Check! 技術ブログが読みやすくなる?よく出てくる表現~GitHub changelogを添えて
Prologue
こんにちは、@dz_ こと、大平かづみです。
この記事は、Infocom Advent Calendar 2024の16日目の記事です。
技術に関するドキュメントやブログ記事を読むとき、英語で読んでいますか?最近では、日本語訳がすぐ提供されたり、翻訳機能を使ったり、翻訳どころかLLMを利用すれば要約した状態で情報を得られるようにもなりました。とはいえ、やはり、いち早く原文で読みたいですよね!(英語でない原文は割愛します)
私は特に英語が得意というわけではないので、修行のため英語のまま読む練習をしています。GitHub Changelogの週刊キャッチアップ(育児で停滞中…)もその一環です。
技術ブログを対象に絞ると、機能や設定の紹介が大半を占めており、同じような言い回しがよく出てきます。その中で、複雑な語順を考えず機械的に訳しても問題ないパターンがあり、それに気づいてから楽になりました。自分の中では割と革命だったので共有します!
(近年英語の教え方が進歩していて、わざわざ記事にするほどでもない内容だと思ったら、こっそり教えてください…!)
文章に続く ~ing は、英語の語順のまま訳せるパターン
文章に続く ~ing は、英語の語順のまま訳せる ことが多いです。
長い文章は複数の文で構成されていることが多く、どの文がどれにかかって、順番がこうで…と、文法に従い律儀に訳してると大変です。ここで共有するパターンは、特によく出てくるので、覚えておくと役立つと思います。
例えば、次の文章を見てみてください。 ~ing が複数登場する長い文章です。
we’ve continued to improve the experience based on your feedback, including closing an issue as a duplicate, a REST API for sub-issues, and expanding the limits for both sub-issues and issue types.
高校で習ったような文法に従うと、この長い一文を訳すために後ろまで読んでから ~ing がかかる前方まで戻って訳さないとなりません。この場合は、 including 、 expanding が experience にかかり、次のような訳になるでしょう。(おそらく… もしくは your feedback にかかってるかも…?)
「issueを重複としてクローズすることやsub-issuesに対するREST APIを含み、sub-issuesやissueの種類の両方の限界を拡張する、あなた方のフィードバックに基づき、私たちは体験を改善し続けています。」
でも、この including 、 expanding は英語の語順のまま訳しても違和感がないのです。次の訳は、原文とほぼ同じ構成で、 ~ing ごとに文章にしました。意味はそれほど変わりませんが、わかりやすくなってませんか?
「私たちはあなた方のフィードバックに基づき体験を改善し続けており、issueを重複としてクローズすることやsub-issuesに対するREST APIを含み、sub-issuesやissueの種類の両方の限界を拡張します。」
たったこれだけ?と思うかもしれませんが、英語が得意でない身にとってはこれだけでも大発見です。このパターンが出てきたら思い出してみてください!
余談: ingは他にもいろいろな用法がある
ちなみに、元の文章はさらに文頭にも ~ing が含まれていてややこしいです。でも、文頭の Following は慣用句のようなもので「~に続いて」と覚えておくと惑わされません。また、Evolving はクオートで囲まれてるので独立しており、動名詞として訳せますね。
Following our “Evolving GitHub Issues” announcement we’ve continued to improve the experience based on your feedback, including closing an issue as a duplicate, a REST API for sub-issues, and expanding the limits for both sub-issues and issue types.
「私たちの「GitHub Issuesを進化させること」というお知らせに続き、私たちはあなた方のフィードバックに基づき体験を改善し続けており、issueを重複としてクローズすることやsub-issuesに対するREST APIを含み、sub-issuesやissueの種類の両方の限界を拡張します。」
他によく出てくるパターン
また、次のような表現もよく出てきます。これらは律儀に訳すと固い文章になりますが、なんか便利になるって言ってる文だ、と感覚で流し読みできるようになります。
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This makes it easer than A to ~ = (前の文章を指し)これにより、Aより~しやすくなる
- 例: This makes it easier than ever to prevent new vulnerabilities from being introduced into a code base. (参考: Copilot Chat in GitHub.com now can search across GitHub entities - GitHub Changelog)
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This helps 人 (to)~ = これは、人が~するのに役立つ(助けるの方が直感的だけど、技術の文脈だと役立つの方が似合う)
- 例: This change helps Copilot retrieve more information when executing skills to provide contextually relevant responses. (参考: Copilot Chat now has a 64k context window with OpenAI GPT-4o - GitHub Changelog)
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This enables 人 to ~ = (前の文章を指し)これにより、人が~できるようになる
- 例: This also enables you to roll out configurations, organization by organization. (参考: Code security configurations now available at the enterprise level - GitHub Changelog)
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This allows 人 to ~ = (前の文章を指し)これにより、人が~できるようになる(allows は許す、許可するの意だが、できるようになると訳しても伝わることも多い)
- 例: This allows audit logs to written to any endpoint capable of accepting an HTTP post and meets our requirements for streaming GitHub audit logs. (参考: Programmatic audit log configuration and multi-endpoint streaming - GitHub Changelog)
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To ~, = ~するには、
- 例: To gain access for your organization, please sign up here. (参考: GitHub Issues & Projects – Close issue as a duplicate, REST API for sub-issues, and more! - GitHub Changelog)
※人の部分は、物も対象です。技術の文脈では、サービスや機能が指されることも多いです。
おまけ: ぱっとわかりにくい単語編
おまけで、いつも訳を忘れる単語も載せてみます。 streamline は、 stream に空目して、とんちんかんな訳になることがあります。
- streamline = 合理化する
- comprehensive = 総合的に
- ongoing = 進行中の
この単語もよく出てくるけどさすがに覚えた、ヴぉるなびりてぃーず(う゛はひらがなでは存在しないんですね!(余談すぎる))
- vulnerabilities = 脆弱性
Epilogue
書いていて、こんな内容は誰の得にもならないかもしれないと思いましたが、英語が苦手な方がこの程度でもいいなら自分も読めるぞ、読んでみるかと背中を押せたらうれしいです。
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