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半年で5つの個人開発プロダクトを作ってわかったこと

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2023年から個人開発をはじめているdondonbeと申します。
Next.jsとTypeScriptが好物で、DB運用コストを考えるのが苦手です。

半年で個人開発のプロダクトを5つ+アルファ作ってきたので、これまでやってきたことや学びなどを共有します。

個人開発をしている背景と目的

個人開発はプログラミングを始めたときにはやりたいとは考えていませんでしたが、2年前から物価高騰の波がきていたことと、給料が毎年上がるわけじゃないということがわかり、将来不安を抱えていたこと。

そして、本業の出版系業務において、アフィリエイト収益を作ることは現実的な選択肢だと把握しており、個人開発+広告・アフィリエイトモデルでやってみようとあれこれ開発し始めたことがきっかけで、毎日個人開発を進めています。だから、目的はストック収益を作ることです。

そういうことから、以下プロダクトを作り始めました。

共通技術スタック

  • Next.js 15 App Router
  • OpenNext
  • TypeScript
  • zod
  • zustand
  • shadcn/ui
  • Biome.js
  • Cloudflare Workers(Hono)
  • Cloudflare Durable Objects
  • Cloudflare D1
  • MongoDB Atlas
  • IndexedDB
  • Vercel Pro Plan

Next.jsを中心に据えて、WorkersとSQLが必要な時には、Durable ObjectsとD1を使い、コンテンツ系データはMongoDBでさくさく開発を進めます。

Yattask (Todoistクローン)

みんな大好きTodoアプリの中でも、UIが使いやすいTodoistを自分で作ってしまい、格安で提供すれば結構ユーザー数いけんじゃね?みたいなノリで開発をはじめたのがYattask(ヤッタスク)です。

Todoアプリなら作るの簡単だろうと取り組み始めたら、日付・タイムゾーン・サマータイムの扱いは日本基準だけで考えられないこと、プッシュ通知をNext.jsで実装する方法やバックエンドのデータモデルとRDBの運用コストを度外視していたことなど、非常に学びがあったプロダクトです。現在も絶賛稼働中。

技術紹介記事

Next.js 15×Cloudflare Workersで作るTodoistクローンアプリ

solomakerにローンチ時に書いた記事があります。

FlowTime (フロータイムテクニック)

最近リリースしたばかりなのが、FlowTimeです。上記Yattaskの兄弟アプリとして開発をスタートしています。

Yattaskでオウンドメディアコンテンツを作成していると、タスク管理テクニックを調査するわけですが、そのときに分かったのが、ポモドーロタイマーの代替手段があること、ポモドーロテクニックは疲労が蓄積されやすいことが研究でわかっていることなど、ポモドーロテクニック自体に課題があることが分かってきました。

そこでポモドーロの派生バージョンとして生まれたのがフロータイムテクニックで、ポモドーロタイマーの固定25分タイマーを撤廃し、作業時間は自律的に決めて、作業時間の1/5を休憩に充てるという考え方の柔軟な集中タイマーメソッドです。

このテクニックのメリットは、集中して波に乗ってきたタイミングで突然タイマーが鳴ることがなくなり、集中を途切れさせることがなくタスクを進められることです。

ポモドーロは(オプションがあるとはいえ)25分前後でタイマーが鳴ってしまい、それまで蓄積された一時記憶・ワーキングメモリが空になってしまうことから、特にソフトウェア開発とは相性が悪いと感じていました。

フロータイムテクニックは、集中したい分だけ自由に集中できる環境を作り出せることと、英語圏で徐々に広がってきている印象です。開発したアプリはこちらのFlowTime

Product HuntとHacker Newsへ投稿済み。メイン言語は英語展開でブログ記事は日英両対応しています。

技術紹介記事

Next.js 15 × IndexedDB でポモドーロ代替テクニックのフロータイムアプリを作った

Eisenhower Matrix (Todoをマトリクス管理)

Yattask本体に追加して提供しようと考えていた機能を、単機能アプリとして作ったのがEisenhower Matrixです。

4象限の重要度・緊急度でタスクを配置させることで、どのタスクに取り組むべきか頭を使わずにすむのがメリット。

o3 proを使って2日くらいで品質に納得できたのでリリース。

上記タスク管理系のプロダクトは、すべてYattaskの兄弟アプリとして、マーケティング機能をもたらせつつ、Yattask本体アプリに統合することで価値を上げていこうという考えで作っていました。

PommeIndex (アップル製品データベースサイト)

タスク管理プロダクトばかり開発していたため、息抜きにデータベース型サイトを作ろうと考えて2週間ほどで作成したのがアップル製品のデータベースサイトPommeIndexです。Pommeはフランス語でりんご。

Claude Codeが勢いづいてきた頃に開発スタートしたこともあり、アップル主要製品をデータ前処理してもらうのにClaudeに頑張ってもらいました。

このサイトは、アップルの過去1000モデルは網羅していて、思い出にふけるのもよし、買い替えるためにスペックを比較するもよし。見てるだけで個人的に楽しめています。

あと、発売タイミングを日付集計できるようにしたため、アップル製品の買い替えサイクルがわかるページを用意しています。

9月10月が目前に迫ってきているため、iPadやMacBook Proは買うなというシグナルが出ています。iPhoneはニュートラルだけど。

技術紹介記事

Next.js 15 × MongoDB でつくる Apple 製品DB「PommeIndex」の設計と実装

Micro Exits

2025年1月の1ヶ月で作ったのが個人開発プロダクトを売買できるMicro Exitsです。

AIによって個人開発がもっと身近になることは予測できたことと、個人開発するモチベーションは様々あるなかで、自分の時間をかけて作ったプロダクトを金銭的価値に変えるサービスって日本では選択肢が少ないと思ったことから開発しました。

Stripeは使えなかったのでSquareオンライン決済を導入しています。

Vercelデプロイしているけど、こういったマッチングサービス系は人を集めないと活気づかないので今は置いてあるだけになっています。

個人開発でユーザーを作るためには

時系列で開発順を整理
2025/1 Micro Exits
2025/2-4 Yattask
2025/6-7 Eisenhower Matrix / PommeIndex / FlowTime

個人開発で作り続けていればユーザーは勝手についてくるだろうと考えていましたが、そんなに簡単ではないことがわかりました。

出版系に勤めていると、コンテンツがあればトラフィックを生み出すのは難しくないという頭になっており、トラフィック源となるベースがない個人開発では、影響力も信頼も無いため人が集まらないことを痛感しました。

開発とマーケティングの割合を50:50か、40:60で進めないとユーザー獲得は難しいだろうなというのが分かってきたところで、行ったことは、プロダクトローンチサイトに登録しまくることと、マーケティング本を読むこと、オウンドメディアを充実させること。

プロダクトローンチサイトに登録しまくる

今までプロダクトの機能追加が一通り終わると、もう終わった。俺のやりたいことは終わったんだ。という気持ちになってマーケティング的なアクションは何もしていませんでした。

このままだとユーザーが増えないとわかったため、先人の知恵をお借りして、まずはプロダクトローンチサイトに登録しまくっています。

上記ツイート内のサービスは無料で登録できるところばかりなので、おすすめです。

ただ、プロダクトで何をしたいのか、どんな価値を提供するのかといった要素を短い文章で求められるローンチサイトばかりなので、プロダクトの方針は言語化しておきたいところです。

今までは気後れしてたけどProduct Huntに登録Hacker NewsとRedditへ投稿しています。

マーケ・ビジネス本を漁る

もう一つのアクションは、弱点であるマーケティングとビジネス関連の本を読みあさり知見を溜めているところです。

小さな会社の売れる仕組み

ハイパワー・マーケティング 「卓越」のビジネスを築く21の原則

起業の科学 スタートアップサイエンス

Purple Cow: Transform Your Business by Being Remarkable

AIの推論能力が上がっているので、ここらへんの本で紹介されているノウハウをテキスト化して、リーンキャンバスや3Cフレームワークをプロンプト化しつつ、AIと相談しながらプロダクト開発を実践しています。

オウンドメディアを日英2言語で展開

Qiita記事で書きましたが、オウンドメディアを作って集客導線を作らないと箸にも棒にもかからないことがわかったため、出版系の知識を使いながらオウンドメディアのコンテンツを作っています。

集中してタスクへ取り組む生産性向上テクニックやFlowTimeの最新情報をお届けするブログ

こういったコンテンツを作る際には、ChatGPT o3 proやGPT-5 proを使ってます。最近のOpenAIの検索機能は十分な性能を出して調査してくれるため、非常に有用です。あと、GPT-5 proはもう一段精度が上がった印象で無くては鳴らない存在に。

オウンドメディアのために調べものをしていると分かる事実として、ポモドーロテクニックを長時間回すと疲労度が上がる研究結果に遭遇したり、タスクのコンテキストスイッチによる集中度、生産性の低下などの論文を発見できることです。

最近はバイブコーディングを回すのが当たり前になってきましたが、論文発見と共に、ライフハック系知識もつけることができて一石二鳥です。

また、いま個人開発しているのは、基本的に英語展開をメインに考えているため、英語中心のコンテンツ設計をして、後から日本語展開にしています。

こうすることでトラフィックチャンスが増えるのはGAを見ていても明らかなので、日本語にこだわる必要がない場合は、英語メインで開発を続けようと思います。

Claude Codeは合わなかったけどCodexに期待

半年で5個の個人開発が作れたのは明らかにAIのおかげ(紹介していないのを含めると7個作ってます)です。Claude Codeの波に乗ろうとしてMaxプランを契約しましたが、指示をまるで守ってくれずにディレクトリ構成が荒らされ、依存ファイルがあっちこっちに散らばってしまうなどに辟易して1週間で使わなくなりました。

一方で、GPT-5以前は、o3 proで詳細な機能実装要件をdesign docで用意して、Codex Webへ投げるというのは問題なく実装が進んでいたため、OpenAIのおかげで個人開発が進められていると思います。

そして、最近発表されたCodex CLIはproプランで使っていますが、こちらの内容をもとにconfig.toml設定をして使っていると、暴走しないCodexに惚れます。

Claude Codeのやんちゃぶりに手こずっている方はCodex一度試してみるのもありですよ。

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