企画と開発が一体化したプロダクト開発への第一歩 - ユーザーストーリーマッピングの導入
はじめに
こんにちは!株式会社ブロードエッジ・ウェアリンク CTOの高丸です。
今回は、Qiita Advent Calendar 2024の2日目の記事です。
1日目の記事でも説明した、wine@(ワインアット)オンラインストアのデザインリプレイス(アーキテクチャリプレイス)プロジェクトで、ユーザーストーリーを導入したお話です。
大きく考えすぎてしまっていたプロジェクト
デザインリプレイスプロジェクトは、BtoCプロダクトに強みを持つデザイン会社との協業により、よりUXに重きをおいて検討されていましたが、一つだけ問題がありました。
それは、めちゃくちゃでかいプロジェクトになってしまっていることでした。
新しいプロダクト開発を進めるとき、ついつい欲張って「あれもこれも」と詰め込みたくなることはあると思います。というよりかは、検討しすぎて大きくなっているに近かったと思います。
メンバーにはコンサル出身のメンバーもいて、課題を定義したり、分解することは得意なのですが、
プロジェクトのスコープとして、スケジュールに適したサイズに落とし込んでいくことはあまりされていなかったのです。
それが原因により、優先度もつけにくくなっているような状況でした。これを作るにはこれも一緒に作らなければいけない。結局、優先度を付けたようで、同時にやらなければならないことが減らない状況でした。
ユーザーストーリーマッピングの導入
そこで、アジャイル開発(スクラム)を導入していくことを決断すると同時に、まずはユーザーストーリーマッピングで作り出す機能の見える化を行うことにしました。
ユーザーストーリーマッピングに関しては、この記事では詳しい説明は割愛しますが、Jeff Patton氏が提唱するユーザーの視点からサービスや商品の要件を記述する計画手法です。
このあたりの記事がわかりやすいです。
簡単!楽しい!5分でわかるユーザーストーリーマッピング(User Story Mapping)
私は前職でJeff Patton氏の講義を直接受ける機会があったので、スタートアップでプロジェクトを進める際は、よくユーザーストーリーマッピングを使って整理することが多かったです。
またスタートアップでの経験が多い私は、機能を作りすぎることの悪も理解していたため、以下に削ぎ落としたMVP(Most Viable Product)を作ることが大事かも、あわせてメンバーに説明しました。
まず大事なのは、ユーザーの動きを理解し、事業を前に進めることだということです。
作成開始
プロダクト開発チーム全員で、既存のプロダクトを見直しました。「現在、ユーザーは何ができるのか」を可視化し、「デザインリプレイス後の新プロダクトでユーザーは何ができるのか」を定義したのです。
今までこういった作業で定義することはなく、かつ、デザインの協力会社との調整があり、検討・デザインへの反映に数ヶ月を要しましたが、最終的にまとまりました。
ユーザーストーリーマッピングを行うことで、「まずはこれを実施する」「このタイミングではユーザーはこういったことができる(プロダクトとしてこのようになっている)」というロードマップも作成することができました。
できあがったユーザーストーリー
実際に作成したユーザーストーリーはこんな感じになりました。
(※作成当時のものであり、現状の開発計画や実装済の機能とは異なります)
MECEではないかもしれませんが、当時に考えていた機能一覧からは、ずっと優先度がわかりやすくなりました。
効果
ユーザーストーリーマッピングが浸透した後、その他の新規開発プロジェクトでもまずユーザーストーリーを考える流れができました。少しずつではありますが、チーム全体でプロダクトを考える姿勢も出てまいりました。
成果物としてまとめることも大事ですが、プロダクト開発はワンチーム、チーム内のコミュニケーションや理解が密に行われることが大事です。
まとめ
ユーザー視点でのプロダクト開発へ。
ユーザーストーリーマッピングを導入して企画と開発が一体化し、ユーザー目線でプロダクトを考えることのまず一歩が踏み出せたと思います。
次回は、スクラム導入に関して、記事を書いていきたいと思います!
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