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Content-Converter開発 長期プロジェクトを円滑に進めるためのドキュメント整備(開発日記 No.061)

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はじめに

昨日は、新しいプロジェクト「Content-Converter」の仕様書作成に着手しました。今日はその続きとして、仕様書の詳細を詰めていく予定でしたが、少し視点を変えて、プロジェクトを長期的に、そして円滑に進めるための基盤となるドキュメント整備に取り組むことにしました。

背景と目的

Content-Converterは、ある程度の期間を要する開発プロジェクトになる可能性があります。そのため、場当たり的な進め方ではなく、しっかりとした開発プロセスや管理手法を確立しておくことが重要だと考えました。

特に、以下の点について標準的な進め方を定め、それをドキュメント化することで、開発の効率化、品質の維持向上、そして将来の別プロジェクトへの応用を目指します。

  1. テスト: 品質を担保するためのテスト戦略と、利用するフレームワーク(Pytest)の標準的な使い方。
  2. 進捗管理: タスクや課題を効率的に管理するための手法(Github Projects, Issuesの活用)。
  3. 品質可視化: プロジェクトの健全性を測るための指標と、それを可視化するダッシュボードの考え方。

これらの要素を明確にし、チーム(今回は自分一人ですが、将来的な拡張も考慮して)で共有可能なドキュメントとして整備することが今回の目的です。

検討内容

長期的な開発プロジェクトを成功させるためには、どのような要素が必要かを考えました。その結果、以下の3つの柱が重要であると判断しました。

  1. しっかりとしたプロジェクト管理: タスクの洗い出し、優先順位付け、進捗の追跡、リリース管理などを体系的に行う必要があります。Githubの機能を最大限活用するのが良さそうです。
  2. 品質を維持するためのテスト戦略: コードの品質を保ち、デグレードを防ぐためには、テストが不可欠です。Pythonプロジェクトで広く使われているPytestを採用し、その効果的な使い方をまとめることにしました。
  3. プロジェクト状況の可視化: テストカバレッジ、Issueの消化状況、ビルド成功率などを一覧できるダッシュボードがあれば、問題の早期発見や改善活動に繋がります。

これらの要素について、具体的なツールや手法、ベストプラクティスを調査し、汎用的に利用できるガイドラインとしてまとめる方針を固めました。

実装内容

上記の検討に基づき、以下の3つのガイドラインドキュメントを作成し、開発ドキュメント用ディレクトリ (@dev-docs) に保存しました。

  1. プロジェクト管理ガイド (project_management_guide.md):

    • Github Projects, Issues, Pull Requests を活用したタスク・進捗管理フロー
    • スプリント計画やベロシティ管理といった開発サイクルの考え方
    • ドキュメントの体系的な管理方法
    • リリース手順の標準化
    • (将来的に)オープンソースとして公開する場合のコミュニティエンゲージメントについて
  2. 品質管理ダッシュボードガイド (quality_dashboard_guide.md):

    • 品質ダッシュボードを構築する目的とその価値
    • ダッシュボード構築のステップ(データ収集、保存、可視化)
    • 収集すべきメトリクスの例(テストカバレッジ、静的解析結果、Issue消化率など)
    • 可視化ツールの選定と実装例
    • CI/CDパイプラインとの連携方法
    • データに基づいた意思決定のフレームワーク
  3. Pytestベストプラクティスガイド (pytest_best_practices.md):

    • Pytestの基本的な使い方と設定方法
    • テストコードの構成(ディレクトリ構造、命名規則)
    • fixtures の効果的な活用法(セットアップ・クリーンアップの共通化)
    • parametrize を用いたテストの効率化
    • unittest.mockpytest-mock を使ったモック・スタブの活用
    • コードカバレッジ計測と目標設定
    • CI/CDパイプラインでのテスト自動実行例

これらのドキュメントは、具体的な手順や設定例、テンプレートを含む実践的な内容を目指しました。

技術的なポイント

今回の作業はコーディングではなくドキュメント作成が中心でしたが、以下の点を意識しました。

  • 再利用性: Content-Converterプロジェクト固有の内容に偏らず、他のPythonプロジェクトでも流用できるような汎用的な記述を心がけました。
  • 具体性: 抽象的な概念だけでなく、具体的なツール名(Github, Pytest)、コマンド例、設定ファイル例などを盛り込み、すぐに実践に移せるようにしました。
  • 体系化: 各ガイドラインが独立しつつも、プロジェクト全体のライフサイクルの中でどのように連携するのかが分かるように構成しました。例えば、Pytestでのテスト結果を品質ダッシュボードで可視化し、その結果をプロジェクト管理の場で議論する、といった流れを意識しました。

所感

当初はContent-Converterの仕様詳細を詰める予定でしたが、作業を進めるうちに「そもそも、このプロジェクトをどうやって進めていくのがベストか?」という、より根本的な問いに行き着きました。長期的な視点で見ると、最初にしっかりとした開発基盤やプロセスを定義しておくことが、結果的に効率化と品質向上に繋がると考え、ドキュメント整備に舵を切りました。

ドキュメント作成は地味な作業ですが、「将来の自分のため」「他のプロジェクトのため」と考えると、非常に重要な投資だと感じます。特に、Pytestのベストプラクティスやプロジェクト管理手法などは、一度しっかりまとめておけば、今後の開発で何度も参照することになるでしょう。

今回作成したガイドラインが、今後の開発をスムーズに進めるための羅針盤となることを期待しています。また、これらのドキュメント自体も、プロジェクトを進めながら継続的に改善していきたいです。

今後の課題

  • 作成した各種ガイドラインを、実際のContent-Converterプロジェクト開発に適用し、有効性を検証する。
  • ガイドラインに従って、Github Projectボードのセットアップ、Pytestのテスト環境構築、CI設定などを具体的に進める。
  • 開発を進める中で得られた知見を元に、ガイドラインを継続的に更新・改善していく。

まとめ

本日は、Content-Converterプロジェクトの詳細仕様検討に代わり、長期的な開発を円滑に進めるための基盤となるドキュメント整備を行いました。具体的には、「プロジェクト管理」「品質管理ダッシュボード」「Pytestベストプラクティス」に関する3つのガイドラインを作成し、@dev-docs 配下に保存しました。これらのガイドラインは、今後のContent-Converter開発だけでなく、他のプロジェクトにも応用可能な汎用的な内容を目指しました。この準備により、今後の開発プロセスがより明確になり、効率的かつ高品質な開発を進めるための土台ができたと考えています。

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