開発部が保育施設に訪問!ユーザーインタビューから見えた現場のリアル
はじめに
こんにちは! BABY JOB株式会社 開発部 です。
私たちは、ユーザーの課題を深く理解し、本質的な価値を生むプロダクト開発を目指しています。
今回、開発メンバー3名がそれぞれCS課(カスタマーサクセス課)に同行し、弊社のおむつサブスクサービス 手ぶら登園 を利用中の3つの保育施設にインタビューを実施しました。
この記事では、実際の保育現場を訪問して得られた気づきと、プロダクト改善に向けた学びをレポートします。
画像は生成AIで作成したイメージです
参加メンバーのレポート
① かわばた(バックエンドエンジニア)
オフィスでのCS課との会話をきっかけに、今回機会をいただきました。ユーザーインタビューは未経験、かつ入社2ヶ月目で不安もありましたが、保育現場の理解を深める第一歩になりました。
インタビューまでの準備
訪問前に、以下の3つのステップで準備を進めました。
1. ユーザーの状況理解
同行するCS課のメンバーから、訪問先の園について事前に情報共有をしてもらいました。その際、プロダクトの利用率などの定量データに加え、過去の議事録や担当者のサービスに対する温度感といった定性情報を合わせてもらうことで、訪問先の園の状況を多角的に理解しました。
2. プロダクトを触る
実際にアプリケーションを操作し、保育施設の担当者が利用する機能をユーザーストーリーに沿って体験しました。利用頻度や重要度を自分なりに考察し、「この画面は毎日見るのか」「この機能は本当に必要なのか」といった一人のユーザーとしての視点で気づいた点をまとめました。
3. 質問事項の洗い出し
画面仕様を確認した上で、CS課のメンバーから使用頻度が高い機能について情報共有をしてもらい、当日質問したい内容を整理しました。
インタビュー後の気づき
開発者と利用者の認識のズレ
最も印象的だったのは、おむつ発注数のレコメンド機能が利用されていなかった点です。
開発者は、レコメンド機能によっておむつ発注数の計算が不要になることを想定していたと思います。しかし、利用者は、発注数を手動で計算していることがわかりました。
その理由は、以下のような現場特有の要素を考慮する必要があるためでした。
- 在庫保管スペースの物理的な制約
- 季節や行事による在園児数の変動
- 子どもたちのおむつサイズアップのタイミング
これらの要素が日々変動するため、目視で確認して発注数を決めなければいけないとのことでした。
認識のズレから気づいたこと
この認識のズレから、以下のような気づきを得ました。
- ユーザーは複数の変動的な要素を総合的に判断しており、最終的な意思決定は人が行う必要がある
- 開発者が「便利」だと思った機能が、現場では必ずしも使われるとは限らない
- 「自動化」よりも、判断に必要な「情報の可視化」や「判断材料の提供」の方が価値がある場合がある
今後に向けて
今回のインタビューを通じて、机上の分析だけでは分からないユーザーの文脈を理解することの重要性を実感しました。レコメンド機能が使われていない理由も、実際に現場で会話をしたからこそ、理解できたことです。開発を通じて現場の本質的な困りごとを解決できるよう、今後も現場の理解を深めていきたいと思います。
② 山出(バックエンドエンジニア)
私は正社員としては2025年5月からですが、開発部にはエンジニア派遣として2023年の1月から参画しており、プロダクトには約2年半ほど携わっています。
これまで直接ユーザーの声を聞く機会はなかったので、今回の園訪問はとても貴重な経験となりました。
インタビューまでの準備
まず、CS課から共有されていた園情報について、園の規模や利用しているサービスなどの確認を行いました。また、園のホームページやインスタグラムに目を通しました。
その後、アプリを一通り触ってみて画面や機能の確認を行いました。
アプリを触っている中で気になった点や、開発する中で感じていたことをメモし、質問事項を準備しました。
インタビュー後の気づき
実際に園を訪問し、アプリを使用している担当の先生からお話を伺うことで大きな気づきを得ることができました。
先生方はとても忙しく、アプリを使う時間が限られているということがわかりました。
使用している機能も必要最低限のもので、知られていない・使われていない機能もありました。
ユーザーにとって便利だろうと考え、機能を増やしたとしても、それを知る時間や試す時間がないのではないかと感じました。なので、まずは既存の機能をより使いやすくすることが重要だと感じました。
また、小規模園と大規模園でアプリの使い方も異なってくるのだろうなということも感じました。
今後に向けて
開発をしていく中で、より利便性・効率性を考慮した設計を心がけていきたいです。
機能が複雑になっていないか、スムーズに操作が完了できるかという観点を持って開発を進めていきたいと思います。
③ せいの(UI/UXデザイナー)
ユーザーインタビューはいずれ実施したいと思っていましたが、入社3ヶ月でCS課の保育施設の訪問に同行させてもらえるという絶好の機会でした。開発部がユーザーと接する場を設けてくれる環境は意外と多くはありませんので、サービスとユーザー理解の一環として現場を見せてもらえるのはありがたいですね☺️
インタビューの目的
私は自分の子が保育園に通っているので、保育施設がどういうものか、ある程度理解しているつもりでした。ただ、先生方の保育以外の業務を見る機会は少なく、弊社が提供しているおむつサブスクがどのように運用されており、先生方が問題なく管理画面を操作できているか、困りごとはないかが知りたかったです。
事前準備&インタビューリスト
CS課に「イメージを膨らませた上で臨むと深いことが聞けるよ」とありがたい助言をいただき、訪問する保育園の情報や一般的な登場人物、ユーザー傾向など伺って、訪問前にユーザーのイメージを膨らませることができました。(感謝!)
そして自分の子が通っている保育園が全てではないことに気付かされました…。
インタビューできる時間は限られていたので、社内の事前ヒアリングも踏まえて、主に以下の点を質問しました。
- 普段の園でのおむつサブスクの運用は、どんな流れで行なってますか?(リアルな利用シーン把握。誰がいつ何をするのか)
- 管理画面の中でよく見ているページや情報はなんですか?(優先度の高い情報の理解)
- 一番最初に管理ページを使った時に手間に感じたところや、困ったことを教えてください(UI/UX改善のヒント)
- 運用面で園で工夫していることがあれば教えてください(潜在ニーズや改善要望)
- 普段どのように操作しているか見せてください(操作性の課題発見)
インタビュー後の気づき
今回のインタビューでは、今後のプロダクト改善に繋がる3つの大きな気づきがありました。
ユーザーの工夫と自己解決
管理画面上の見せ方の部分でわかりにくいと感じた点を聞くことができました。
操作は困っていないようでしたが、手書きのメモも活用して運用されている実態が見えました。
先生方は工夫や手作業に慣れているので、困っていても自己解決する傾向があると感じました。
利用環境と運用体制
普段の管理画面の操作を見せていただくことで、職員室を拝見できたのも気づきが多かったです。
どんな環境(パソコン台数、モニタサイズ、その他端末の利用など)で作業をしているのか、細かいお話しも聞くことができました。(自分の子が通っている保育園のパソコン環境と全然違いました)
また、導入から運用まで複数の人物が関わっているケースが多く、運用担当も数年で変わってしまう可能性が高いことがわかりました。(インタビュー後に一緒に訪問したCS課から聞いた追加情報も非常に参考になりました)
現場の意欲と利用率向上との関係性
今回私が訪問した園は、園児のサービス利用率が非常に高く、うまく運用しているお手本としてCS課からもインタビューがありました。(おむつサブスクを利用するかは保護者側が選択できるケースが多く、園児の利用率が高いほど園側の運用負担も少なくなります)
園長先生のお話を聞いて、全員に使ってもらう!という意気込みをすごく感じました。
保育園がおむつサブスクを導入したら園児は使ってくれるものと思っていましたが、他の園の利用率を見るとそうではなかったです。開発部としても利用率向上にどのような貢献ができるかを考えさせられました。
今後に向けて
先生方のメイン業務は保育であり、管理画面の操作で時間を使わせてはいけません。
よりわかりやすく、シンプルなUIを心がけて設計していきたいと思います。
インタビューを通じて課題発見もできましたので、改修や機能追加を検討していければと思っています。操作性に関しては、ユーザービリティテストを実施して、本格的なリサーチも進めていきたいです。
サービスの導入から運用まで複数の人物が関わることを受けて、フェーズごとにペルソナの設定が必要だと感じました。また、利用率を上げる取り組みもぜひ考えていきたいです。
おわりに
今回の訪問を通じて、開発メンバー3名が異なる視点から多くの気づきを得ることができました。
- 先生方の時間的制約と、保育を最優先にする業務の性質
- レコメンド機能が使われていない、手書きメモで運用を補完しているなど、想定と異なる実際の使われ方
- 発注履歴画面の活用や、在庫スペースの制約を考慮した手動計算など、ユーザーが現場で工夫している実態
- パソコンの台数やモニタサイズ、運用担当者の交代頻度など、保育施設ごとに大きく異なる環境
これらの気づきは、机上では得られない、現場の生の声と空気感から得られたものです。
私たちは、保育施設の先生方がより保育に集中できるよう、本当に必要とされる価値を提供し続けたいと考えています。そのために、これからも定期的にユーザーと接点を持ち、現場の理解を深めていきます。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
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