バッテリーレスのベランダ太陽光発電
こんにちは、Chariot Lab.です。 今回は、ベランダ太陽光発電の記事を書きます。 ベランダ太陽光発電といっても、私が紹介するのは、系統連系システムではないのに、バッテリーを用いないシステムです。 このようなシステムの実用報告例はあまりありません。
まず、一般的な太陽光発電システムには、系統連系システムと独立電源システムがあります。
系統連系システムとは、発電量で電力が足りなければ系統から電力を買い、発電量が消費量を上回れば、系統に電力を売るシステムです。 このシステムが出回り始めた当初は、費用対効果で儲からないものを、国の制度で無理やり使用者が儲かるようにしていました。 しかし、最近では、太陽光発電システムが安くなり、また電力単価が上がったので、政府の補助金がなくても十分元が取れるようになってきました。 それプラス政府の補助金で、さらに大きなメリットが生じるようになりました。

独立電源システムとは、発電量で電力が足りなければ蓄電池に蓄えられた電力を消費し、発電量が消費量を上回れば、蓄電池に電力を蓄えます。 このシステムは、電力系統とつながっていないため、電力を売ることはできません。 また、蓄電池に蓄えられた電力がなくなると、それ以上電力を使うことはできず、蓄電池が満タン(満充電)になると、それ以上電力を蓄えることはできません。

ベランダ発電による独立電源システムは、屋根の上に設置する系統連系システムに比べ、導入費用は安いですが、発電量は少なく、また導入費用当たりの発電量は少なめです。 つまり費用対効果は悪いことが多いです。
Chariot Lab.が今回導入したのは、バッテリーレスのベランダ太陽光発電で、PC(パソコン)にのみ給電します。PC内部では、12V、5V等の低電圧の直流が用いられています。今回導入したシステムでは、太陽光パネルで発電した電力を100Vの交流に変換せず、PC内部の12V、5Vに直接変化し給電します。このシステムは、電力系統に接続しますが、電力系統に電力を売ったりはしません。 この方式は、Chariot Lab.が独自開発して、特許を取ったシステムで、Chariot SACSと呼んでいます。

私の自宅は、引っ越してきた当初は目の前が空き地だったので陽あたりがよかったのですが、現在は目の前にアパートが建ってしまい、午前中しか陽があたりません。 10月ですと、よく発電するのは、朝の9時から11時ごろまでです。 太陽電池は単結晶の160Wのものを、ベランダの壁に立て掛けています。特に固定したり、架台を使ったりはしていません。太陽電池からは、太陽電池用のケーブルを接続し、ホームセンターのカー用品コーナーなどで売っているエーモンの配線を接続しています。 あまりおすすめしませんが、ベランダに行くときに開ける窓の隙間に、無理やり配線を通しています。そのため、その窓をロックするのは一苦労ですが、一応ロックできます。 エアコンのダクト穴が使える方は、ダクト穴を使った方がおすすめです。
太陽電池から配線を通じて、Chariot SACSの基板に接続します。 Chariot SACSの基板は、太陽電池からの電力を12V、5Vに変換し、PC電源が電力系統の交流100Vから変換した12V、5Vと混ぜ合わせます。 ここで、太陽電池が発電しない夜間等は、電力系統からの電力のみ使い、太陽電池が発電すると、発電量に応じて、太陽電池からの電力を優先的に使い、その分電力系統からの電力使用を減らします。この制御は、Chariot SACSの基板が、フィードバック制御により、自動的にやります。 そのため、太陽光が発電したりしなくなったりしても、人間が配線を切り替えたりする必要はありません。 また、万一太陽光パネルからChariot SACSの基板までの配線が切れたりしても、すばやく電力系統からの電力のみを使用するように切り替えるので、PCが遮断したりはしません。
使用しているPCは、CPUにCore i5-13500を搭載し、メモリ128GB、専用グラフィックボードなし、M2 SSD 1基(2TB)、SATA SSD 1基(2TB)、HDD 2基(12TB)といったスペックです。 このスペックで、アイドル時の消費電力は46W程度となります。CPUに負荷がかると、100Wから150Wくらい消費します。

このPCで、アイドル時の消費電力46Wのうち、12V、5Vでの消費は36W程度で、太陽光パネルの発電量が36W以下の場合すべて消費し、それを超えてしまうと、残念ながら有効に利用されません。PCに負荷がかかっている状態だと、それ以上の発電量も有効に利用されます。 目の前に別のアパートがある状態で、一日にだいたい100Whくらいの電力が有効利用されます。 電気代にして4円程度です。 もっと日照がよい方はもっと電気代を節約できることでしょう。 このシステムの導入費用は10万円程度で、従来の独立電源システムより、はるかに電力効率や費用対効果が良いと自負しております。
尚、Chariot SACSは、発電した以上を家計の消費電力から節約することがあります。 技術的なことは、Chariot SACSの技術紹介ページをご覧ください。 それでは今後ともChariot Lab.をよろしくお願いいたします。
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