[2025年9月19日] タツノオトシゴ絵文字バグの技術的背景が面白い (週刊AI)
こんにちは、Kaiです。
今週はあまり大きい話題はありませんでしたね。たまにはこういう週もあっていいです。というかあってほしいです。
GPT-5-Codexの登場で、さらにエージェントコーディングの地図が書き換わってきました。Claude Codeは既に下火になり、皆がCodexを使い始めています。本当に、数ヶ月前には使えない子扱いされていたのが噓のようです。移行ガイドも出ていますが、Claude Codeはそろそろagent.mdに対応しないとユーザの囲い込みにも失敗しそうですね……。
さて、別の観点で面白かったのは、ChatGPTのユーザレポートです。以前Claudeが似たようなものを出していましたが、「ツールであるClaude」と「パートナーであるChatGPT」という色分けが明確になりました。4oロスでも感じていましたが、予想以上に柔らかい使い方がされているようです。
そして、そんなに賢いGPT-5でもグリッチトークン「タツノオトシゴの絵文字」でバグらせることができるというのは興味深い話題でした。なぜこれが起きるかの仕組みが別ネタからちょうど記事として出ていましたので取り上げています。たいへん面白いので是非ご一読ください。
今回の冒頭ポエムは短くこれくらいにして、今週のトピックスです。
注意事項
- 直近収集したAIおよびWeb系の記事やポストが中心になります
- 私のアンテナに引っかかった順なので、多少古い日付のものを紹介する場合があります
- 業務状況次第でお休みしたり、掲載タイミングが変わったりします
AI新着モデル、サービス、アップデート
OpenAI: GPT-5-Codex
先日Codexしか勝たんかもしれないと書きましたが、さらに進化しました。既にClaude Codeが作った市場を席捲しているように見えます。全力で作った新しいサービスと市場が数ヶ月で取って代わられるというのはもはや恐怖。そして多分Gemini3.0-CLIが出てまた塗り替えられるのでしょう。
(移行ガイド記事もありました)OpenAI: ChatGPTユーザレポート
OpenAIが、ハーヴァードとデュークとともに出した、7億人以上のChatGPTユーザの利用分析。仕事関連ではない利用が7割以上を占めたり、プログラミング利用は4.2%(Claudeが約3割)であったり、日常に溶け込んだサービスになりつつあることが特徴的ですね。
その他AI系話題
AIと私たちの学習の変化を考える - Claude Codeの学習モードを例に
AIを道具として使うときと、自らを強化するために使うとき、という2つの側面を持っていたいところです。
「AIがIDEを手に入れた」Serena MCPの“魔法の仕組み”を解説!
「とりあえず入れて使ってみた」という人も多いと思いますが、改めて仕組みから復習。
自然言語で CI/CD パイプラインを定義する Agentic Workflows
GitHub Nextが開発中の、yamlでAIエージェントのワークフローを記述できる仕組み。ワークフロー自体をバージョン管理できますし、恐らく今後CI/CDと同様の文脈で重要になる「Continuous AI」の基盤になっていきそうです。
色違いのコイキングでLLMをバグらせろ:グリッチトークン入門
ちょうどXでは「タツノオトシゴの絵文字をAIに聞くとバグる」という話題がバズっていましたが、これも同じ文脈、なぜ起きるのかが分かります。膨大なスパムから学習してしまった異常なトークン……なるほど……人間にも似たような単語があったりして……。
(タツノオトシゴの件)Claude Code でアプリ開発をオートパイロットにするためのTips集 Zennの場合
ZennでClaude Codeをどう使っているかのノウハウ集。これも近日中にCodexに上書きされそう。
openai/codex でのプロジェクト固有MCPを設定する
たぶん近日中にCodex側でサポートされそうではありますが、現時点のノウハウとして。
nano-banana事例集
非常に膨大なnano-bananaによる日本語の事例集。こんなふうに使うのか!という発見も結構ありました。アイデアの参考に。
GitHub、総合的なMCPサーバのレジストリを目論む「GitHub MCP Registry」公開
他にもリストしているサービスはありますが、GitHubが提供してくれるというのがありがたいですね。Huggingfaceっぽい位置づけになるのかな。
「AIコーディング時代」だからこそ「ちゃんとする」
日本でもっともAIコーディングを活用しているうちの一社であろうELYZAも、こんなに「ちゃんと」やっているのだなぁと感じました。
その他一般テック話題
iOSエンジニアからバックエンドへ転向して見えた、AI時代のキャリアの可能性
AIの学習モードなどを活用するとかなり効率的に学習が進みますので、今後はエンジニアの中での言語や領域の壁もなくなっていくかもしれませんね。
コラム:テトリスの進化論━━快適な乱数とは何か?
純粋に技術的な話としてめちゃくちゃ面白かったです。ゲーム性を毀損しない範囲で、人間にストレスを与えないような乱数を模索するお話。単にランダムで出せばいいというものではない。
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私の所属するAI技術開発室では、AIを応用した医療系サービスを手掛けています。先日は以下の「CareNet Academia」をリリースしました。
積極採用中ですので、こういった医療xAIの領域に興味のある方は、是非以下からご応募ください!
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