あなただからできる、LGTM(Looks Good To Me)
この記事は 株式会社ビットキー Advent Calendar 2024 24日目の記事です。
ビットキーでウェブアプリケーションの開発をしている @roku_mikami_bk が担当します!
LGTMって、なんだろう。
私はこの秋、部署移動を行ってQAエンジニアからソフトウェアエンジニアになった。
担当する業務が変わったことで、新しくキャッチアップしないといけないことが山積みで、忙しない毎日を送っている。
そんな中、ソフトウェアエンジニアになってから毎日目にする以前では見かけなかった文化があることに気づいた。
それが、LGTMだ。
ソフトウェアエンジニアになってから、毎日目にするLGTM。
所属年数に関わらず使っているLGTM。
略さずに表現すると、Looks Good To Me。
LGTMって、なんだろう。
ChatGPTに聞くとこう返ってきた。
LGTMとはコードレビューで『Looks Good To Me』を略した表現で、変更内容に問題ないと判断する際に付けるコメントです
LGTM(Looks Good To Me)を行う主な目的は、コードレビューの一環として、コードやドキュメントの品質を保証し、チーム全体の開発プロセスを効率的かつ安全に進めることです
コードの変更内容に「問題がない」と判断する行為。
これがLGTM。
でも、自信を持ってLGTMをつけられるかと聞かれたら、正直、私はそう思えない。
私のLGTM
コードの変更内容に問題ないと判断すること。
私はこれを行うことを非常に苦手に感じている。
数十行の変更でも、1時間以上コードリーディングに時間をかけている。
なぜなら、変更されたコードに関するドメイン知識を持っていなくて良いと判断することが迅速にできないから。
レビュー依頼が来たら、他の誰よりも遅くLGTMをつけたいと思っている。
なぜなら、私には見つけられなかった違和感を他のメンバーが見つけて指摘をすることが多いから。
叶うなら、他のメンバーにレビューは任せてしまいたい。
なぜなら、有意義な指摘を行えた経験が過去にないから。
そんな私のLGTMにはなんの価値もないと思っている。
ドメイン知識がなく、指摘ひとつ見つけられず、自身を誇れるような経験もないのだから。
きっと私が自信を持ってLGTMできるようになるのは、何年も先の話だろう。
そう思うほど、LGTMには苦手意識があった。
彼らのLGTM
LGTMを行うことに難しさを感じているのであれば、コードを見る/触れる機会を増やせばいずれは解消できるだろう。
そう思ってPRを積極的にみたり、既存の実装を眺めてみたりしてひたむきにコードに触れるよう努めるようにした。
しかし、先人たちがコードという言葉で紡いだ歴史を紐解くのは想像以上に根気が必要で難しく、なかなか思うような進捗を得ることができなかった。
そんな中、上述の悩みについてマネージャーと1on1の場で話す機会があったので、思い切って打ち明けてみた。するとこう質問をされた。
「あなたがレビューをお願いする立場になったとき、経験年数が自分より低いメンバーへレビューはお願いしませんか?また、彼らから指摘やLGTMをもらったとき、どう思いますか?」
考えたことのない質問だった。
私は自身より経験の少ないメンバーにレビューは頼まないだろうか?
いや、そんなことはない。
経験が多いからこそできる指摘はあるが、経験が少ないからこそできる指摘もある。
彼らなりの視点でコードを良くする術があったら、頭を下げてでも教えてほしいと思うだろう。
私は自身より経験の少ないメンバーの指摘やLGTMを軽んじるだろうか?
いや、そんなふうには決して扱わない。
私は勤め人として、顧客に提供する体験をより素晴らしいものとする義務がある。それを成し遂げるために必要なのは様々な人からのフィードバックだ。それを行うために、自身との経験の差など関係ないと思うだろう。
マネージャーの質問を振り返ったとき、私は気づいた。
私に足りなかったのは、「余計なプライドを捨てること」と「自分を過小評価しないこと」だった。
他のメンバーが私のLGTMの後に指摘を入れたとしても、それでいい。
チーム全体でコードの品質を高めることが大事なのだから。
また、他のメンバーのLGTMを待つ必要もない。
私が行うLGTMには、私なりの価値があるのだから。
LGTMの「TM」は To Me。
「私にとって良いと思う」ということだ。
みんなの意見を合わせることで、顧客により良い体験を届けられる。
そう気づいてから、私はLGTMをつけることへのハードルが少し低くなった気がする。
あなただからできる、LGTM
LGTMを行うために、経験の多い・少ないは関係ない。
経験が浅くても、あなたはコードに真摯に向き合い、最善を尽くしている。
その証がLGTMだ。
たとえ後から指摘が入ったとしても、それはチーム全体でより良い方向へ向かうためのプロセスにすぎない。
あなたが努力を重ねることで、LGTMは必ず価値あるものへと成長していく。
思い悩むあなたが送るLGTMは、あなただからこそできるLGTM。
だから、どうか胸を張って、あなたなりのLGTMを送ってほしい。
ここまでお付き合いいただきありがとうございました!
20日目の 株式会社ビットキー Advent Calendar 2024 は @gen_nakagawa_bk が担当します!
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