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[2025年6月20日] 実装したがるClaude Codeちゃんにドキュメントを書かせるのだ (週刊AI)

に公開

こんにちは、Kaiです。
今週も大物発表はない代わりに、エージェントコーディングの盛り上がりは凄いレベルになっています。今回のトピックスもほぼClaude Code(CC)一色です。CC、実はリリースノート見るとGAになってからほぼ毎週アップデートされてるんですよ。
https://docs.anthropic.com/en/release-notes/claude-code

それでもAI驚き屋さんたちがほとんど話題にしてないのは、見た目が地味ですしアップデート内容もほぼエンジニアにしか関係ないからでしょうか。

さて、先週からずっとCCちゃんと一緒に色々やっています。そこで私が個人的に気付いた点をメモ代わりに整理しておこうと思います。ただ、これは2025年6月20日時点の感想なので、多分来月には古文書になり、再来月には化石になっていると思います。

TL;DNR

  • とにかくドキュメントを書かせる
  • ドキュメントのレビューはしっかり
  • でもやり過ぎるとエージェントの意味ない
  • Planモードはピンポイントで活用
  • 現状は「設計まではドキュメント化してレビュー、テストをしっかり作らせてコードは任せる」あたりが良さげ
  • 今後は多分その閾値が上流に動いていくので動的に判断

ドキュメント大事、全部ドキュメント化させるべき

とにかくこれに尽きますね。人間相手に仕事するときの数倍はドキュメントを書かせるべきだと感じます。まずリポジトリの目的、達成すべきことから始め、要件定義、環境構築、設計なども全てドキュメント化させます。同時に、CLAUDE.mdや他のルール系ドキュメントをアップデートしていきます。

一つのドキュメントをアップデートしたら、他のドキュメントも整合性を取らないと矛盾が生じるので、CLAUDE.mdにその辺りの指示を書いておくのもいいと思います。それでも漏れ抜けがありますが。

レビューちゃんとしましょう

ドキュメントはちゃんと読まないとダメだなと思います。コードがおかしい場合、ドキュメントがおかしいケースが多いように感じます。たとえば最近環境構築からCCにやらせてみたのですが、構築した環境と書き出したドキュメントにズレがあったりしました。ちゃんと実行コマンドやログと照らし合わせて、正しく認識しているかチェックする必要があります。

実装したがりちゃん

ドキュメントを作らせたり反映させたりするたびに、「できました!ついに実装ですね!」と言ってくるので、実装したがりでちょっとかわいいなと思ってきました。でもドキュメントを書かせます。

記憶が長続きしないジュニアエンジニア

感覚としては、やったことをすぐ忘れちゃうけどコードはそれなりに書けるエンジニア、という印象です。なので、とにかく目指すもの、やったこと、次にやることを何であれドキュメント化させ、必要に応じて参照させます。

実行したコマンドや加えた改修を、ログとしてドキュメントに出力させるのもいいと思います。ただ、量が増えるとコンテキストから溢れるので、タイムスタンプなどを付与して必要な範囲だけ読み込ませるのが良さそうです。

マイクロマネジメントやりすぎはよくないかも

ただ、ドキュメントと言っても作業手順やコーディング手順やクラス設計などまでドキュメントを書かせてレビュー、というのはちょっとやり過ぎかなと思いました。そこまでやるとエージェントである意味が薄くなってきますので、テストをしっかり設計して通すことを意識した方がよさそうです。

Planモードはここぞというときに

シングルタスクだと別に使う必要はありませんが、積み上げたドキュメントからいよいよ実装に入るぞ、というようなときにはPlanモードを噛ませてレビューした方がよい印象です。Reasoning的な動きになるからでしょうか、仮にレビュー修正がなくても、その後の実行精度が上がるような気がします。毎回やるとしんどいので、ある程度まとまった規模のタスクで使うのがよさそうです。

総括

せっかくAIエージェントを使っているのですから、「任せられるライン」がどこかを見極めながら使っていくのがいいと思います。現時点では、ドキュメントとテストを整備すれば、ほぼほぼコードは任せられるのでないかという感触です。逆に、ドキュメントとテストが整備されていれば、多少変なコードが出てきたとしてもスクラップ&ビルドが容易です。

なんとなくバベルの塔開発とか言ってますが、なんかおかしいな?と思ったらコードベースは破壊してやり直させてしまうのも手かと思います。前にご紹介した記事で言及されていた「技術的負債を踏み倒す」というのも、この感覚に通じるものがあるかもしれません。

また、ドキュメントをたくさん生成させていて、こういった「AI向けドキュメント」が今後テンプレートとして多数生まれて標準化されていくんだろうな、と強く感じました。インフラ設計を文字列化するのがIaCであるように、Code as Documentとでも言えばいいのでしょうか、コードを生成するためのドキュメントが、今後の開発の中心になる予感がします。

そういう意味では、高級言語をマシン語に翻訳するのがコンパイラだったように、ドキュメントをコードに変換するのがLLM、という位置づけになっていくのかもしれません。

さて、雑な感想メモはこのあたりにして、今週のトピックスです。

注意事項

  • 直近収集したAIおよびWeb系の記事やポストが中心になります
  • 私のアンテナに引っかかった順なので、多少古い日付のものを紹介する場合があります
  • 業務状況次第でお休みしたり、掲載タイミングが変わったりします

AI新着モデル、サービス、アップデート

Claude CodeがリモートMCPをサポート

各種リソースにそのまま接続できるようになるのは強い。もうCCはローカル環境に構築されたAIハブですね。
(公式)
https://www.anthropic.com/news/claude-code-remote-mcp
(解説)
https://dev.classmethod.jp/articles/shuntaka-support-claude-code-remote-mcp/

その他AI系話題

Claude Code による技術的特異点を見届けろ

CLINEに全部賭けろを書いたmizchiさん記事。CCは既に自己改善フェーズに入っているのではないかというお話。スピードを見ると確かにそんな印象です。
https://zenn.dev/mizchi/articles/claude-code-singularity-point

MCPにおける認証・認可

普段あまり意識しませんが、重要なポイント。詳細な解説です。
https://slide-tubone24.pages.dev/slides/authmcp/1

簡単なMCPサーバ を作って Cloud Run へのデプロイを試す

npakaさんのMCP経由Cloud Run検証。CCがリモートMCP対応したので、シームレスにデプロイまで出来そうな気がします。
https://note.com/npaka/n/n9083d9f385cd

社内でAI駆動開発ツールの使用調査したら、たった1週間で『Claude Code』一択になっていた話

圧倒的に、一瞬で、Claude Codeに塗りつぶされたそうです。AIコーディング使用率も39%から91%に激増。まぁそりゃそうですよね、という感じはあります。
https://zenn.dev/explaza/articles/f62e704e73d3ff

Claude Codeの問題解決能力の底上げを試みる:MCPサーバー + subagents

めっちゃ参考になりました。私より数段階深い使い方をされています。subagentの意識的な使い分けは人間の介入を増やしますが、現時点では効果的ですね。
https://zenn.dev/oikon/articles/82c9a52dc45810

Claude Codeを徹底解説してみた(前編)

すごく網羅的な内容。「CCって?」という人はここから始めればOK。
https://dev.classmethod.jp/articles/get-started-claude-code-1/

Claude Codeで実用的なWebサービスを作る

サンプルTODOアプリとかではなく、実際に使えるアプリを作ったログ。ほぼ私と同じワークフローで取り組まれています。
https://note.com/himaratsu/n/nddf0efa67d42

バイブコーディングチュートリアル:Claude Code でカンバンアプリケーションを作成しよう

こちらもCCでのアプリ開発ワークフローの紹介。
https://azukiazusa.dev/blog/vibe-coding-tutorial-create-app-with-claude-code/

TypeScript 環境構築ガイドラインを書いてLLMに再現させる

今後、こういう「CC用テンプレドキュメント」がどんどん作られて広まっていくんだろうな、と感じます。
https://zenn.dev/mizchi/articles/llm-aware-ts-project-starter

Claude Codeにセキュリティ診断をさせてみた

この使い方もいいですね。コードベースを読ませて脆弱性を出させ、イシュー化させ、解決までやらせてしまう。
https://zenn.dev/mixi/articles/79831816f9fd22

Claude Code と Claude Code Action の雑感

CursorのAgent使わなくなったのは私も同じですね……CCAは確かにレビューに使うならいいかも。
https://voluntas.ghost.io/claude-code-and-action-thoughts/

「規約、知識、オペレーション」から考える中規模以上の開発組織のCursorルールの 考え方・育て方

Cursorルールですが、この考え方は今後全てのエージェントコーディングで通底するものになっていくと思います。ただ、具体的な「やり方」は、日々変わっていくと思うのでアジャストが必要ですね。
https://speakerdeck.com/yuitosato/cursor-rules-for-coding-styles-domain-knowledges-and-operations

Claude Code どこまでも

前半は割と一般的な話ですが、後半に具体的なノウハウや設定の話がたくさん出てきて大変勉強になります。
https://speakerdeck.com/nwiizo/claude-everywhere

Claude Code 中級者ガイド

ノウハウとしては大体把握していましたが、まとまっているのはありがたい。TDD重視なのはその通りですね。
https://zenn.dev/medicalforce/articles/8bc0b6afbbb8a7

【祝 1K Star 達成】ccusageの3週間を振り返る

前回の記事でも紹介しましたがCC使うなら必須です。入れましょう。最近現セッションでの使用率が出るサブコマンドが追加され、ますます便利になりました。
https://zenn.dev/ryoppippi/articles/aad087994f26a7

Claude CodeとGitHub Issueを使った全自動開発について

CCAを自前で作っているようなイメージですかね。確かにこういう使い方もできる。
https://memotty-obsidian.pages.dev/202506151218-claude-codeとgithub-issueを使った全自動開発について/

n8n + Claude Code Actionで開発を自動パイプライン化した

こちらはn8nを使ったパイプライン化。n8n、気になってるんですがまだ手を出せていない……。
https://zenn.dev/tesla/articles/3abc9e61da0b1e

WEB開発系話題

Reactの内部構造を知っておく

とても分かりやすいスライド。何か詰まったりしたときには、こういう知識が役立ちます。
https://speakerdeck.com/calloc134/reactnonei-bu-gou-zao-wozhi-tuteoku-react-tokyo-number-6-at-calloc134

その他一般テック話題

uv, ruff, devcontainer, Claude Codeを使ったモダンなPython開発環境のテンプレート

現時点ではこれが最適解っぽいですね。uvはビッグテックでもpip禁止して移行しているとか聞いたような気がします。
https://zenn.dev/mjun0812/articles/0ae2325d40ed20

AIでプログラミングが「楽しくなった」人たちと、少し違和感を抱く自分

これはちょっと分かるんですよね。冒頭の通り、人間の仕事は指示とレビュー、チェックになるわけですから。モノづくりの過程の楽しさは、正直減っていってしまう予感がします。
https://note.com/maguro_tuna/n/n81f1cabc1183

We are hiring!

私の所属するAI技術開発室では、AIを応用した医療系サービスを手掛けています。先日は以下の「CareNet Academia」をリリースしました。
https://zenn.dev/carenet/articles/4c0dadd193c6b6

積極採用中ですので、こういった医療xAIの領域に興味のある方は、是非以下からご応募ください!
https://hrmos.co/pages/carenet5800/jobs/0000020

CareNet Engineers

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