。
- 真の理由は、リテンションモデル(カスタマーを虜にするモデル)
- 【基礎編】リテンションとは?カスタマーサクセスにおける重要性について解説 https://growwwing.jp/growwwth_note/customer_success_basic/a23
- 売った後にプロダクトの価値や収益構造を変え続けることのできる生き物のようなモデル
- 売り切りでは、売った瞬間プロダクトの価値が固定化される。供給者は一つの収支モデルでコスト回収するよう事業計画をたてる。
- リテンションでは、売った後もずっとプロダクトの価値が最新・最適化され続ける。
- ハードとしての「モノづくり」が不要になったこと、加えてソフトとしての「モノづくり」コストが劇的に安くなったこと。
- 結果、供給者にとって従来必要だった「How(モノをどうつくり・どう供給するか)」を考え実行するための多額の予算や専門スキルをもつ人材などのリソースがほぼ不要になった。
- モノの所有→成果志向へ
- 利用成果中心の価値観へ
- いつでもやめられる
- いつでも最新
- 利用者は利用者自身のデータを引き渡せる。
- 見知らぬ人と繋がってコミュニティができる。
- データ侵略、継続的働きかけの日常化
- 利用者は、より優れたプロダクトが登場して自分の生活や仕事環境が改善することへの期待感から自分の詳細データ(取引履歴・行動履歴など)を供給者がもつことを許す。供給者からすると、カスタマーから詳細データをもらい続けるには、常に将来を期待される存在であり続けなければならない。
- 一つ一つが影響し合うことで押し返せない大波が複数生まれ加速することから、リテンションモデルへのシフトが起きる
- 電車に乗る時「JRで行く」とは言うが、「(車体メーカー)日立製作所で行く」とは言わない。「ウーバーで来た」とは言うが、「(ウーバー運転手の車)ベンツで来た」とは言わない
- ソフトウェアの制御で車の機能が常に最新状態に更新・最適化され続ける
- モノ売り切りモデルの勝者ほどその事実を心理的に受け入れ難い。
- 理由はシンプルだ。 勝者のマインドセット、自己否定への拒否感
カスタマーサクセスとは…
サザエさんにでてくる三河屋の三平さん、分かりますか?彼がしていたことの現代版ですよ
- まじか
- カスタマーサクセスは「御用聞き」でも「ルート営業」でもない。しかしその本質には共通点がある。その共通点と相違点はカスタマーサクセスの本質に関わる、誤解してほしくない重要なポイント。
- カスタマーサクセスは「農耕(ファーミング)」であって「狩猟(ハンティング) 」ではない。
- 買ってくれたという事実と具体的な人格や利用歴が存在する「うちのプロダクトを使っている××さん」であり、使い続けてほしい人という想いを込めて使う。
- カスタマーを虜(ファン)にし、「この素晴らしさを広めたい!」という理屈を超えた愛着感情に基づく行動(口コミや紹介など)を引き出す。
- 成功 = カスタマーの事業へ実際にもたらされた成果・業績(生活者の場合は「生活上の成果」)
- 「成功」はプロダクトが利用し尽くされているという事実でも、プロダクトがもたらす直接的な結果でもない。
- 「成功」はカスタマーの事業が成長する(ないし生活がより良くなる)ことに直結する現実の成果。
- 成功を届けられない相手には売らない覚悟と仕組みをもつ。
- なるほど採用活動と共通している。合わない人を採用しない。
- むしろ入ってからが大事で、オンボーディングで「ワオ!」を素早く届ける。
- 確かに会社なんて一生居るものじゃなくて乗り換えていいと考えたらいい。
- この考え方のほうがしっくりくる。
- プロダクトチームとサクセスチームがベタベタに連携することが非常に重要。
- ラウンドテーブル
- ワンオンワン
- サポート責任
- 仏作って魂入れずにならないようカスタマーサクセスは特定の部門やチームだけではなく企業全体が実行することで成功するという価値観が組織の全員に心底浸透していることが重要。
- テクノロジー「以外」もメルカリの大切なプロダクト価値
- メルカリに「カスタマーサクセス」という名の部門は存在しない。それでもこうした優れたプロダクトが開発され価値を上げ続けているのは、カスタマーセントリックな企業文化、即ちカスタマーサクセスは特定の部門だけではなく組織全体が実行することという価値観が浸透しているため
- メルカリは、テクノロジーだけでなく、配送というリアルな部分もプロダクトとして強化する必要があると考える。
- なるほどわかる
- カスタマーサクセスとは#3-2-3|Nakano Yasuaki|note
他 参考記事
次に読むなら: SaaS時代に必須の本『The Model(ザ・モデル)』とは?
以上です~
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