Enterprise レベルの GitHub Apps が GA!|Productivity Weekly(2025-03-12)
こんにちは。サイボウズ株式会社 生産性向上チームの佐々木です。
僕たち生産性向上チームは毎週水曜日に Productivity Weekly という「1 週間の間に発見された開発者の生産性向上に関するネタを共有する会」を社内で開催しています。
本記事はその時のネタをまとめたものです。
2023-01-25 号から、基本的に隔週で連載することとしました。たまに単独でも投稿するかもしれません。
今週は 2025-03-12 単独号です。
今回が第 182 回目です。過去の記事はこちら。
news 📺
Enterprise-owned GitHub Apps are now generally available - GitHub Changelog
2024 年 10 月に登場した Enterprise レベルの GitHub Apps が GA になりました。
Enterprise レベルの GitHub Apps は GitHub Enterprise に作る GitHub App であり、作成した App は配下の Organization にインストールできます。
これまでは個人か Organization 単位でしか GitHub App を作れなかったため、複数 Org で App を使いまわしたい場合、Org ごとに同じ App を作成したり、App を public にしたりする必要がありました。
今回 GA になるにあたり、次の変更が追加されました。
- EMU[1] や Org の App を Enterprise に移行できるようになった
- Enterprise から他の Enterprise への移行はできない
- Enterprise App に対する権限の更新が自動で Org に反映されるようになった
- 例えば Marketplace なんかの App を使ってる時に大元の App の権限が更新された際にそれを承認するかどうかを聞かれるのと同じことが Enterprise の App でも起こってたんだと思う。でも同じ Enterprise 内だから Org 側の承認作業が必要なくなったのだと思われる
なお、GA となっても admin:enterprise
系の権限付与はできませんでした。個人的には Enterprise レベルの API を実行するシステムを作る時に現状 PAT しか選択肢がないので Enterprise レベル GitHub App での認証ができるようになると嬉しいです。
また、今後 Enterprise 所有者でないユーザーやチームが特定の Enterprise App を管理したり、企業内のすべての Apps を管理できるようにするために、App Manager Role とポリシーの整備に取り組んでいるとのことです。これは楽しみですね。
なんらかの理由で Org ごとに似たような App を作っている場合は、この機能を使って一本化できるかどうか検討してみましょう。
本項の執筆者: @korosuke613
GitHub Issues & Projects: API support for issues advanced search and more! - GitHub Changelog
GitHub Issues、Projects のアップデート情報です。3 つの新機能、変更があります。
- Issue 検索を REST API、GraphQL で行う場合
AND
、OR
やネストされたクエリを利用できるようになりました- REST API の場合は
advanced_search
パラメータのtrue
、GraphQL の場合はtype
にISSUE_ADVANCED
の指定が必要です - 2025/09/04 以降はデフォルトで有効化され、上記パラメータの指定は不要になります
- REST API の場合は
- Issue type が追加・変更・削除された際、これらのイベントが Issue タイムラインに表示されるようになりました
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プライベートリポジトリのみで利用できる Issue type が廃止&削除されます (2025/03/26)
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Private repositories only
にチェックが入った Issue type が Issue 上のマーク含めて 3/26 に削除されます - もし今後も同じ Issue type を利用したい場合は
Private repositories only
チェックを外さなければいけません[2]
-
嬉しい変更もありつつ、Issue type の廃止・削除は利用ユーザには厳しい変更ですね。プライベートな Issue type を利用している場合は急ぎ対応しましょう。
本項の執筆者: @korosuke613
Easily distinguish between direct and transitive dependencies for npm packages - GitHub Changelog
GitHub の機能の依存関係グラフにおいて、あるパッケージへの依存が直接的なものか推移的なものか区別できるようになりました。推移的依存の場合、そのパッケージに到達可能な直接的依存の特定も可能になりました。また、GraphQL API もどちらの種の依存か返すようになったとのことです。
Dependabot を使っている場合に便利そうです!
本項の執筆者: @ajfAfg
A 10x Faster TypeScript - TypeScript
TypeScript コンパイラ tsc
のネイティブ実装が進んでいるようです。
プレビュー版は 2025 年の中程、完全な実装は 2025 年末のリリースが予定されています。
巨大なコードベースを扱う際、現在の tsc
の実装ではしばしば遅延が発生します。
この問題を解決するために、 tsc
の Go への移植が行われています。
現時点ですでに、 VS Code (1,505,000 行) のコンパイル時間が 77.8 秒から 7.5 秒に短縮されているようで、かなりの高速化が期待できそうです。
本項の執筆者: @takoeight0821
ChatGPT、ローカルマシン上のXcodeやVSCodeのコードを読み込み、直接編集してプログラムを作成可能に。Mac版の新機能として - Publickey
ChatGPT for Mac に、Xcode や VSCode を直接操作してコード生成を行う機能が追加されました。
今まで、 ChatGPT によるコード生成は、ソースコードをチャットにコピペするなどの一手間が必要でした。
この新機能により、 より手軽に ChatGPT をプログラミングに活用できるようになりそうです。
VSCode の拡張ではなく、独立したアプリケーションとして提供されているのは興味深いです。
本項の執筆者: @takoeight0821
know-how 🎓
「読みやすいコード」を依存グラフで考える
コードの疎結合・高凝集を依存グラフ(Dependency Graph、依存関係グラフとも呼ばれる)から説明する話です。可能な限り一方向の依存を心がけ、サイクルはグラフの端に追いやるとよいとのことです。関連して、手続き的なコードに対して、宣言的なコードは一方向の依存を作りやすいために読みやすいとの説明もあります。
わかる〜という気持ちです。クリーンアーキテクチャのような設計論のプリミティブな形だなと感じました。
本項の執筆者: @ajfAfg
read more 🍘
Productivity Weekly で出たネタを全て紹介したいけど紹介する体力が持たなかったネタを一言程度で書くコーナーです。
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news 📺
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Personal custom instructions for Copilot are now generally available on github.com - GitHub Changelog
- 以前もお伝えしました GitHub Copilot on github.com のパーソナルカスタムインストラクションが GA になりました
- 特に GA による機能の変更はなさそうです。以前の記事を参照してください
- どんどん使っていきましょう
- 本項の執筆者: @korosuke613
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February 2025 (version 1.98)
- Custom instructions が GA になるなど。
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AWS Weekly Roundup: Amazon Q CLI agent, AWS Step Functions, AWS Lambda, and more (March 10, 2025) | AWS News Blog
- 2025 年 3 月 10 日時点での AWS に関するアップデート情報です。生成 AI の話題が多め。
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Personal custom instructions for Copilot are now generally available on github.com - GitHub Changelog
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know-how 🎓
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MCPで広がるLLM 〜Clineでの動作原理〜
- Cline や Cursor で用いられる MCP (Model Context Protocol) の解説記事です。MCP を喋るクライアント・サーバーの実装例も併せて紹介されています。
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2024 Accelerate State of DevOps Report 概説#4 『Four Keysは解散前夜なのか!"変更失敗率"がグループ離脱?』 - Findy Tech Blog
- 2024 DORA Report に関する解説記事です。原初の Four Keys からの差分や、UX を重視するとエンジニアの生産性が上がる話が紹介されています。
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生成AIにdraw.ioのAWS構成図を作図させてみた | DevelopersIO
- いくつかの生成 AI モデルで AWS 構成図を生成してみた記事です。現状は Claude 3.7 Sonnet や Claude 3.5 Sonnet が強いみたいです。
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MCPで広がるLLM 〜Clineでの動作原理〜
あとがき
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