新卒2年目 リーダーへの挑戦
このエントリーは、Akatsuki Advent Calendar 2022の15日目の記事です。
昨日はゆのんさんの Engineering Managerを廃止して1年経ちました でした。
エンジニアリング組織に焦点を当てた素晴らしい記事ですので、ぜひご一読ください!
✏️ はじめに
さて、こんにちは。はじめまして。
新卒2年目、エンジニアの軍曹です。
私は普段、業務でゲームのクライアントサイドの開発を担当しています。
そしてまた、チームのクライアントエンジニア5〜7名を代表する、リーダーでもあります。
今日はそんな、エンジニア組織での「リーダー」に関するお話をしていこうと思います。
✏️ この記事のテーマ
「新卒2年目でリーダーになる」というのは、私にとって挑戦でした。そしてそのプロセスにはたくさんの学びと、同時にたくさんの悩みがありました。そうした悩みを解決し、挑戦への刺激をくれたのは、チームの先輩たちの言葉や書籍といった、偉大な先人たちの残してくれた知見の数々でした。
そこでこの記事では、先人たちにならい、私がリーダーに至るまでの過程とその悩みを、ログとして残そうと思います。この記事が、誰かの悩みを解決したり、誰かのチャレンジにつながったりすれば嬉しいです。
✏️ リーダーへのきっかけ
ある日の話です。チームのリーダーをリードしている全体リーダー(ややこしくてごめんさない🙇♂️)が私にこう問いかけました。
「軍曹さんは、リーダーに興味ありますか?」
これに対し、私は「もちろんです!」と即答しました。今思えば、これが私のリーダーへの第一歩でした。ちょうど私が今のチームにJOINしてから半年後、その全体リーダーから私へ相談が持ちかけられます。
「軍曹さんに、あるチームのリーダーを任せたいです。」
「これからはしばらく、リーダー見習いとして修行してほしいです。」
かくして私はリーダー見習いとなりました。この抜擢の背景には当然、人事的要因や(ポストが空いたとか)時間的な要因(十分な信頼関係を気付けたとか)が大いにあったわけですが。。。
ただ、今この頃を振り返るにあたり、以下の2つのポイントは一般化できると思ったので、皆さんに共有しようと思います。
💡 リーダーへ挑戦できたのは、チームの文化が土台にあったから
前提として、私がリーダーに挑戦できたのは、チームのメンバー・そして文化に恵まれていたからだと思っています。私たちのチーム・ひいてはアカツキゲームスでは、「挑戦し、学習する」ことをコアバリューとしています。こうした文化的背景から、私自身が「リーダーへ挑戦したい!」と、ある種軽い気持ちで表明できましたし、全体リーダーも私の挑戦を後押ししてくれたのだと思います。「文化は挑戦の土台」というのが私の所感です。
💡 エンジニア組織で、リーダーは常に求められている
私がリーダーに挑戦できた背景として、そもそもエンジニア組織で、リーダーは常に求められているのでは?というのが私の所感です。私たちのチームの文化的背景にある書籍『Team Geek』でも、まえがきで以下のように言及されています。
リーダーはすべてのエンジニアに要求される役割である。(中略)どのようなエンジニアであっても、オーナーシップを持って、製品開発をリードすることが求められる。
メンバー全員がリーダーシップを持ったチームは最高だと思います。これは『SCRUMMASTER THE BOOK』でも推奨されているリーダーシップのスタイルですね。
きっと私がリーダーに抜擢されたのも、リーダーシップを発揮できる人をどんどん増やしたいという全体リーダーの意図があったのだと思います。もし文化が整っているなら、挑戦したい人はその意志を発信することを私は推奨します。
✏️ リーダー修行期
リーダー見習いの期間は3ヶ月ほど続きます。その間は、リーダーの肩書きを持ったエンジニアが行う業務をどんどん学んでいきました。ここでは詳しく触れませんが、所謂「マネジメント」関連の業務が増えていきました。その中で私は以下のような悩みを抱えます。
💭 自分がリーダーでいいんだろうか...
これは常に悩んでいました。実を言うと、今でも不安になります。というのも、私たちのチームメンバーには業界歴の長いベテランの方が数多くいらっしゃいます。当然、その中で自分が1番コーディングスキルが高いとも思いません。そうした背景から「こんな若手が、ベテランのマネジメントをしてもいいんだろうか?」「リーダーとして私は適切なのだろうか?」と悩んでいました。
これに関しては、『エンジニアのためのマネジメントキャリアパス』が私を勇気づけてくれました。
テックリードを「チームでもっとも優秀な、あるいはもっと経験豊富なエンジニア」と短絡的に結びつけてしまうのは誤りです。関係者の心をつかめなければリーダーシップは発揮できませんから、テックリード役を初めて任された人に技術的な専門知識の増強よりもはるかに求められるのは対人能力の強化なのです。
私の役割は厳密にはテックリードとは異なると思うのですが、私はこの記述にとても勇気づけられました。他にも『Team Geek』でも「サーバントリーダーシップ」について以下のように語られています。
サーバントリーダーが管理するのは、技術的な側面とチームの人間関係である。両方やらなくちゃあならないってのが「サーバントリーダー」のつらいところだな(人間関係の方が難しい!)。
そしてリーダーに斡旋してくれた先輩たちは、私にこう語ってくれました。
私は軍曹さんのコミュニケーション能力を高く評価しています。
こうした言葉の数々から、技術面の経験値不足を憂うのではなく、人間関係へ気を配るのが私の役割だと、今では自信を持って答えられます(もちろん、技術面でも強くなっていくぞという気持ちは忘れていません)。
✏️ リーダー就任
かくして、リーダー修行期を終えた私は、晴れてリーダーとなりました。
修行期間という丁寧でシームレスなリーダー移行期間を設けたことで、穏やかにリーダーが移行されたと思います。
リーダーとしての肩書きを持ってしばらくすると、私はより真剣に「リーダー」について考えるようになりました。そして最近は、専ら以下のことを悩んでいました。
💭「良いリーダー」とは何だろうか?
皆さんにとっての「良いリーダー」とは何でしょうか?
これは答えのない問いだと思います。ですが、自分の考えを持つことは大事だと思います。私はこれが見つからず、悩んでいました。
これについて私は最近、とある本と出会い、まず自分の考え方を大きく転換しました。
リーダーシップとは、役職ではなく心のありようです
あなたがリーダーなのですから、他の誰かを待つのはやめましょう。アジャイルとは、プラクティスやルール、プロセスのことではありません。アジャイルとは、これまでとは異なる考え方、ものごとへの異なるアプローチの仕方、異なるマインドセットのことです。そしてすべてはあなたの手にかかっています。あなたがリーダーなのです。
この本と出会うまで、私はずっと「良いリーダーとして、どんなアクションを取れば良いのか?」というプロセスのことを考えていました。例えば、1on1をどのくらいやったら良いだろう?コミュニケーション施作はどんなものがいいだろう?みたいなことを考えていました。そうしたアクションを取ることが「成果」につながると思っていたからです。ですが、この本と出会い、そうではないと思うことができました。心のありようが、人を変え、組織を柔軟に変化させ、この変化の激しい時代で競争力を維持できるのだと、腹落ちすることができました。
そしてこの本を読み進めるにつれ、とうとう自分の中で「良いリーダーとは?に対する今の答え」を見つけました。私は「モダンアジャイル」なリーダーになりたいのだと。これは言い換えれば、
- 人々を最高に輝かせようというマインドセットを持ち
- 周囲が高速に実験&学習できる環境を整え
- 本質的な価値を見極めて、継続的に価値を届けることができ
- 心理的安全性を提供できるほど信頼されている
という4つの要件を満たしたリーダーになりたいと私は考えています。書籍の中では「カタリスト」のモデルが近いかもしれません。
さらにこの中でも特に、私はしばらく「人々を最高に輝かせようというマインドセットを持ったリーダー」を「良いリーダーとは?」の答えとして過ごしていこうと思います。それは、私の生来の性格・強みとマッチし、私が最もやりがいを感じる領域だからです。
✏️ おわりに
ここまで、新卒2年目の私がリーダーとして挑戦してきた話をしてきました。
そして、実は今も、私はリーダーへ挑戦しています。
それは、リーダーを統括する全体リーダーへの挑戦を試みているということです。
これは別に、偉くなりたいという欲求から来ているものではありません(そもそも私たちが採用しているスクラムというフレームワークには、偉い偉くないという上下関係の物差しはないはずなのです)。
ただ単に私は、常に挑戦を続ける私が好きなのです。挑戦し、学習する。そして成長する。このサイクルが好きなのです。
そしてまた、その挑戦の姿勢は、チームを・プロダクトをよいものにすると信じています。私の「良い」リーダー像では、リーダーの変化が周囲の変化を育むのです。つまるところ、大袈裟な話、私にとっても、チームにとっても、プロダクト・会社にとっても、この挑戦には価値があると思っているのです。
だから私は、新卒2年目ですが、新卒2年目だからこそ青臭く、リーダーへ挑戦することを続けます。
あわよくば、私も、私の周りも、成長していけることを願って。
明日は、Fluffy Mossさんの「Unityからブラウザまで! コードの共通化・高速化に WASI を使ってみる」という内容です。チラ見させてもらいましたが、新規性満載、技術的知見の塊のような素晴らしい内容です!お楽しみに!
最後に、アカツキでは一緒に働くエンジニアを募集しています。
カジュアル面談もやっていますので、気軽にご応募ください。
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