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Dress Code 創業 1 年目における採用・技術広報を振り返る

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はじめに

Dress Code Advent Calendar 2025DevHR Advent Calendar 2025 の 3 日目の記事です。

Dress Code 株式会社で、プロダクト開発しながらアーキテクト、組織設計、採用、技術広報などなど担当しているかわうそです。

2025 年の終わりに創業 1 年目の Dress Code における採用及び技術広報を振り返ろうと思い、この記事を書きました。

2024 年 9 月に設立して、2025 年 4 月に正式創業した Dress Code ですが、改めて採用は簡単ではないということを痛感しました。

創業 2 年目に向けて、Dress Code の採用・技術広報戦略を練っていくべく、振り返ってみたいと思います。

この記事の概要

12 月はたくさんの記事が出てくると思いますし、時間のない方も多いと思うので、Nano Banana Proに作ってもらった概要を載せておきます。

この記事の概要

メンバー推移

はじめに、どれくらい正社員数が変わったのかだけ紹介しておきます。

時期 マイルストーン 正社員数※
2024 年 9 月 会社設立 3 人
2025 年 1 月 創業に向けた過渡期 7 人
2025 年 4 月 正式創業 9 人
2025 年 7 月 事業・プロダクト拡大 11 人
2025 年 10 月 技術広報による認知度拡大 14 人
2025 年 12 月 現在 16 人

※ PdM / Designer / Engineer における正社員数の合計

大きな採用テーマ

採用を進める中で 「二周目人材」と「強制成長」が生み出す少数精鋭組織 という大きな採用テーマを掲げてきました。

https://biz-journal.jp/company/post_390402.html

ぜひ記事を読んでほしいのですが、僕の中での解釈を簡単に紹介しておきます。

  • Dress Code が挑戦しようとしていることはかなり難易度が高い
    • 情シス・人事労務・採用・総務といった Workforce Management 領域における課題を解決する
      • つまり、エンジニアは難易度の高い設計やモデリングと戦える・向き合う必要がある
      • その中で、創業期でかつ後発組の BtoB SaaS として爆速で事業を進める必要がある
  • 最初から理想系を目指して、引き算思考で進める
    • 最初から理想系のコンパウンドプロダクトを目指す
      • 共通基盤が必要になるとわかっているなら、最初から共通基盤を構築しながら進める
      • そのため、関係範囲の業務を整理しながら、高度な抽象化を行っていく必要がある
    • 最初からグローバル展開を行う
      • グローバル対応(多言語対応や法対応など)を踏まえて設計や実装を進める
      • 日本でしか通用しない設計やモデリングはしない(法的要件なども初期から考慮が必要)

なので、このような難易度の高い挑戦を一緒に戦っていける仲間を探していく(採用していく)という活動が求められていました。

創業 1 年目の採用戦略

採用の軸として「リファラル採用」と「スカウト採用」の 2 つを軸にしてきました。
この 2 つの軸に分けて簡単に振り返ります。

リファラル採用

創業期のスタートアップにおいて採用に重要なことは 「信頼関係をいかに早く築けるか」と「辛い時に一緒に頑張りたいと思えるか」 だと思います。

これはこの 1 年闘ってきて実感したことでもあります。

この 2 つの要件を通常の採用で満たすのは相当難しいです。
難しい理由は、以下のような人に出会える機会が社会人の中でもそう多くはないはずだからです。

  • 過去に一緒に働いた経験がある人
  • 働いた中でこの人とまた一緒に働きたいと思える人
  • その人とならどんな困難も乗り越えられると思える人

また、上記のような人は、現在の職場で活躍していることも多いし、そんなような人を引っ張ってこれるだけの魅力がないと、採用することは難しいです。

なので、創業期のスタートアップにしかできない、壮大な Vision を掲げて、今まで解決できなかった問題や課題に取り組もうとしていること、実現可能性がどれくらいあるのかを示していく必要があります。

Dress Code にはその Vision もあるし、創業メンバーもその Vision が叶えられそうなメンバーが初期から集まっていたので、ここの魅力づくりは比較的やりやすかったです。

(採用資料の公開をまだしていないので、詳細が気になる人はお話ししましょう笑)

スカウト採用

外部の採用を進めていく上で、どこからどうやって攻めていくかを考えるにあたり、ファネル分析を軸に考えました。

闇雲にスカウトを打っても、質・量とも十分な“母集団を形成できていない状態"では、スカウトの返信が来ることはほぼないと思います。

知らない会社からスカウトが来ても「比較・検討」の候補に入ることや「興味・関心」を持ってもらえることはほぼない(なかった)です。

僕自身の過去の転職活動を振り返っても、聞いたことのない会社よりはなにかしらの印象(カンファレンスや勉強会、テックブログなど)が残っている会社の方が話を聞いてみたいなぁという思いがあります。

なので、まずは 「認知獲得から始める母集団を形成すること」 から目指しました。

(ついでに、たまたま知り合いだったり、この前の勉強会で話した人みたいな方だと、うっかり入社に繋がるケースもありますが...笑)

とにかく”認知獲得”を目指した技術広報

その中で取り組んだのが”技術広報”です。

技術広報(ぎじゅつこうほう)とは、自社の技術、システム、プロダクト、開発プロセスなどの「技術的な情報」を社内外に向けて戦略的に発信すること

”技術広報”を行う目的はいろいろあると思います。採用強化以外にも企業ブランドの向上やエンジニアのモチベーション向上、プロダクトの認知拡大など様々な目的があります。

僕たちは創業したばかりの会社であり、そもそも知るきっかけすらない状況でした。

なので、僕たちはとにかく 「認知獲得を最優先にして、多くのエンジニアに ”Dress Code” というフレーズだけでも覚えてもらう」 というところから目指しました。

その中で取り組んだのが以下の活動です。

  • テックブログ(Zenn)の運営・執筆促進
    • 理由:低コストでかつ手っ取り早く始めることができる
  • カンファレンスへの登壇やスポンサー
    • 理由:コストはかかるが、多くの認知獲得ができるチャンスがある
  • 勉強会・ミートアップでの登壇
    • 理由:カンファレンスでの登壇はハードル高いが、勉強会なら比較的に登壇しやすい

また、それぞれに運営メンバーを決めて、それぞれが推進していくようにしました。

(幸いなことに、現在、Dress Code にいるメンバーは技術広報の活動に携わってきたメンバーもおり、このおかげで推進できています笑)

結果どうだったのか

採用がどれくらい進んだかに関しては冒頭のメンバー推移の通りになります。

テックブログの執筆実績

時期 記事数 いいね数
2025 年 1 月 1 9
2025 年 2 月 0 0
2025 年 3 月 1 27
2025 年 4 月 20 348
2025 年 5 月 5 145
2025 年 6 月 3 838
2025 年 7 月 2 109
2025 年 8 月 2 32
2025 年 9 月 1 76
2025 年 10 月 0 0
2025 年 11 月 2 164
合計 37 1748

4 月は「これからテックブログを含めた技術広報を頑張るぞ」という所信表明を含め、創業初月アドベントカレンダーを実施したこともあり、他の月に比べて記事が多くなっています。

(今思うと、2 月と 10 月は記事 0 件だったんだということに気づき、少し後悔しています笑)

カンファレンス・勉強会のスポンサード・登壇実績

種別 実績
カンファレンス 6 回
勉強会 6 回

登壇実績の全体像は以下の通りです。

カンファレンス・勉強会の登壇実績

Dress Code としての登壇情報は以下にまとめているので、詳細はそちらをご覧ください!
https://marmalade-aardwolf-939.notion.site/Dress-Code-2733844e68a3807e9719fba4f2bb0c9f?pvs=143

認知度アンケートの結果

開催日 カンファレンス名 認知度
2025 年 7 月 3 日 開発生産性カンファレンス 6.45%
2025 年 7 月 11、12 日 SRE NEXT 23.76%
2025 年 9 月 18 日 Platform Engineering Kaigi 32.50%
2025 年 11 月 20、21 日 アーキテクチャ Conference 37.14%

7 月の開発生産性カンファレンス参加時は認知度はたったの 6.45% だったのですが、そこからかなり改善できました!

(単純計算で約 4 ヶ月で約 475.81%の向上です笑)

スカウト返信率

すみません、用意できませんでした...😭
理由は各媒体ごとのスカウト返信率を丁寧に計測し始めたのがとても最近で、過去の分までを整理するのが間に合いませんでした...😭

定性的な面だけでもお話しすると、面談時に「XXX での登壇を見て興味を持った」や「テックブログ読みました」と言ってもらえる回数が増えているので、順調に採用に繋がっているのかなと感じております。

2026 年に向けて

採用や技術広報を通じて感じている課題が 「Dress Code は他の BtoB SaaS と具体的に何が違うのか?」「Dress Code におけるエンジニアリングのおもしろさはなにか?」が抽象的にしか伝わっていないこと です。

なんとなく広い領域で難しいことをやろうとしていて、初期から海外展開を行っていることまでは伝わっている感触はあるのですが、この情報もかなり抽象的ではあるし、Dress Code だからこそ実現できることは伝わっていない印象を感じています。

そこで、エンジニア目線でこれはやるべきだったな・来年はやりたいなと思っていることが以下になります(他にもいろいろやりたいことはあるんですが笑)

  • プロダクトの認知拡大
    • Dress Code ならではのプロダクト戦略、作り方、開発プロセス
  • 明確な技術ブランド形成
    • Dress Code におけるエンジニアリングの強み、技術的なユニークさ

これらの情報を明確にして、ファネル分析の部分における「母集団形成」フェーズで「興味・関心」を持ってもらえるようにしていき、さらにいえば「比較・検討」フェーズで選ばれる候補に入ってもらえるようにしていきたいなと思っています。

さいごに

こんな創業期において、時間のない中、カンファレンスや勉強会の登壇、テックブログを書いてくれるメンバーのみんなには感謝しかないです。

あと、自分への戒めを含めてエンジニア向け採用資料は絶対に公開します。
Nano Banana Pro の生成力に頼りますが笑)

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