TableauからData Cloudへのセグメント連携 その1
TL;DR
Tableauで選択した顧客リストをData Cloudに連携し、メール等各種施策の対象リストとして使用することが可能。上記連携においてはあらかじめ意識しておくべき前提条件がある。
セグメントって何?
Data Cloudでは「40代の女性」「累計購入額が10万円以上で直近1年間購入がない」など様々な条件を組み合わせて顧客リストを抽出、MAツール等との連携によりさまざまなアクションに繋げることが可能です。このような顧客リストをセグメントと呼んでいます。
何故Tableauから連携するのか?
Data Cloudでは、GUI操作により項目と値を指定するだけで簡単にセグメントを作成することが可能です。ただしマーケターの方等が実際に対象とする顧客を絞り込む過程において、
下記のようなお悩みをお伺いします。
1.利用するツールを最小限にしたい
既に沢山のツールを活用されており、極力新しいツールの利用は控えたいですよね。
2.明確な条件が定義できない
たとえば散布図から全体の分布状況を見てファジーに顧客群を選定したいような場合は、
あらかじめ「〇〇以上××以下」のような明確な条件指定が困難です
3.ダッシュボードの解析が必要
ダッシュボードには裏側に様々な絞り込み条件が適用されていることが殆どです。
いざダッシュボードに表示された顧客群をリストとして利用する場合、
ダッシュボードの定義を正しく読み解き、同じ条件を指定しなければ正しい顧客リストは作成出来ません。
TableauからData Cloudの連携においては、適用されている絞り込み条件を読み取って
セグメント定義を作成してくれるため、ダッシュボードの解析が不要です。
Data Cloud へのビジュアル セグメント作成を試してみた
と、長々と申し上げましたが実際のイメージを見ていただければ一目瞭然かもしれません。
このように非常に便利な機能ですが、利用にあたってはいくつか
あらかじめ意識しておくべき前提条件があります。
本記事では何回かにわたって、抑えるべき前提条件をご紹介します。
1.Tableau CloudのCreatorライセンスが必要
2.ライブ接続のみ対応
3.データソースにて、一番左に配置されるオブジェクトはカテゴリ:プロファイルDMOである必要あり
4.データソース間は「関係」でなく「結合」で連結される必要あり
5.結合はDataCloud上のDMOリレーション設定と一致する必要あり
6.オブジェクト間は1:1で結合される必要あり
7.フィルタ条件に計算フィールドや表計算,TOP n等Tableau上での計算結果は使用不可
8.日付でのフィルタ条件に制約あり
今回はこのうち、1・2・3についてご紹介します。
1.Tableau CloudのCreatorライセンスが必要
TableauにはDesktop,Server,Cloudなど様々な製品が存在しますが
TableauからData Cloudへのセグメント作成に対応しているのは
2024/10現在Tableau Cloudのみとなります。
また、機能の利用にあたってはCreatorライセンスが必要となります。
2.ライブ接続のみ対応
Tableauからデータの接続には「ライブ」「抽出」の二つの方法が選択可能です。
Tableauでデータソースとの接続を作成するとデフォルトではライブ接続が選ばれるようになっていますが、Data Cloudへのセグメント連携をしたい場合「ライブ」接続である必要があります。
3.データソースにて、一番左に配置されるオブジェクトはカテゴリ:プロファイルDMOである必要あり
こちらについては、Data Cloud特有のキーワードが出てきます。
Data Cloudでは、DMOと呼ばれる論理的なオブジェクトに対して
取り込んだ実体データを紐づけて利用しますが、
各DMOにはカテゴリというものをユーザーが選択・設定することが出来ます。
カテゴリについての詳細はこちら
Data Cloud上でDMOを開くと設定されているカテゴリが確認可能です。
では「一番左に配置されるオブジェクト」とはどういうことでしょうか?
Tableauでデータソースを設定する際に、参照したいデータをドラッグ&ドロップし
必要に応じてリレーションを設定していきますが、複数のデータを参照する場合
データが左から右にどんどん増えていく形となります。
この例では、「Individual」と「Email Engagement」という二つのデータが参照されていますが
一番左に置かれている「Individual」のカテゴリがプロファイルである必要があります。
なお「Email Engagement」は「カテゴリ:エンゲージメント」で設定されていますので
IndividualとEmail Engagementの配置を逆にするのはNGとなります。
上の画像をご覧になって頂いて
普段Tableauをお使いの方の中には「なんだか自分の使っているデータソースの画面と見た目が違うな」
と気になった方もいらっしゃるかもしれません。
こちらは次回ご紹介予定の
4.データソース間は「関係」でなく「結合」で連結される必要あり
に関係してきますので、また改めてご紹介させていただきます。
※本記事は、私が所属する会社とは一切関係のない事柄です。
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