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MuseScore Studioの開発環境構築
はじめに
この記事は、東京大学工学部電子情報工学科・電気電子工学科の学生実験「大規模ソフトウェアを手探る」のレポートの一部として書かれたものです。
レポートの全記事をご覧になりたい方は下のリンクよりご覧ください。
この記事では、オープンソースの楽譜作成ソフト「MuseScore Studio」の開発環境の構築する方法を紹介します。
開発を始めるまで
以下のリンクからMuseScoreのGitHubリポジトリのWikiにアクセスできます。
Wikiは2024年10月現在もアップデートされ続けていて、手順どおりに進めれば問題なく動くようになっています。
Wikiの記述はWindows、MacOS、Linux(Ubuntu)のすべてのOSに対応しています。
注意点としてはWindowsの場合、WSL2の利用が推奨されていないことです。筆者は、普段の開発環境はWSL2を利用していますが、今回は素のWindowsで環境構築を進めました。
MuseScore Studioは、QtというクロスプラットフォームなGUIフレームワークを利用した、Qtプロジェクトになっています。開発環境は、QtプロジェクトのためのIDEであるQtCreatorを導入します。ビルドやデバッグのための一通りの機能は揃っています。
環境構築後は、OSの違いを気にすることなく開発を進められました。
IDE画面の見方
Qt Creatorの画面は以下のようになっています。レイアウトは一般的なIDEとほとんど同じですが、今回の開発でよく使った箇所を軽く紹介しておきます。
- ビルド、起動します。初回はかなり時間がかかりますが、2回目以降は変更差分だけコンパイルするので、かかる時間はかなり減ります。
- ビルドされたソフトウェアで操作をすると、対応したログが流れます。ログを読むことで、変更したい箇所に関連するファイルを見つけられます。
- コード行番号の横をクリックすることでブレークポイントを設置できます。実行がブレークポイントに達した時点で動作を止め、変数を監視したり、ステップ実行を行ったりできます。
おわりに
Wikiの読み落としにだけ注意すれば大きな問題はないはずです。
ツールのインストールやビルドで時間と容量はそれなりにかかりますが、決して難しくはないのでぜひ挑戦してみてください。
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