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コミュニティへの関わり方②コミュニティアンバサダーという選択肢

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この記事について

この記事は、私個人の経験と気づきをまとめたエッセイです。

前回の記事ではコミュニティに関する自分の思いを言語化してみましたが、その続編としてコミュニティアンバサダーとしてのData Superheroesについて自分なりの思いを書いてみました。

前回の記事

この記事から読んでいただいた方は前回の記事を参照いただければと思います。

コミュニティアンバサダー Snowflake Data Superheroes 2026応募開始

2025年11月より、Data Superheroesの募集が開始されました!このコミュニティアンバサダーである、DSHを中心にコミュニティリーダーシップについて自分なりの経験と考えを共有したいと思います。

https://www.linkedin.com/posts/snowflake-developers_datasuperhero-activity-7395140038642233344-ZgdH/

1. コミュニティリーダーシップという選択肢

リーダーシップも一つの関わり方

前の章で説明したように、コミュニティへの関わり方は多様です。

その中で、より積極的にコミュニティに関わりたい自分の経験を体系的に共有したいコミュニティの活性化に貢献したい、と思う人もいると思います。それは、とても素晴らしい想いです。

そのような想いを持つ人のために、いくつかの「形」があります。それが、コミュニティリーダーシップです。

ただし、これは「上位の参加者」になることではありません。あくまで「役割の一つ」であり、「貢献スタイルの一つ」です。

リーダーになることで、コミュニティ内での「立場が上がる」わけではありません。ただ、「できることの選択肢が増える」だけです。

様々なリーダーシップの形

Snowflakeコミュニティには、いくつかのリーダーシップの形があります

Snowflake Squad:
ブログや技術記事、コミュニティへの発信やイベントの参加など、
日常的なコミュニティ貢献を通じて得られる称号です。

私自身も、最初はいくつかの技術記事とLT登壇実績で申請しました。

SnowVillage ユーザーグループリーダー:
SnowVillageの各ユーザーグループの運営や新規のユーザーグループやイベントの立ち上げなどを通じて、コミュニティの活性化に貢献する役割です。

SnowVillage Mayers:
日本コミュニティであるSnowVillageの運営に参画し、イベント企画やコミュニティの活性化に貢献する役割です。

Snowflake Data Superheroes(DSH):
Snowflakeのコミュニティアンバサダーとして、より広範な貢献を目指すプログラムです。

これらは、階層ではなく、異なる形の貢献スタイルです。

また、これらの称号を持たずとも、日常的に素晴らしい貢献をしている方が多数います。
称号は、貢献の「証」の一つに過ぎません。

なぜリーダーシップを目指すのか

リーダーシップを目指す理由は、人それぞれです。

  • 自分の経験を体系的に共有したい
  • コミュニティをより良い場所にしたい
  • より多くの人とつながりたい
  • 自分自身の成長の機会にしたい
  • キャリアや会社のブランディングにしたい

どの理由も正しい考えだと思います。

大切なのは、「自分が心からやりたいと思うか」です。
「みんながやっているから」
「やらないと認められないから」

そのような理由で、例えDSHに任命されたとしても持続的な活動が難しくなるかもしれません。
自分自身の芯を持ち、自分自身がやりたいことがDSHになることでブーストされるかどうかだと思います。DSHはコミュニティの特別なプログラムですが、その本質はコミュニティへの貢献意欲を賞賛し、そのようなコミュニティにとって望ましい活動をする人がより多く誕生するためのプログラムだと考えています。

もし、あなたがコミュニティへの貢献におけるリーダーシップを目指すなら、まず「自分がやりたいこと」を言語化してみるのが良いと思います。

  • コミュニティで何を成したいのか?
  • どのような貢献が自分らしいのか?
  • 自分ならではの提供できる価値は何か?

これらを明確にすることが、第一歩です。
私自身、昨年度の様々なポエムや記事を書く中で、それらの言語化が少しずつできたと考えています。

そして、その想いを持って、それぞれのプログラムに応募してみてください。
その時、あなただけの貢献プログラムはすでに出来上がっていて、そのプログラムの審査結果に関わらず、あなたの行動は変わっていくと思います。

次の章では、その中の一つである「Data Superheroes」プログラムについて、私の経験を共有したいと思います。

ただし、これは「DSHを目指すべき」という話ではありません。あくまで、「選択肢の一つ」として参考にしてください。

2. Data Superheroesへの取組み

応募内容の概要について

DSHへの応募は自薦形式となっており、昨年は以下の4つの項目が申請内容でした。どのような内容を書けばよいか自分なりの経験則ですが、皆さんにも共有しておきます。

もし具体的な自薦内容が聞きたい、実際に申請しようと思うのでアドバイスが欲しい!という方は、イベントや懇親会、オンラインやDMでもお話しますので、皆さんの一番楽なスタイルで気軽にお声がけください。

Q1:なぜSnowflakeに情熱を注いでいるのですか?
→素直に想いのたけをぶつけましょう。控えめな性格の方もここは一念発起し、翌日恥ずかしくなるぐらいの熱量がちょうど良い気がします。そうは言っても…という方は、お酒を飲んで勢いで書く、ノリの良い音楽を聴いてテンションを上げて書くのも良いと思います。一晩空けて推敲すれば問題ありません。

Q2:なぜデータスーパーヒーローに参加したいのですか?
→コミュニティに対する想いと貢献に対する意欲を書きましょう。個人的にはリーダーシップの宣言よりも、その結果としてどんな貢献をしたいのか?が重要な気がします。

Q3:来年、データ スーパーヒーローとして達成したい目標は何ですか?
→DSHになるのはコミュニティの旅の始まりです。なってから何をなしたいのかをしっかり書きましょう。

Q4:Snowflakeのユースケースにはどのようなものがありますか?(ワークロード、機能、業界のユースケースなど)
→あなたのSnowflake活用の特徴を表すものを書きましょう。

生成AIの活用について

私自身は自薦文は日本語で自分で作成し、最後に英語での翻訳時に生成AIを活用しました。
しかしその際に以下のような指示を行っています。

SnowflakeのDataSuperHerosへの自薦文を作成した。以下の文章を元に英語で自薦文に翻訳して欲しい。
ただし、英語で意訳する際に以下の観点で評価を行った上で、英語での意訳文と日本語でのその訳文とその意図について説明すること
これらの指示については、深くじっくりと考察し、時間を掛けて回答して良いものとする。
- 英語圏の自薦文としてふさわしい記述にすること。
  - 日本人は謙虚さを是とするが、英語圏での文化的背景を考慮した自薦文に修正すること
  - 何をやったか、その上で何を成すのかを宣言するリーダーシップを重視した表現にすること
  - 日本独自の表現や考え方、サービスや機能などは英語圏で伝わるように意訳すること
- 英語圏のエンジニアに伝わる表現を心がけること
- 技術コミュニティにおけるコミュニティアンバサダーという役割に沿った自薦文であること
  - 期待される行動や目標、姿勢に記載の不足がある場合は、指摘を行うこと
  - 文章案の改定に加え、どのような考え方や視点の差異があるかを補足すること
- コミュニティに対する情熱や意欲が伝わる文章になっているかを十分に評価すること
- 採用されることを目的化したような誇大な表現や現実感のない記載は避けること
- 自薦後のヒアリングや問い合わせはない。自薦文のみで評価者が判断可能なレベルにすること
- 私の過去の取組みや実績、公開した記事については以下を参照すること。
  - 記事内にリンク先を追加して良いが、英語圏の評価者は日本語の記事は意欲的に参照しないと推測されるため、本文で十分に補足すること
以下リンク先・・・

自分が伝えたいコンテキストは自分で設計するのが一番気持ちが入り、また納得のいく内容になると思います。ただし、それが英語圏に正しく伝わる内容になっているか、英語が苦手な私自身では判断できないため、この壁打ちに生成AIを活用しています。
前回の申請時に生成AIの壁打ちは、おそらく数十回を超えたと思います。

ただ、コミュニティは常に変化し、多様性やより大きな広がりを目指しています。昨年の応募内容や応募方法が必ずしも今年の正解とは限りませんので、生成AIの使い方を含め、あくまでも参考としていただければと思います。

目標の内容と達成状況について

ちなみに申請項目のQ3には、自身がDSHになって成したい目標を書きます。
それから約10ヵ月近くが経ち、目標に対して、達成できたもの、方向転換したもの、見送ったものがありました。

  • 目標①:Oracle、Vertica、Azure Synapseの移行に関する経験に基づいて移行プレイブックを作成する
     結果:✕ SnowConvertの進化で、その必要性が薄れたため、見送りました。
    ですが、Oracleの非互換まとめは未だに多くの方に読んでいただいており、実は今も価値はあったかもと最近思い直しています。
    https://zenn.dev/taro_cccmkhd/articles/9ad7f02b058b1a

  • 目標②:大規模なデータプラットフォームのモダン化を進めるためのベストプラクティスを文書化する
    結果:〇 文書化は認知負荷が高すぎるため、より多くの方に知ってもらうための、SnowflakeのプレスイベントやJDMCのイベント、日経クロステックの取材記事やそのウェビナー登壇、Snowflake World Tour Tokyoでのセッション登壇などを通じて、レガシー脱却の事例として様々な場で多く語らせていただきました。

https://xtech.nikkei.com/atcl/nxt/column/18/00678/032600152/

https://www.event-entry.net/dm2025/timetable/

https://events.nikkeibp.co.jp/event/2025/nxt0709infra/

日経クロステックさんには非常に多く取り上げていただいたこともあり、レガシーを抱える企業にとって価値ある内容を提供し、目標を達成できたのでないかと考えています。

  • 目標③:セキュリティファーストのデータ共有コミュニティを構築する
    結果:△ 目標③の「データ共有コミュニティの構築」は、当初の構想通りには進みませんでした。

原因を振り返ると

  • エンジニアコミュニティのやってみたいと事業判断としてどんな価値があるか?の価値観の違い
  • 自分の影響力が及ぶ範囲の見極め不足
  • 社外より社内での啓蒙の方が効果的

ここはかなり方向転換をしました。データコラボレーションは事業間で決まることが多く、エンジニアコミュニティからのアプローチでは、効果が限定的であると判断しました。

以降はSnowflakeのデータコラボレーションイベントでのデータホルダーとしての参加に集約しつつ、イベントで名刺交換した企業との営業面談をアシストする事に注力しました。

一方で社内ではSnowflakeのデータシェアリングの紹介や啓蒙活動を通じて、協業系の部門との間では「データシェアリング」が一般用語化しており、複数社とデータシェアリングでのデータ連携が行われ、今の数案件動いています。そのようなデータコラボレーションに関する大小様々なアクションを評価いただき、今年度の、Snowflake Japanが表彰する Data Drivers Awardsにおいて、データコラボレーション賞をいただきました。
コミュニティの外でのアクションになってしまった点は反省点ですが、逆にイベントに登壇する際は出来る限り、データコラボレーションの文脈を入れるようにしており、形は変えつつも成果を出せたかなと考えています。

https://www.snowflake.com/ja/news/press-releases/snowflake-japan-data-drivers-awards/

目標④:経験共有を通じてイノベーションを推進したい

  • 複雑な実装シナリオに焦点を当てた技術コンテンツを作成する
  • 一般的な移行の課題に対処するための実践的なガイドを作成する
     結果:〇 様々なテーマにおいて、単独の機能ではなく、体系化や総合的にまとまっていないテーマを探し、じっくりまとめて、コミュニティへ提供することに注力しました。
     パフォーマンス改善を体系化したり、アナリスト向けのSQLTipsをまとめて記事にしたり、自分自身の学びと経験を体系化していきました。それらの代表として、DatabricksとSnowflakeのデータ共有サービスの比較記事Snowflake 自律化サービスに関する考察だったと思います。

https://zenn.dev/taro_cccmkhd/articles/a428ee1b48e1c8

https://zenn.dev/dataheroes/articles/a3ee996f6477d7

https://zenn.dev/dataheroes/articles/b549b11618c19f

https://zenn.dev/dataheroes/articles/d6da9fb50e0b1e

このように、目標に対して様々な形で取り組んできました。自分のやりたいことを全部盛りで詰め込んだため、計画通りにいかないこともありましたが、それぞれのプロセスから多くを学ぶことができました。

3. 申請を通じた言語化

コミュニティへの貢献の仕方は人それぞれに無数にあると考えています。貢献の度合いや優劣を競うというよりは純粋に自分が何を成したいのか?を言語化することが大事だと考えています。

自分がコミュニティに貢献できることは何か?それは自分らしい、心からやりたいと思うことか?そしてそれがコミュニティの中で結果として大きな貢献であるかどうか?そのリーダーシップと献身性に加え、Snowflakeという製品に対する深い理解と愛着を表現できているかだと考えています。

前回の記事にも書きましたが、「なってもならなくてもやる事は変わらない!けど、なれたら、やれることの選択肢は色々増えると思う。」だと考えています。

DSHになることは目的ではなく、通過点であり、あなた自身のSnowflakeへの愛着とコミュニティへの継続的な貢献(それはすなわちコミュニティへの愛着)をより一層発揮したいと思っているかどうかが一番大事だと考えています。

そのためには、まずは自身の感情や思い、熱量を日本語で書き殴ってみてください。最初は、なんて書けばいいだろうか、恥ずかしくて書きづらい、これは言い過ぎてないだろうか?と思うかもしれません。

もし悩んだら、最初にコミュニティに参加して、良かった思い出や経験、得たものを書き出してみましょう。
その得たものによってあなたはどういう感情を得たのか、おそらくそこにあなたのコミュニティに貢献したいと思う源泉があると思います。

その書いた内容を元に振り返ると、胸が熱くなったり、楽しい気持ちになりませんか?もし少しでもそういう気持ちが起きたなら、後はどんどん書き足していきましょう。きっとその言葉と気持ちはどんどん磨かれていくと思います。そのプロセスの先に、あなたがコミュニティに貢献したいという思いの言語化があると思います。

DSHの多様性

今のDSHは、私自身も含め、データエンジニアを出自とする方が多いように思います。おそらくその中で私は事業会社の経営に近い立場で、かつDSHの中でもかなり年配に位置する立場です。これはある意味、今のDSHでは少数的なポジションの1つだと考えています。

つまりDSHは一定以上の専門性と発信力やコミュニティへの貢献はもちろん重要ですが、それに加えて領域や役職、出自も異なるコミュニティの多様性を象徴する存在であると考えています。

そう考えると日本のDSHには、まだたくさんの多様な余白があると考えられます。

例えば、データエンジニアに限らない、データサイエンティストやデータアナリスト、AIエンジニア、もしくは非エンジニアであるビジネスユーザーなども考えられます。
またSnowflakeと近しいプラットフォームからのクロスファンクショナルなスキル人材や、首都圏以外の地域や女性であったり、コミュニティ全体のすそ野を広げ、新たな活力を生むリーダーは素晴らしい存在だと考えています。

またスキル領域だけでなく、事業領域も一つの観点であるように思います。
流通系や金融系やヘルスケアやディープテック、AI領域など、Snowflakeも注力している領域でのリーダーシップはコミュニティの多様性や広がりを生み出す可能性があるように思います。

一方で、すでに成熟した領域であれば、先進的な事例による貢献や、まだ未開の領域であればその開拓者としてのリーダーシップもまたコミュニティ全体のすそ野を広げたり、底上げにつながり、新たな活力を生む貴重な存在になるかもしれません。

つまり、コミュニティの多様性と広がりをリードし、貢献する人材は、優れたリーダーシップ人材として認知される可能性があるかもしれません。

現時点のスキルやその人のキャリア、事業領域は、その人のバックボーンではありますが、それは決定的な要因ではなく、コミュニティは今からの行動、今からの貢献で評価されます。
ここにはLTや技術記事を通じたコミュニティへのナレッジの提供とコミュニティの活性化への貢献という二つの側面があると思います。

ナレッジの点では、Snowflakeの理解や技術力、この機能に詳しいだけではなく、どのように活用したか?
進化の速いCortex AIなどの新機能のナレッジはコミュニティにとって非常に貴重です。これらのベストプラクティスは誰もが欲しい情報だと考えられます。
コストパフォーマンスの改善やStreamlitの活用、プライバシー保護技術の実践などは実運用のユースケースやベストプラクティスも、コミュニティの参加者の多くが欲するものではないでしょうか?

コミュニティへのナレッジ貢献について

さて、それではそのナレッジ貢献について掘り下げていきたいと思います。

コミュニティイベントでのLT登壇
これは分かりやすいアウトプットですね。特にLTの場合、自身の経験をコンパクトにまとめ、伝えるという訓練になり、自身の言語化を高める効果があります。また登壇を通じて、認知度が上がり、結果的にコミュニティでの存在感や関係性が増していくと思います。
個人的にはLTは時間が短く、仮に上手く行かなくても経験値を得たとポジティブに考えるのも良いでしょう。

技術記事の発信
最近、生成AIにより、普遍的な一般的な情報は以前と比べるとはるかに得やすくなりました。このような中で技術記事の価値の低下から、発信のモチベーションが下がっている方もいるように思います。

私は逆に記事を書くモチベーションは上がっています。確かに一般論や普遍的な記事はAIを使えば、書けてしまうため、そのような記事の価値は相対的に下がっています。
一方で、まだAIが十分な情報を集められない最新の事例や、またAIが知りえないあなた自身の経験や体験は、コミュニティにとって、より特別で貴重な情報になりえるからです。

また成功例はあまた公開されていても途中の労苦や失敗した話はなかなか世に出ません。「成功は偶然、失敗は必然」という言葉があります。チャレンジの経験やその成否の経験を出来る範囲でコミュニティに共有することはとても大事な貢献と言えると思います。(とはいえ、失敗談ばかりは心配されるので、上手く行った話やチャレンジした内容も時折入れていきましょう。)

私が技術記事を書く際に、生成AIに最も多く入力するプロンプトは「この体験を共有することはコミュニティにとって価値があるか?」です。

これらをどれくらいの量を書けば良いか?についてはそれぞれのペースで良いと思います。
私自身は、書くことを通じて自分の言語化やSnowflakeの技術理解が進む効果もあり、あまり苦にならず、その自身の体験の言語化や体系化を好きなだけ書いているというところと、ポエムに全然抵抗がないところが、もしかすると他のDSHと異なる私だけの特徴かもしれません笑。

他のDSHの方もLTやイベントでの登壇、技術記事の質と量についてはバランスを取りながら、自分のリソースを配分していると思います。

コミュニティの活性化への貢献

コミュニティの活性化への貢献という点ではどのような取組みがあるでしょうか?

イベントへの参加
参加者が多く、ポジティブなリアクションや自身の発表を取り上げてもらうことは登壇者にとってこれほどうれしい事はありません。
私がイベント参加をする時に、できる限り最前列に座り、しっかりとリアクションするのは、何よりも登壇者に満足してもらうことが重要だと考えているからです。
あなた自身が積極的に発信せずとも、参加者としての振る舞いによってポジティブな行動変容や行動促進が生まれることに寄与していることは多々あります。それらはあなたがコミュニティに貢献していると自信を持って言える、とても大切な行動です。

イベントの企画・グループの立ち上げ・運営の参画
イベント企画や新たなユーザーグループの立ち上げやSnowVillageのMayersへの参画も考えられます。
活気を生み、裾野を広げ、コミュニティだけでなく、参加者や企画者自身の成長の機会を与える交流の機会を作る人を、コミュニティは常に求めています。
いきなりSquadやDSHに応募するのではなく、そのような一つ一つの参加体験を通じて、どのような貢献ができるかを模索するのも大事だと思います。

イベントのLTへの登壇
コミュニティは知見を共有する場です。具体的な技術だけではなく、社内にSnowflakeを浸透させるためのプロセスやメタデータの整備、データガバナンス、場合によっては数万ドルを溶かした話などの苦労話や経験談、それらを発信することは先駆者として後ろに続く人たちの助けとなり、それによって助けを得た仲間はコミュニティへのエンゲージが一層高まるかもしれません。

もしくはコミュニティを通じてエンジニアとして成長し、Snowflakeの活用が進んだ!というのも、ある意味ルーキーやチャレンジャーである、今だからこそできる、あなただけのストーリーかもしれません。そしてコミュニティが大きくなればなるほど、スペシャリストの割合は減り、初心者が多くなっていきます。その時、彼らの一番近くで助けになれる存在はあなたかもしれません。

皆さんのそれぞれの行動により、コミュニティのエンゲージは高まり、裾野が広がり、より多くの経験知が貯まる、そのようなポジティブな場所は、いつしか仕事とプライベートの間にあるサードプレイスと言える居心地の良い場所になると考えています。
そこでは心理的安全性の中でそれぞれが自己の知見や経験を語り合い、称え合い、そして学び合い、健全に競い合う場になっているように思います。

これもまた一つの経験則に基づく仮説であり、私から皆さんへの知見の共有かもしれません。
大事なのは、あなたならではの貢献です。誰かと比べてではなく、自分がやりたいことを探してください。
そこに自分なりの経験や体験、知識などを加えた視点やアプローチにより、あなただけの貢献スタイルを作り上げることが重要です。

皆さんなりの素直な気持ちをぜひ自薦文に載せていただき、誰かと比べるのではなく、自分はこのように貢献したい!と、翌朝書いた原稿を見たら、気恥ずかしくなるような内容であっても、自信を持って宣言していただければと思います。

DSHは特別なプログラムです。誰かの真似や誰かと比べるのではなく、あなただけの貢献価値をしっかりと言語化すれば、誰にでもチャンスがあると考えています。

多くの方が応募することは、コミュニティ全体の活性化につながります。選考は競争ではなく、それぞれの多様な貢献スタイルの認識だと考えています。

4. 1年経って「まだわからないこと」

ここまで話をしておいてですが、正直に言うと、まだわからないことも多くあります。

  • 5年、10年とコミュニティに関わり続ける方々の原動力
  • DSH卒業後のコミュニティとの理想的な距離感
  • より多様なバックグラウンドの人を巻き込むための具体的な方法

これらは、もう少し時間をかけて、多くの方の経験を聞きながら学んでいきたいと思います。
もし、長年コミュニティに関わっている方で、アドバイスをいただける方がいましたら、ぜひお話を聞かせてください。

5. 2026年のプログラムへのチャレンジ

実は自分自身の中でいくつか葛藤もありました。

今年一年自分なりに精一杯やったと思う一方、私自身は徐々に現場を離れ、経営に近い立場でシステム部門すべてを統括する立場となっています。

Snowflakeそのものは、週末に趣味や分析基盤メンバーのサポートとして触る程度になっており、むしろコミュニティと向き合っている時が一番Snowflakeとのエンゲージがある状態となっています。

そのような中で、DSHをもう一年継続することがコミュニティにとっても自分にとっても良いのか?今年以上に来年もコミュニティに貢献できるのだろうか?と悩むことが増えました。

そのようなモヤモヤする気持ちを抱えていましたが、7月頃より自分の20年近いデータマネジメントの経験を振り返った記事を書いたり、日経クロステックのイベントやSnowflake World Tour Tokyoへの登壇を通じた自身の経験の共有の機会がありました。
また11月、12月に予定されている、いくつかのSnowflake以外のイベント登壇やその準備などのイベントではSnowflakeだけではなく、経営的な視点でお話する機会もありました。

そのようなイベントや記事を通じた自分の考えを言語化する中で、自分なりのチャレンジと思えることがいくつか見えてきたことで、自分の葛藤も少しずつ減っていき、「逃げたら一つ、進めば二つ」という言葉にも後を押され、偉そうにも、もう一年DSHをやってみようと思い直し、申請をしたいと心に決めました。

レガシーをどう乗り越え、AI時代に備えたデータ基盤を構築していくのか?レガシーな企業における道標になるための様々な事例の共有や、データコラボレーションを生み出すための事業との橋渡し、ある意味ビジネスユーザーに近い働きを行うDSH像にチャレンジしたいと考えています。

これは、コミュニティへの貢献の様々な手段の中で、私だけに与えられた特別なチャレンジかもしれません。

また今年は3月から12月まで毎月いずれかのイベントやウェビナーへの登壇や、FrostyFridayへの参加もさせてもらったので、このような取組みを継続できると良いなと考えています。

もちろん、マイルールにしている、週一社外コミュニティへの参加も続ける予定です。

技術面では最先端を追うというよりは、自分の興味関心がある領域に対するノウハウやそれらの体系化、Snowflakeへの期待と叱咤激励を込めた考察記事などを書くことに注力していこうと思います。
それはつまり、自分自身の体験をコミュニティへの価値に変換するプロセスだと考えています。

6. コミュニティへの応援と期待

来年のプログラムはこれまで以上に多くの方が応募されると思います。そのような中で、もし選出いただけましたら、今年以上に貢献が期待されていると一層気を引き締めたいと思いますし、選出いただけなかった場合は、今年以上に温かい目で見守っていただければと思います。

多様な方が応募いただく中で、私自身が選出いただけなかった場合、それはよりコミュニティに貢献したいと思う方が増えたことであり、コミュニティがより多様に発展している状態と考えています。

私も、もちろんDSHを特別なものと考えていて、さらなる貢献をコミットするつもりですが、それはDSHになってもならなくても変わりません。その年ごとの自分とコミュニティの関係性を振り返り、自分ならではの、コミュニティへの貢献と楽しさを追究したいと思います。

またこの記事を通じて、SnowVillageや何等かコミュニティに参加したり、よりコミュニティを盛り上げるアクションをしてくれたり、その結果として、SquadやData Superheroes、何れかのコミュニティリーダーへチャレンジしようと思い立ち、自身の貢献意欲を言語化して、熱量を今まで以上に上げてくれる人が、ひとりでも増えてくれると良いなと思い、また日本のコミュニティからData Superheroesがより多く誕生することを期待しながら、この記事を終えたいと思います。

自分の経験と思いを込めた記事で、ポエム風な部分もあったかもしれませんが、ここまで読んでいただき、ありがとうございました!

付録

このようなきっかけをくれることになった、Snowflakeおよび日本のコミュニティである、SnowVillageには改めて感謝するとともに、そういえばSnowVillageの紹介をしていなかったことに気づき、今更ながら、SnowVillageの紹介をさせていただきます。

色々なコミュニティがありますが、私が知る限り、SnowVillageやSnowflake勢はとても陽気でオープンでチャーミングな人が多いように思います。Snowflakeという名前から、クールでスタイリッシュな感じでもおかしくないのですが、どちらかというとポップでラテンなテンションかもしれません笑。
https://usergroups.snowflake.com/snowvillage/

もし少しでも興味を持ったり、何か話だけでも聞いてみようと思った方がいましたら、ぜひ以下のSnowvillageのユーザー会開催情報を見て、まずはオンラインイベントからでも参加してみてはいかがでしょうか?
https://techplay.jp/community_group/snowflake_users

またオフラインも最初は気恥ずかしいかもしれませんが、受付で「今日初めて来たんです」と一言言うだけで、話相手は見つかると思います。人と話すのが苦手であれば、そのような距離感もコミュニティの中では実現可能です。

そんな素敵な体験ができる皆さんのコミュニティがより良い場所であり続け、皆さんそれぞれがコミュニティを通じた成長体験を得られることを祈っております。

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