コミュニケーション量を増やすためにクラシルリワードのデザインチームが取り組んでいる3つのこと
こんにちは。
4月からdely株式会社に入社した、25卒デザイナーの松本です。
インターンでの在籍期間があったものの、入社して2ヶ月でチームの様子を記事に書くのはとてもドキドキしています…..。
ぜひお手隙で読んでいただけると嬉しいです^^!
今回はチーム内で実施している取り組みの中から、主要なもの3つを取り上げてご紹介します。
その具体的な取り組みと、得られた成果、そして改善ポイントをまとめてみました。
「チーム間でどうやってUI/UXを磨き込んでいるの?」「他の会社のデザインレビューってどんな感じ?」といった疑問をお持ちの方に、少しでも参考になれば嬉しいです。
これらの取り組みの背景と目的
新たな機能や施策を爆速でリリースしているクラシルリワードでは、速いスピードでサービス拡大が進んでいく一方で、デザインチームとしていくつかの課題が存在していました。
例えば、
「基準が曖昧であるが故にプロダクトの質を上げきれていない」
「スクラム内で完結する動き方が主だったため、サービスのトンマナがデザイナー間の認識齟齬で少しずつ乖離していく可能性があった」
「デザインスキル向上のための制度がなかった」などが挙げられます。
そこで、チーム間での横断した連携を行い、より質を高めることにコミットした動きをしていく必要がありました。
取り組みの目的
- デザイン品質の向上
- チームとしての共通認識を作る
- デザインスキル向上
上記の目的をクリアするためにいくつかの取り組みを行っています。
これらの取り組みを経て、良かった点から改善ポイントまで幅広くまとめて見たので、自社と比較する材料にするなど、ぜひ私たちのチームの考え方を知っていただけたら嬉しいです
① デザイン相互レビュー
取り組みの一つ目は、デザイナー同士の相互レビューです。
デザイナーは各スクラムに所属し、それぞれのサービスにだけ向き合っている状況だったため、アプリ全体での統一感や共通認識が取れていないことが課題としてありました。
その課題を解消するために始めたのがこの取り組みです。
大体80%~90%くらいデザインが固まった段階で他のデザイナーに対してレビューを依頼します。
▼このようにslackのワークフローを用いて必要項目を入力して依頼します
(レビュー完了ボタンを押すと、Notionのデータベースに自動的に蓄積される仕組みになっています(便利!))
具体的には、チームで定めたチェックリストやガイドラインを参考にしながら、互いに違和感を感じたところやこんな見せ方はどうだろう?といったところを議論します。
この取り組みを通して、小さな違和感の解消や共通認識が取れずに曖昧になっていた部分を明確にすることができました。
明確になった部分はさらにドキュメントにまとめてルール化していくことで可視化して認識を揃えることができるようになりました。
▼こんな感じでドキュメント化しています
(レビューのたびに見返すので必然的に浸透されてきました。)
さらに、より多角的な視点でユーザー体験の向上を目指すことができたり、小さな見落としを防ぐことが可能になりました。また、slack上で他のデザイナー同士の会話も可視化されるため、ナレッジの共有や認識の相違などが明確になったというメリットもありました。
得られた変化
- 見落としの発見やブラッシュアップに繋がった
- 自分だけでは気づかない視点を持つことができた
- デザイナー間で議論しながら進めることで共通認識を持ちやすくなった
- PMとの議論の材料となった
一方で、自分が担当していない領域の施策やデザインのため、slack上のテキストだけで理解することは困難な場合もあります。
月1の振り返り会では、「リアルのコミュニケーションも交えることで、仕様を正しく理解する手助けになるよね」といった声も出ていたりしたので、テキストとリアルタイムを上手に組み合わせながらのコミュニケーションを心がけています。
その上で各スクラムのKPIや背景を理解している方が、より適切な議論ができると思うので、次のステップとしてはデザイナー一人ひとりが事業理解を深めることに挑戦していきたいです。
② ペアデザイン
2つ目の取り組みはデザイナー同士でのペアデザインです。
デザインの方向性が見えた段階で、2人以上のデザイナーでリアルタイムで各々デザインを作っていきます。
これまでは、1人のデザイナーが1つの施策に対してUI作りに向き合っていましたが、デザインの発散と収束を2人以上で行うことにより、コミュニケーション量が増え、意見交換をしながらより最適な見せ方を議論できるようになりました。
今のフェーズでは、デザインの質をさらに向上させるために、コミュニケーションが大切だと考えているので、このペアデザインで出てきた課題や共通認識の取れていない部分は、デザインバックログとして保管し、別途解消するようにしています。
▼ペアデザインで浮上した曖昧になっていた点
(ガイドラインやドキュメントは随時アップデートしていきます)
▼バックログ化してドキュメントに整理
(運用チームにも共有し、浸透し始めてきました。)
得られた変化
- リアルタイムでフィードバック・改善ができるのでタイムロスが減った
- 細かい設計判断も言語化しながら一緒に検討できる
- 発散と収束のサイクルを高速で回すことができる
- 一人で考えるよりもアイディアが生まれやすくなった
一方で、課題が残っているのも事実です。
「PMとのすり合わせでほとんどデザインが固まってしまう」「ペアデザインを依頼するほどのデザイン依頼がない」といった声も上がっているので、いかにハードルを下げた形でペアデザインを行っていくかが、この取り組みの改善ポイントとなりそうです。
③ デザイナー夕会
3つ目の取り組みは、デザイナー夕会です。
毎日決まった時間にslackからリマインドが届くので、今日やったこと・作ったものをチームに共有してから夕会を始めます。
やることとしては、slackで共有したものを見ながらリアルタイムもしくはGoogle meetで会話します。
お互いにやっていることを把握しつつ、ラフな相談をしたりわざわざ横から入って指摘するほどでもないところも、気楽に議論し合えるのでとても良い時間となっています。
「これ気になるけどいつ聞こう・・」みたいなものでも、軽く聞けたり相談できる場が普段のコミュニケーションをよりスムーズにしていると思います。
得られた変化
- フィードバックのハードルが下がり、相談が増えた
- 違和感に早めに気づけるようになった
- チーム内での見えない仕事が可視化されたことで、相互理解が深まった
今後の展望
チームとして
これらの取り組みを始めて数ヶ月、チーム間のコミュニケーション量も増え、改善されたことも多いです。
一方で、より良いチームを作っていくためには、これらの取り組みからまた1歩前進した取り組みや、今上がっている改善点を解消していくことが必要だと考えています。
今後は、チームとしてナレッジ総量を増やしていくことや、目の前のタスク以外に関することについて話し理解を深める機会を設けるなど、視野を広げてプロダクトにインパクトのある動きを目指して活動をしていきます。
個人として
また、個人的な視点では、まだまだ経験値が浅いことが自分の課題のひとつだと感じています。
だからこそ、この話しかけやすく、相談しやすいチームの空気感を大切にしながら、これからも一歩踏み込んだ相談やフィードバックを積極的にお願いしていくつもりです。
さらに、新卒だからこそ見える視点や気づきもあると思うので、小さくてもアウトプットを続けていくことも意識していきたいです。
まとめ
改めて、今回紹介した3つの取り組みは、まだサービスの質向上に向けてのPDCAを回し始めたばかりであり、完成形ではありません。
今後はチーム間の課題の解消だけではなく、視野を広げて事業全体での課題感まで一歩踏み込んだ形でサービスの向上を目指していきます。
もし似たような取り組みをされている方がいれば、ぜひ感想やアドバイスもお聞きしたいです!
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