1年半のマネージャー経験から見出した1on1術
本記事は株式会社ココナラ Advent Calendar 2024 20日目の記事です。
こんにちは!株式会社ココナラマーケットプレイス開発部でフロントエンドチームのチームマネージャーをしている じょーじ です。
チームマネージャーになって1年半ほど経った私が、メンバーと1on1を実施する中で試行錯誤を重ね得た知見を、自身の整理を兼ねて共有したいと思います。
これからマネージャーになる方や、すでに1on1を行っている方の参考になれば幸いです。
ここでお伝えするのは、あくまで私個人の意見になります。
1on1の目的
私の中での1on1の目的は、以下の3つです。
- お互いについて理解を深め、信頼関係を構築する
- メンバーのキャリアプランを把握し、メンバーの成長促進のサポートを行う
- メンバーのコンディションを確認しつつ、モチベーションを高めていく
1on1の実施について
頻度
1on1の頻度はメンバーの状況に合わせて変えていますが、基本的には週1回30分で実施しています。予定が合わずスキップする場合でも、2週間に1回は必ず実施するようにしています。
30分の時間配分
目安時間 | 内容 | 目的 | 詳細 |
---|---|---|---|
3分 | アイスブレイク | 場の空気を和ませてラフな会話ができる状態にする。またメンバーのことを知る良い機会でもある | プライベートな話が主で、お昼のご飯の話や週末の話などをする |
24分 | 議題 | 成長促進のサポートを行う | 基本的にはメンバーからの議題を優先する |
3分 | モチベーションの確認 | 定期的にモチベーションを確認し定量化することで、モチベーションの推移を把握できて次のアクションが取りやすくなる モチベーションが上がっている場合 ・モチベーションが上がる理由や傾向を知ることができる ・前向きなアクションが行える モチベーションが下がっている場合 ・普段から気にかける頻度を増やすきっかけになる ・理由をヒアリングし、モチベーションを上げるための打ち手を検討できる |
モチベーションを5段階評価で確認し、その理由をメンバーにヒアリングする |
※ 信頼関係が構築できていない間は、アイスブレイクの時間を長くしたりとメンバーによって変更することがあります。
1on1で意識するべきこと
1. メンバーが主役であること
- 基本的にメンバーからの議題を優先する。
- 傾聴を意識し、否定はなるべくしない
- メンバーからの議題がないときは、以下を聞いたりします
- 最近の困りごとはないか
- 成長支援のために、直近行ったタスクの振り返りを一緒に行う
- 評価を上げにいくために、現状の状況を一緒に確認する
- 他のメンバーで、気になる人はいないか(モチベーションを中心に)
2. タスク管理のための時間ではない
- メンバーのための時間なので、進捗確認をしたりタスクのインプットなどはしない。する場合は別の時間で行う(ただ意識しつつも、たまにサクッと進捗確認を行ってしまうときもあります…)
- 1on1の議題としてメンバーから聞かれたら例外
3. 対立関係ではなく、協力関係
- 自身も対応方針が思いつかない課題に関して、メンバーに考えることを押し付けるのはNG。一緒に考えメンバーを孤立させない
- 過去に私自身がタスクの進め方がわからず、何度か上司に相談したが自身で考えるように言われ、孤立感を感じてつらい時期が前職であったので、その経験からこのように考えるようにしている
- なるべく「上司」と「部下」という上下の関係ではなく、横並びという意識。目線を揃えサポートを行う。共に仕事をする仲間であることを認識する
- ただし一定ティーチングが必要な場面があるので、その場合は上司と部下の関係でメリハリを持って対応
4. 1on1で発生したマネージャー側のTODOは、次の1on1までに進捗を出すべし
- 1on1で発生したマネージャー側のTODOは、ネクストアクションを明確にし実施すること
- ネクストアクションの結果は、次の1on1で必ず進捗を共有すること
- 有耶無耶にすると、信頼関係が壊れ徐々に相談されなくなる
- 忘れないためにもタスク管理することが大事(※後述)
- 迅速に動き次の1on1までに完了することが望ましいが、進捗共有だけでも良い。忘れずに動いていることを伝えるのが大事
5. ネガティブフィードバックするときは、事前準備がマスト
- 1on1でネガティブフィードバックをすることもあります。その時は考え抜いてフィードバックを行う
- フィードバックの伝え方や内容によっては、メンバーのモチベーション低下や信頼関係の悪化に繋がる可能性がある
- 自身の感情は混ぜず、事実を述べていく
- 事実を伝えるために、ステークホルダーと納得行くまで話をして、自身のなかで問題をしっかり把握する
- 自身の言葉で伝えることが大事。伝言ゲームはしない
- メンバーの成長促進のため、振り返りはセットで行う
- ネガティブフィードバックをしないことで成長の機会を逃したり、評価のタイミングで認識齟齬が発生したりするので必ず行う
- 褒めるときはしっかり褒める。ポジティブフィードバックはなるべく1on1などの閉じたところではなく、オープンな場で行うようにしている
1on1をより良いものにするために
1on1の議事録は共有ファイルで管理
- 双方がいつでも議題を思いついたタイミングで入力ができ、伝え漏れがなくなる
- 議事録が残っているので、前の話をいつでも見返せる
- 1on1で発生したTODOの管理ができる
- とくにマネージャー側のTODO管理の工夫が大事。私は現在メンバーが10人以上おり、TODOを管理するのが大変なので、メンバー全員の1on1シートを参照して、TODOを一覧化するサマリーを作成してTODO管理をしている
対面で行う1on1では、外部ディスプレイで共有しつつ議事録を取る
- 同じディスプレイを見るので同じ方向を見る
- (個人的には)対面でやると対立?の関係っぽくなるが、同じ方向を見るので寄り添った関係のようになると思っている
- 各々PCを見たりなどの時間もなくなり、顔を上げて話し合いができる
- アイスブレイクで出た旅行の話題など、実際に検索して画像を見ながら会話できたりすると盛り上がる
- もし外部ディスプレイを使わないと
- マネージャー側が手元のPCで何やってるのかわからない(他の作業をやっているかもしれないと思ってしまう)
- どんなふうに議事録を取っているかわからない。ちゃんと伝わっているのかが確認できない
- どこまで議事録を取ってるかわからないので、話の続きをするタイミングがわからない
共通認識を持つためにも、外部ディスプレイを使用しています。
前にメンバーから「じょーじさんって1on1中に目が笑ってないときありますよね。」と言われたことがあり、その対策として取り入れたという経緯もある。
最後に
改めて文章化してみると、自身でもできているところとできていないところがあると感じております。
まだまだ経験値が足りないので、メンバーによってマネージメント手法を変えたり、メンバーの変化の早期検知や、課題に対する指導の妥当性がまだまだ未熟なところが多いと感じています。
ただ1on1を終えた後に、メンバーのモチベーションが少しでも上がっていると、マネージャーとしてのやりがいを感じます。
1on1の目的やスタイルは、会社や人によってそれぞれあると思いますが少しでも参考になれば嬉しいです。
明日は@fuji11さんによる 「AndroidのTypographyと格闘した話」 です。
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