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AIエージェントの主体性を高める開発ドキュメント改善(開発日記 No.063)

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はじめに

昨日は、AIエージェントとの協調開発を円滑に進めるため、4つの主要な開発関連ドキュメント(プロジェクト管理、Pytestベストプラクティス、品質ダッシュボード、開発プロセス)を作成しました。今日は、これらのドキュメントをさらに洗練させることにしました。特に、AIエージェントがより主体的に開発を進められるようなプロセスを目指し、ドキュメント間の整合性を保ちながら改善に取り組みます。

背景と目的

昨日作成したドキュメントを読み返してみると、いくつかの改善点が見えてきました。具体的には、AIエージェントの役割とプロジェクトマネージャー(PM)との関わり方、ブランチ戦略の明確化、そしてチケット駆動開発の運用方法についてです。

現状の記述では、AIエージェントがPMからの細かな指示を待つ形になりがちです。これを改め、AIエージェントがより自律的にタスクを判断し、実行できるような体制を整えたいと考えました。また、開発フローの標準化のためにGitHub Flowを導入し、そのルールを明確にすること、そしてチケット完了時の振り返りを義務化し、継続的な改善サイクルを確立することも重要な目的です。これらの改善を通じて、開発プロセス全体の効率化と品質向上を目指します。

検討内容

以下の3つのポイントを中心に、4つのドキュメント (project_management_guide.md, pytest_best_practices.md, quality_dashboard_guide.md, development_process_guide.md) を横断的に見直し、整合性とMECE(漏れなくダブりなく)を意識して修正方針を検討しました。

  1. AIエージェントの主体性向上:

    • development_process_guide.md を中心に、PMの役割を「重要なポイントでのレビューと修正指示」に限定します。
    • AIエージェントがタスクの計画や実行において、より大きな裁量を持てるように記述を修正します。
  2. ブランチ戦略の明記:

    • 開発ワークフローとしてGitHub Flowを採用することを決定しました。
    • development_process_guide.md など関連するドキュメントに、ブランチの作成タイミング、命名規則、プルリクエスト(PR)の運用ルールなどを具体的に記述します。
  3. チケット駆動開発の改善:

    • チケットの粒度に関するガイドラインを設けます。タスクが大きすぎず、小さすぎず、管理しやすい単位になるようにします。
    • チケット完了時には、必ず「振り返り」を実施し、その結果を「改善活動」に繋げるプロセスを導入します。改善活動には、AIエージェントへの指示方法の見直しや、開発ドキュメント自体の修正・追記などが含まれます。このプロセスを development_process_guide.mdproject_management_guide.md に明記します。

実装内容

今回は、具体的なドキュメント修正作業ではなく、LLM(AIエージェント)への修正指示を行いました。まず、自動記録ガイド (Auto_Logging_Guide.md) をLLMに読み込ませ、開発日記の記録ルールを確認してもらいました。

その後、今日の開発テーマとして「前日作成した開発関連ドキュメント4点の洗練」を伝え、上記の検討内容に基づいた具体的な修正点を指示しました。

今日の開発テーマは、前日に作った開発に関する4種のドキュメントの洗練です。ドキュメントを読んでいて、以下の点を修正もしくは追加で記載する必要があると思いました。4つのドキュメント間での整合を取りつつ、MECEの関係を保ちつつ、修正を行ってください。
・AIエージェントの役割とPMとの協業について、もっとAIエージェントが主体的に作業を進められるようにPMの関与度を下げてください。例えば、 @development_process_guide.md では、PMが細かな指示を与えていますが、本当に重要なポイントでのみレビューと修正指示を行う関係にしてください。
・ブランチ戦略を明記してください。GitHub Flow でいきます。このFlowに沿った開発となるよう、ブランチ作成のタイミングやルールについて、明記してください。
・チケット駆動の開発において、チケットの粒度について明記するとともに、チケットに示された作業終了時、必ず振り返りと改善活動を行ってください。改善活動とは、AIエージェントへ出す指示の仕方の改善、開発ドキュメントの内容の追記や修正が含まれます。

以上の作業を順に行い、完了させてください。

LLMは指示内容を理解し、以下の3点を中心に4つのドキュメントを修正する作業を開始することを確認しました。

  1. AIエージェントの主体性向上
  2. ブランチ戦略(GitHub Flow)の明記
  3. チケット駆動開発の改善(粒度、振り返り・改善)

技術的なポイント

今回の作業はドキュメント修正の指示段階ですが、ドキュメント設計において以下の点を意識しました。

  • ドキュメント間の整合性: 複数のドキュメントに修正を加えるため、定義やプロセス記述に矛盾が生じないよう、横断的な視点での確認が不可欠です。特にAIエージェントの役割変更は広範囲に影響するため、注意深く進める必要があります。
  • MECE: 情報が漏れなく、かつ重複しないようにドキュメント群全体を構成します。例えば、ブランチ戦略の詳細は開発プロセスガイドに集約し、他のガイドからは参照する形にするなど、情報の置き場所を明確にします。
  • プロセスの具体性: GitHub Flowやチケット駆動開発のルールは、解釈の揺れが生じないよう、具体的かつ明確に記述します。誰が読んでも同じように理解し、実行できるレベルを目指します。

所感

昨日作成したばかりのドキュメントを早速見直すことになりましたが、これはアジャイルな開発プロセスにおける自然な流れだと感じています。特にAIエージェントとの協業では、実際にプロセスを回してみないと見えてこない課題が多いものです。

今回の修正指示を通じて、AIエージェントがより自律的に動き、開発効率が向上することを期待しています。PMの役割をマイクロマネジメントから解放し、より戦略的な意思決定や重要なレビューに集中できるようにすることは、人間とAI双方にとってメリットがあるはずです。

GitHub Flowの導入や振り返りプロセスの明文化は、開発の標準化と継続的な品質向上に繋がる重要なステップだと考えています。LLMに対して、こちらの意図を正確に伝え、具体的な修正点として指示することの難しさも改めて感じましたが、対話を通じて認識を合わせることができたのは良かった点です。これからLLMがどのようにドキュメントを修正してくるか、楽しみです。

今後の課題

次のステップは、LLMによるドキュメント修正結果のレビューです。指示した内容が意図通りに反映されているか、ドキュメント間の整合性が保たれているか、MECEの観点から漏れや重複がないかを重点的に確認します。

その後は、この新しいプロセスとドキュメントに基づいて実際に開発を進め、運用する中でさらなる改善点がないかを継続的に評価していく必要があります。

まとめ

本日は、AIエージェントとの協調開発をより円滑かつ効率的に進めるため、前日作成した4つの開発関連ドキュメントの改善に着手しました。主な改善点として、AIエージェントの主体性向上、GitHub Flowの導入と明記、チケット駆動開発における振り返りと改善活動の義務化をLLMに指示しました。これにより、より自律的で効率的なAI協調開発プロセスの基盤を整えることを目指します。

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