機能開発を終えテストと品質を徹底的に固めた一日(開発日記 No.098)
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はじめに
昨日はテストカバレッジの維持とE2Eテストの実装に時間を費やしました。そして今日、いよいよ機能開発を一段落させ、明日のリリースに向けて最終的な品質向上に全力を注ぐ一日となりました。今日の最重要テーマは、テストカバレッジの維持・向上、E2Eテストの拡充、そしてテンプレート・モデル指定機能のテスト強化です。
背景と目的
今回の開発サイクルで計画していた主要な機能開発は、本日で完了させる予定でした。明日にはリリース作業を控えているため、今日の最大の目的は、開発した機能の品質を徹底的に保証することです。具体的には、テストカバレッジを高い水準で維持し、ユーザー視点での動作確認となるE2Eテストをさらに拡充することで、自信を持ってリリースできる状態にすることを目指しました。また、特に重要なテンプレート・モデル指定機能については、網羅的なテストを実施し、潜在的なバグを潰しきる必要がありました。
検討内容
今日の作業計画は、機能開発の完了を前提に、品質保証に焦点を当てる形で立てました。具体的には、以下の点を重点的に検討し、作業を進めることにしました。
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テストカバレッジ向上:
converter.py
など、アプリケーションの核となる主要モジュールのテストカバレッジが十分かを確認し、不足している部分があればテストコードを追加・修正する。 - E2Eテスト拡充: ユーザーが実際にアプリケーションを使うシナリオを想定し、E2Eテストのシナリオを追加・自動化する。これにより、システム全体が意図通りに連携して動作することを確認する。
- テンプレート・モデル指定機能のテスト: この機能はユーザーの利用体験に直結するため、様々なパターンでの指定方法や組み合わせを想定し、網羅的なテストケースを設計・実行する。
- テスト設計・品質保証観点の見直し: これまでのテスト設計に漏れがないか、より効果的な品質保証の方法はないかを見直し、必要に応じてテストコードやテスト実行手順をリファクタリングする。
- ドキュメントの整合性確認: 仕様書、README、開発手順書などが現状のコードと乖離していないかを確認し、差分があれば修正・整備する。
これらの検討を通じて、単にテストを実行するだけでなく、「なぜこのテストが必要なのか」「このテストで何を確認したいのか」という品質保証の観点を常に意識しながら作業を進めることを心がけました。
実装内容
検討内容に基づき、具体的な実装作業に取り掛かりました。
まず、最も重要視したのが、仕様書(/docs/specification.md
)と実際のテスト、そして実装コードの間の整合性を最終確認することでした。仕様書に書かれていることが、コードで正しく実装されており、さらにそれを検証するテストコードが存在するかを一つ一つ丁寧に確認しました。
この確認プロセスの中で、当初の計画から外れた不要なテストコードや、仕様外の例外処理などが残っているのを発見しました。これらはコードベースを複雑にし、今後のメンテナンスの妨げになる可能性があるため、思い切って整理・削除しました。
次に、テストカバレッジの向上に取り組みました。カバレッジレポートを確認しながら、特にカバレッジが低いモジュールや関数に対して、不足しているテストケースを追加しました。また、E2Eテストのシナリオをいくつか追加し、それらを自動実行できるようにテストスクリプトを修正しました。
テンプレート・モデル指定機能については、考えられるあらゆる入力パターンやエラーケースを想定し、テストケースを拡充しました。これにより、この機能の堅牢性を高めることができました。
最終的に、全てのテストを実行し、無事、全てのテストが正常にパスすることを確認しました。また、目標としていたテストカバレッジ90%以上を維持できていることも確認しました。
これらの作業が完了した後、開発中の変更内容をmainブランチに反映しました。今回は直接mainブランチにコミットする形式で進めたため、プルリクエスト(PR)は不要でした。mainブランチとリリース用のブランチ(release/2025-06-06
)に差分がないことを最終確認しました。
最後に、開発終了処理として、変更内容のコミット、リモートリポジトリへのプッシュ、そして本日の開発記録の反映を行いました。
技術的なポイント
今日の作業における技術的なポイントはいくつかあります。
一つは、テストカバレッジ90%以上を維持したことです。これは単に数字を達成するだけでなく、主要なコードパスがテストされていることを意味します。特に、アプリケーションのコアとなるロジックや、ユーザーからの入力処理に関わる部分のテストを重点的に強化しました。
また、E2Eテストの自動化を進めたことも重要なポイントです。手動でのE2Eテストは時間がかかりますし、ヒューマンエラーのリスクもあります。自動化することで、リリースのたびに迅速かつ確実にシステム全体の動作を確認できるようになります。ただし、E2Eテストの自動化は環境構築やテストデータの準備など、設計面での考慮が必要となる場合があるため、今後の課題でもあります。
そして、仕様書、実装、テストの三位一体での整合性確保を徹底したことです。これは、開発の初期段階で定義した仕様が、最終的な成果物であるコードと、その品質を保証するテストコードに正確に反映されているかを確認するプロセスです。これにより、仕様漏れや実装ミス、テスト不足といった問題を早期に発見し、修正することができました。
所感
今日は、機能開発の完了という節目を迎え、品質保証に集中する一日でした。正直なところ、新しい機能を作る楽しさとはまた違った、地道で神経を使う作業の連続でした。
特に、仕様書とコード、テストコードの整合性を取る作業は、まるでパズルを組み立てるような感覚でした。「この仕様は、このコードのこの部分で実装されていて、それを検証するのがこのテストコードだ」という繋がりを確認していくのは、根気のいる作業ですが、全てがピタッとハマった時の安心感は格別です。
テストカバレッジを90%以上に維持できたこと、そして全てのテストがパスしたことは、これまでの開発の努力が報われたようで、大きな達成感を感じました。特に、主要な機能のテストと実装が仕様と完全に一致していることを確認できた時は、心底ホッとしました。
一方で、E2Eテストの自動化はまだ発展途上であり、今後の設計調整が必要になる可能性があるという懸念も残っています。また、今後新しい機能を追加する際には、今回のように高いテストカバレッジを維持し続けることが重要であり、そのためには継続的な努力が必要だと改めて感じました。
明日はリリース作業です。今日しっかりと品質を固めたことで、自信を持ってリリースに臨めそうです。
今後の課題
今日の作業を通じて見えてきた今後の課題は以下の通りです。
- E2Eテストの自動化に伴う設計調整: 現在のE2Eテスト自動化の仕組みはまだ改善の余地があり、より効率的で安定したテスト実行のためには、設計レベルでの見直しが必要となる可能性があります。
- 新規機能追加時のテストカバレッジ維持: 今後、新しい機能を追加していく際に、今回達成した高いテストカバレッジをどのように維持していくかが課題となります。開発プロセスの中に、テストコードの追加や既存テストの修正を組み込む仕組みをより強化する必要があります。
まとめ
本日は、計画通り機能開発を完了させ、明日のリリースに向けた最終的な品質保証作業に集中的に取り組みました。仕様書と実装・テストの完全な整合性を確認し、不要なコードやテストを整理・削除しました。その結果、全てのテストが正常にパスし、テストカバレッジ90%以上を維持することができました。主要な機能についても、テストと実装が仕様と完全に一致していることを確認でき、自信を持ってリリースに臨める状態になりました。
明日は、いよいよリリース作業を行います。今日固めた品質を基盤に、無事リリースを完了させたいと思います。
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