技術共有の場づくり 〜Production Ready GraphQL勉強会〜
はじめに
こんにちは!株式会社ブロードエッジ・ウェアリンク CTOの高丸です。
今回は、Qiita Advent Calendar 2024の22日目の記事です。
1日目の記事でご紹介したwine@(ワインアット)リプレイスプロジェクトを進めるにあたり、
8日目の記事で触れたように、弊社ではフリーランスやインターンを中心とした新しいチーム編成へと移行してきました。
そんな中、私が以前から実現したいと考えていた社内勉強会をついに開始することができました。
本記事では、新しいチーム体制のもとで、どのように技術の共有と知識の向上を図っていったのか、特にGraphQLをテーマにした勉強会を中心に、その取り組みについてご紹介していきたいと思います。
内部で勉強会ができるチームに成長
勉強会の実現には、いくつかの重要な要素が揃う必要がありました。
振り返ってみると、スクラムの導入がその重要な第一歩だったように思います。
3日目の記事でご紹介した通り、私の参画後にスクラムを導入し、
さらに8日目の記事で触れたように、スクラム経験豊富なフリーランスメンバーが加わってくれたことで、スクラムセレモニーの振り返りを通じて、チームの課題がより明確になっていきました。
同時に、リプレイスプロジェクトを進める中で、技術的な知見も着実に蓄積されていきました。
これらの知見を体系的に整理し、チーム全体で共有したいという思いも強くなっていました。
転機となったのは、第2弾のリプレイスリリースを完了したタイミングでした。
この頃には、メンバーの士気や関係性、そして自発的に行動する姿勢が確立し始めてきたので、勉強会を開催することができました。
特に、16日目の記事で触れたリリース時のパフォーマンス問題は、我々にとって大きな反省点となり、これを契機にGraphQLについての理解を深める必要性を強く感じたのです。
今回のお題はGraphQL
GraphQLの導入により、確かに柔軟なAPIの実装が可能になりましたが、同時にパフォーマンスの低下という課題も経験しました。
この経験から、「GraphQLらしい設計とは何か」 という本質的な問いに向き合う必要性を感じ、「Production Ready GraphQL」 という書籍を題材に勉強会を開催することにしました。
この書籍の著者は、我々が常に触っているShopifyのGraphQL APIやGitHubのGraphQL APIの開発に携わっていた経験を持つ方です。
2大GraphQL APIとも呼べるサービスの構築経験に基づいた内容は、我々にとって非常に信頼性の高い情報源となりました。
英語の文献ということで多少のハードルはありましたが、メンバー全員が意欲的に取り組んでくれました。
当初は、事前に決められた章を読んで感想や意見を共有するという一般的な形式で始めましたが、
勉強会を重ねるうちに、より実践的なアプローチへの要望が高まっていきました。
「実際に我々のAPIを再設計するならどうするか」 という視点での議論への発展です。
これにより勉強会は、事前に読んだ内容を即座に実践に結びつけるワークショップ形式へと進化していきました。
このアプローチは、私を含めたチーム全体にとって非常に濃い学びの機会となりました。
特筆すべきは、クロスファンクショナルなチームへと成長した我々の強みが如実に表れた点です。
メンバー全員がGraphQLの設計に関して議論できていることが素晴らしいと思いました。
勉強会の話にはなりましたが、書籍自体は実践的なGraphQLの解説本としては良書ですので、
GraphQLを導入する方は、一読してからの導入をおすすめします!
さいごに
スクラムの導入から始まり、失敗から学んだ意欲が、社内勉強会を開催できるまでに至りました。
こうした文化づくりを引き続き行っていきますので、次の勉強会の内容もまた共有したいと思います!
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