Unreal Engine 5.5が正式リリース! 新機能をわかりやすく解説!
🐱2024年11月13日UnrealEngine5.5がリリースされました。今回は5.5の新機能について簡単にまとめていきます。
YouTubeでも解説しているのでぜひ参考にしてみてください↓
公式ページ↓
・Unreal Engine 5.5 Feature Highlights
・Unreal Engine 5.5 がリリースされました (注目機能)
・Unreal Engine 5.5 リリース ノート (全ての機能)
記事はこちらから↓
①ライトを無制限に配置できる「MegaLights」
まずMegaLightsについて紹介します。MegaLights機能は動的シャドウを落とす何百ものライトを制約なしに追加できます。わかりやすく言うとゲーム中の動的なライト,つまり光の当たり方が変化するようなライトをほぼ無制限で配置できる機能という事です。
今まではこのゲーム中の動的なライトは非常に重たい処理でしたが、MegaLightsを使用する事でパフォーマンス良くライトを使用する事ができます。実験的な機能ですが実際に試した人の動画とかも見てみるとMegaLightsを使用する事で明らかにゲームのパフォーマンスが良くなっていたので、かなり実用性には期待できます。
🐱動的なライトはかなり重たい処理なのでMegaLightsによって制限がなくなるとか信じられないですね。Naniteと同じぐらい衝撃的な機能です。
②Fabの統合
5.5でFabはエディタに統合されます。QuixelMegascansなども含めたアセットをシーンに直接ドラッグ アンド ドロップできるようになります。FabからコンテンツブラウザにインポートすることもでるのでEpicGamesLauncherより効率的にアセットを導入できます。
🐱5.4ではFabプラグインでしたがこれはかなり便利だったのでデフォルト導入は嬉しいですね!
③キャラクターのカスタマイズ機能の追加
プレイ中にキャラクターの見た目がカスタマイズできる機能がUnrealEngineに追加されます。
動的にキャラクターのスケルトンやメッシュ,マテリアル,テクスチャを生成できるため、いわゆるキャラクターのカスタマイズが行えます。例えばキャラの服装や髪型を変えたり、武器のアタッチメントを変更したりするための機能になっています。
🐱最近のAAAタイトルのゲームではカスタマイズ機能が必然みたいな所があるので、これはかなり助かりますね。
④音声データから表情アニメーションを生成する「MetaHuman Animator」
MetaHuman Animatorでは,録音した音声をもとに顔や口の動きを自動的に生成してくれます。
要するに音だけ用意したら顔のアニメーションが作れる機能という事になります。ローカライズ機能も実装されており,それぞれの言語に合わせたアニメーションを適用可能らしい。日本語はわからないですが英語のみならずフランス語でも話している様子が確認できます。しかも話し言葉だけではなくて、ちょっとした咳でも顔の表情のアニメーションを生成してくれるようです。
🐱現時点ではMetaHumanのみの機能ですが、将来的にMetaHuman以外でもできるようになったら最高ですね。
⑤シーケンサーが使いやすくなってアニメーション機能が向上!
シーケンサーはより使いやすくなってフィルター機能によってより詳細設定にアクセスしやすくなりました。これによってアニメーション作成時間を短縮できるようになったとのことです。
また非破壊的なアニメーションレイヤーが追加されました。アニメーションレイヤーというのはアニメーションをレイヤーごとに分けて管理し、異なる動きを簡単に組み合わせるための仕組みです。例えばキャラクターの各パーツ(例えば上半身と下半身)に別々のアニメーションを割り当てることができます。たとえば、下半身には「走る」アニメーションを適用し、上半身には「武器を振る」アニメーションを同時に再生する、といったことが可能です。そしてWeightでそれぞれのアニメーションの比重を編集できるようです。
⑥メッシュを変形できるアニメーションの機能追加
またシーケンサーからコントロールリグをワンクリックで適用でき、キャラクターを押しつぶしたり、引き延ばしたりといったアニメーションエフェクトも作れるようになりました。
コントロールリグ内でカスタムデフォーマーを生成して、シーケンサー内のキャラクターにワンクリックで簡単に適用する新機能を使用して、触れた時の変形やより優れたカートゥーンのアニメーションっぽいものなど、これまで以上にリアルなアニメーションエフェクトを作成できるようになりました。
⑦マテリアルデザイナー(ノードなし)のPBR完全対応!
UE5.4で追加されたマテリアルデザイナーですが、こちらはノードを使用せずにマテリアルを作成できる機能です。そのマテリアルデザイナーがPBR(現実っぽくレンダリングするための手法)に完全対応され、複雑なマテリアルを簡単にビルドできるようになりました。マテリアル編集時によく使うAlbedoやMetallic,Roughness,Normal Mapなどの現実っぽくレンダリングするための設定に完全対応したとのことです。
複数の画像や色、ノイズ パターンを重ねた複雑なマテリアル デザインが可能になります。また、複数テクスチャのドラッグ&ドロップ機能も使えるため、より素早く効率的にマテリアルを作成できます。
🐱これについてはまだ使えてないのですが、超期待しているので今後調べてまたチュートリアル作りたいと思います!
⑧SkySphere(天球)を使用しないレンダリング機能
Unreal Engine 5.4 で実験的機能として導入されたムービーレンダリンググラフ (MRG) もこのリリースでベータ版に移行しました。MovieRenderGraph(MRG)はUnrealEngine5.4から導入された機能で、高品質な映像シーケンスやムービーレンダリングを作成する際のレンダリング設定をノードベースで管理できるシステムです。このMRGがランドスケープ、空の大気などすべてのアセットタイプが、MRGのレンダリングレイヤー機能で完全にサポートされ、SkySphere(天球)を使用する必要がなくなりました。
天球を使用しない事で動的に環境の変化をもたらす事ができます。例えば雲の形や大気などをテクスチャではなく、実際に3D上で作りだして環境を構築する事ができます。
⑨複数の選択肢を用意できるテーブル機能「Chooser」
UE5.5では、条件に応じた選択機能を担うシステム「Chooser」が実用的になりました。
Chooserを使うことで、「体力量と所持する武器に応じて異なるアニメーションアセットとウィジェットを使う」など、出力に複数の条件が関与する選択ロジックを、Selectノードを多用せずに実装できます。つまり、武器を持っていて大ダメージをくらった時にはモーションが全体的に大きいアニメーションを使用して、小さいダメージをくらった時にモーションが小さめのダメージリアクションをとるといった感じになります。
⑩モバイルのグラフィック機能の拡充
モバイル向けの機能ではライティングなどのグラフィックス機能が拡大されました。モバイルフォワードレンダラには、プラットフォーム上の視覚的な忠実度を向上させる多数の新機能が搭載されています。そして、D バッファ デカール、矩形エリア ライト、カプセル シャドウ、ポイント、スポット ライト用の移動可能な IES テクスチャ、ボリュメトリック フォグ、および Niagara パーティクル ライトがサポートされるようになりました。スクリーン空間の反射が、モバイル フォワード レンダラとディファード レンダラの両方で機能するようになりました。
🐱モバイルはPC版と違ってグラフィック機能が制限されていましたが5.5で拡充されるとの事です。要するに選択の幅が広がるのでグラフィックが向上するのは間違いないでしょう。
⑪その他
モジュラーコントロールリグはベータ版になり多数の改善が施されました。モジュラーコントロールリグというのはリグを「部品」ごとに分けて自由に組み合わせられるようにする機能です。キャラクターの手や足、頭など、部分ごとにリグを作れるので、それぞれの部品を自由に動かしたり、再利用したりできます。そのモジュラーコントロールリグより迅速に構築できるようにユーザーインターフェースに改良が加えられています。
Navmesh間を移動できる自動生成機能「NavLink」が追加されました。これによりNavMeshで補間されていない場所をまたいでAIが移動するといった事が可能です。
CreateSplineMeshノードというものが追加され、PCGでスプラインに簡単にメッシュを割り当てられるようになりました。スプラインというのは線を描くためのツールで、オブジェクトの移動や生成、経路の設定などに利用されます。これにより、スプラインメッシュアクタを作成するプロセスが非常に簡単になりました。
プロシージャルな非破壊的機能(リアルタイムで元アセットを破壊しないまま)によって、これまで以上に簡単に Unreal Engine でテキスト アニメーションを作成できるようになりました。個々の文字を正確に対象にし、動的で愉快なテキスト エフェクトを簡単に適用できます。非破壊的アプローチであるため調整の手間がなく、制作プロセス全体を通して制御性と柔軟性を提供します。
レンダリング機能も強化され,動的な対局照明システムのLumenを,ハードウェアサポートがあるプラットフォーム上の60Hzで実行可能となった。
まとめ
特にMegaLightsやマテリアルデザイナーはかなり期待している機能です。またFabの統合やキャラクターのカスタマイズについても利便性が上がったので非常に嬉しいポイントです。その他はアニメーション機能の向上が色々と多かったアップデートになりました。
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